大坂なおみへの報道を見て思う

大坂なおみは、テニスの全米オープンで健常者の日本人として初めて優勝した。

その彼女の記者会見での質疑応答の動画を見ていて思う。

「日本の常識は世界の非常識」だと。

日本人の記者が、誰1人テニスの試合についての質問をしないのだ。

日本人記者は新聞社から「大衆ウケするネタって分かるだろ? そういうのを出来るだけ訊いて来い」と編集長から命令されているに違いない。

試合のペース配分や勝負所の見極めのタイミングの事を訊いても、編集長はボツを出して自分の出世は閉ざされる。
それならば抹茶アイスや日本人としての振る舞いについてネタを集めれば、編集長はGOサインを出すに違いない。

そう考え、疑いもせずにテニスと無関係の質問ばかり続けていたのだろう。

これは大坂に失礼だ。
大坂というより、テニスの関係者全員に失礼だ。

車を作る会社が画期的な新製品を発売するための記者会見を想像すると分かりやすい。

世界中からスーツ姿の記者がズラリと集まる。
オランダ人やカナダ人などが1人1問のルールの下で、車の性能や安全性の事などの練りに練った質問を投げ掛け、それにメーカーの人が1問ずつ丁寧に答えている。
そんなフォーマルな場で、日本人の記者だけがTシャツにジーンズ姿で「あなたは納豆を食べますか?」「アイスはどんなのが好きですか」といった類の質問を次々と投げかける様なモンだ。

場違い顰蹙甚だしい。

大坂なおみの会見場にいた外国人は、質問した日本人記者を名前とともに「ジャーナリストとしての資格の無い奴」としてブラックリストに載せたに違いない。
だからこそ会見中に司会の人が「もう結構です」と質問を遮ったのだろう。

アスリートを芸能人としか思わない日本人記者の姿勢は、アスリートに大変失礼だ。

何故か?

ビジネスの場なのに仕事ぶりで評価しないからだ。

駅のキヨスクから紙媒体の問屋の撤退の話が出るなど、メディアの斜陽化は歯止めがかからなくなってきている。
いくら記者が上司のご機嫌を取っていても、会社から追い出される日は来るだろう。
国内の同業他社に転職しようにも、おそらく今より遥かに景気が厳しいだろうから転職は至難の業だろう。

「歳取ってから異業種でイチから出直すなんて」と考えるなら、当然海外に活路を見出さなければならなくなる。

その時、その日本人記者を受け入れる新聞社など有るのか?

面接の場で意気揚々と「大坂なおみに記者会見で質問した実績が有ります!」と言い切れば、面接官は伝手を辿ってその転職者の記者会見場での評判や質問内容を探ることになる。

当然、どの新聞社も採用を断ることになる。
ブラックリストに載る様な仕事しかしなかったのだから。

日本人の記者は勉強していない。
テニスを知らない奴がテニスの大会に行ってアホな質問をする。

あらゆる職業の中で一番勉強しなければいけないのは、ジャーナリストだ。
残念ながら日本のメディア関係者(「ジャーナリスト」などとはとても呼べない)に勉強の習慣はない。

俺は日本語のニュースではなく、海外のニュースを見るように極力している。
日本のニュースを見ていると、馬鹿になるからだ。

会社の中の常識が社会の常識ではない。
日本の常識が世界の常識でもない。

常識を疑わない者は馬鹿を見る。



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