中国のサッカーリーグのまとめ

中国のサッカーリーグについてまとめてみました。

◆公式サイト
なし

◆連盟
アジアサッカー連盟(AFC)

◆1部リーグ名称
中国サッカー・スーパーリーグ(Chinese Super League/中国足球协会超级联赛)
※通称中超

◆所属チーム数
18

◆試合形式
リーグ戦だがホーム&アウェー方式ではなくセントラル方式。最初の10試合は6チームずつの3グループに分けてグループ内で総当たり戦を実施。第10節が終わったらグループ替えを行い次の8試合を実施。以降8試合毎にグループ替えをする。1シーズン通じてだと2回戦総当たり方式になる。
※試合数34

◆開催期間
6月上旬〜11月中旬

◆移籍期間
2022年シーズンは3/15〜4/15と8/1〜8/31

◆順位決定方法
勝ち点→直接対決での勝ち点→直接対決での得失点差→直接対決での総得点→リザーブリーグとユースリーグでのウェイト率スコア

◆ACL枠
3.0(中超と中国FAカップの優勝チームが本戦から参戦。中超の準優勝、3位のチームがプレーオフから参戦)

◆2部リーグ(中国サッカー・甲級リーグ/China League One/中国足球协会甲级联赛)
18チームが所属。大会方式は中超と同様。
※通称中甲

◆昇降格枠
3(中超の16〜18位のチームと中甲の1〜3位のチームが自動昇降格)

◆それ以外の大会
◇中国FAカップ(Chinese FA Cup/中国足协杯)
プロ・アマチームが参加する1発勝負のトーナメント方式の大会。ただし準々決勝と準決勝は2試合ずつ実施。中超勢は4回戦(ラウンド32)より参加。2021年シーズンは7月上旬から1月上旬にかけて開催された。

◆平均入場者数
4,656人(2021年シーズン)

◆チーム名
山東泰山足球倶楽部(Shandong Taishan F.C./山东泰山足球俱乐部)
上海海港足球倶楽部(Shanghai Port F.C./上海海港足球俱乐部)
広州足球倶楽部(Guangzhou F.C./广州足球俱乐部)
長春亜泰足球倶楽部(Changchun Yatai F.C./长春亚泰足球俱乐部)
北京国安足球倶楽部(Beijing Guoan F.C./北京国安足球俱乐部)
深圳市足球倶楽部(Shenzhen F.C./深圳市足球俱乐部)
広州城足球倶楽部(Guangzhou City F.C./广州城足球俱乐部)
河北足球倶楽部(Hebei F.C./河北足球俱乐部)
上海申花足球倶楽部(Shanghai Shenhua F.C./上海申花足球俱乐部)
河南嵩山龍門足球倶楽部(Henan Songshan Longmen F.C/河南嵩山龙门足球俱乐部)
石家荘永昌足球倶楽部(Cangzhou Mighty Lions F.C./沧州雄狮足球俱乐部)
天津津門虎足球倶楽部(Tianjin Jinmen Tiger F.C./天津津门虎足球俱乐部)
武漢足球倶楽部(Wuhan Yangtze River F.C./武汉长江足球俱乐部)
武漢三鎮足球倶楽部(Wuhan Three Towns F.C./武汉三镇足球俱乐部)
梅州客家足球倶楽部(Meizhou Hakka F.C./梅州客家足球俱乐部)
浙江職業足球倶楽部(Zhejiang Professional F.C./浙江职业足球俱乐部)
成都蓉城足球倶楽部(Chengdu Rongcheng F.C./成都蓉城足球俱乐部)
大連人職業足球倶楽部(Dalian Professional F.C./大连人职业足球俱乐部)

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◆最近の概要
世界中に拡散した新型コロナウイルスは現在でもこの地のサッカー界では深刻な影響を及ぼしている。
中超はかつては3月から11月にかけて行われるホーム&アウェー方式の2回戦総当たり方式の単純な1ステージ制(要するに現在のJリーグと同じ方式)の大会だった。その中で国内の舞台で、クラブによってはACLと並行しながら大勢のサポーターの声援の中で鎬を削る姿が有った。それらが2020年に一変した。2019年末に勃発した新型コロナウイルスは瞬く間に国中に広まり、2020年シーズンの中超を予定通り2月下旬に開幕するのは不可能になった。その後大会方式を地区別の2グループに分けた2回戦総当たり方式のグループステージと優勝・残留をかけたノックアウトステージの2ステージ制に変更して7月下旬に開幕した。このシーズンは11月中旬に閉幕したもののコロナ対策でセントラル開催だったため、大多数のサポーターは地元のスタジアムに駆けつける楽しみを喪失した。翌2021年シーズンの中超は4月中旬から4ヶ月の中断期間を経て翌年の1月中旬に閉幕する日程だったが、大会方式はあまり変わらなかった。変わった事と言えばノックアウトステージだった部分が上位チームと下位チームがそれぞれ集まってグループを再編成し、同じ地区の4チームの中で2回戦総当たり方式の「2次リーグ」になった事ぐらいだった。基本的に地区で区切ってその中のチーム同士で試合する事でコロナウイルスの拡散を防ごうと試みた。この2シーズンの間中国FAカップは実施できたものの、国内リーグとカップ戦の王者同士が闘う中国サッカー・スーパーカップは実施されなかった。
国土の広い中国では沿岸部に人口が集中していて、当然ながらこれらの地域にスタジアムが多くなる。中超の加盟クラブがホームスタジアムとするスタジアムの中には60,832人収容の大連体育中心体育場(大連人職業足球倶楽部のホームスタジアム)や60,334人収容の深圳大運体育中心(深圳市足球倶楽部のホームスタジアム)の様な大箱が多いが、決して収容人数の多さだけにこだわっているクラブばかりではない。上海海港足球倶楽部はかつて上海中心部の市街地に収容人数56,842人の総合競技場である上海体育場をホームスタジアムとしていたが、現在のホームスタジアムはそこから海側にぐっと近づいた浦東にある収容人数37,000人の陸上トラックのないサッカー場の浦東足球場である。ただしコロナ対策で開催できるスタジアムが限られていて、本拠地で試合できるクラブが少ないのが実情である。それに呼応するかの様に平均入場者数が24,076人(2019年シーズン)→1,597人(2020年シーズン)→4,656人(2021年シーズン)と激減している。コロナ前の2割に満たない動員数は、いまだに入国者数をコロナ前の2割未満に規制しているどこかの国を思い起こさせる。
中超はかつては潤沢な資金を背景にワールドクラスの外国人選手を爆買いしてACLの国際舞台で大暴れしてきた。ところがコロナ禍で入場料収入が期待できなくなり、更に2021年シーズンからのチーム名から法人名を外す措置で法人からの収入にも影響を与えた。中でもバブルが弾けた事で、かつて広州足球倶楽部の親会社だった不動産会社の恒大集団が経営危機に陥り、エウケソンやパウリーニョ、リカルド・グラールといった爆買いを象徴する選手達が続々とクラブを去った。現在このクラブと大連人職業足球倶楽部が中国人選手だけでトップチームを構成している。その他のクラブは相変わらず外国人選手を多く在籍させているものの、中超全体として戦力的にやや小粒になった感は否めない。国籍別として最多なのが24人在籍のブラジル人でありエリキ(元横浜F・マリノス/長春亜泰足球倶楽部)、セルジーニョ(元鹿島アントラーズ/長春亜泰足球倶楽部)、アデミウソン(元横浜F・マリノス、元ガンバ大阪/武漢三鎮足球倶楽部)といったJリーグの馴染みの選手もいる。他に目立つのはクロアチア人やセルビア人などの東欧系の選手になる。アジア人選手は少なく、原則として自国籍選手として扱われる香港人や台湾人を除けばキム・ミヌ(元サガン鳥栖/成都蓉城足球倶楽部)などの韓国人選手ぐらいになる。
1部リーグのチーム数を16から18に増やして臨んだ2022年シーズンの中超だが、中立地に集めてのグループリーグを繰り返すという世界的に例のない独特な大会になっている。これは勿論中国政府の極端なゼロコロナ政策によるものであり、これが国際大会にも影を落としている。コロナ前は中国勢はACLのノックアウトステージの常連だったが、ロックダウンを含む強烈な移動制限が視野に入ったり実際にかけられたりしか結果として中超へのダメージを回避する為にユースの選手をACLを行うスタジアムに、つまり外国に送るチームが続出した。その結果として2021年シーズン、2022年シーズンとも1勝も出来ずに大会から去るチームばかりになった。2022年シーズンに至っては大会参加そのものを取りやめたクラブすらあった。国際大会での低パフォーマンスは、全盛期を知る者にとってはいささか寂しさが残る。足下を見ると2021年シーズン終了をもって重慶両江競技足球俱楽部と青島足球倶楽部という中超を盛り上げてきた2つのクラブがサッカークラブとしての活動を止めてしまった。この2021年シーズンの初頭では前年度の優勝チームだった江蘇足球倶楽部が解散するという衝撃的な結末を迎えたクラブが有った。この様に中国のサッカー界は現在国内リーグが稼働している国や地域の中で最も深刻な状況に置かれている。
「あなたが望めばコロナは終わり!」とならないのだろうか?

◆最終更新日時
2022/6/15

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