ノルウェーのサッカーリーグのまとめ

ノルウェーのサッカーリーグについてまとめてみました。

◆公式サイト
https://www.eliteserien.no

◆連盟
欧州サッカー連盟(UEFA)

◆1部リーグ名称
エリテセリエン(Eliteserien/Eliteserien i fotball for menn/Den norske eliteserien i fotball)

◆所属チーム数
16

◆試合形式
リーグ戦(1ステージ制/ホーム&アウェー2回戦総当たり)
※試合数30

◆開催期間
4月上旬〜11月中旬

◆移籍期間
2022年シーズンは1/8〜3/31と8/1〜8/31

◆順位決定方法
勝ち点→得失点差→総得点→直接対決での勝ち点→直接対決での得失点差→直接対決でのアウェーゴール数

◆チャンピオンズリーグ枠
0.0625(エリテセリエン優勝クラブが予選1回戦より参戦)
※ノルウェー・カップ優勝クラブ及びエリテセリエン準優勝、3位のクラブはヨーロッパカンファレンスリーグ予選2回戦に参戦

◆2部リーグ(ノルウェー・フォルシュテ・ディヴィション/Norwegian First Division/OBOS-ligaen/1. divisjon fotball for menn)
16チームが所属。1ステージ制でホーム&アウェー2回戦総当たり。

◆昇降格枠
2.5±0.5(エリテセリエンの15位、16位のチームとノルウェー・フォルシュテ・ディヴィションの1位、2位のチームが自動昇降格。エリテセリエンの14位のチームとノルウェー1部リーグの3〜6位のチームが昇降格プレーオフに参戦。昇降格プレーオフではまずノルウェー・フォルシュテ・ディヴィションの5位のチームと6位のチームが対戦し、その勝者が順次4位のチーム、3位のチーム、エリテセリエンの14位のチームと闘う。最後に勝利したチームだけが来シーズンにエリテセリエンで闘うチームとなる。昇降格プレーオフでは全てのカードが一発勝負)

◆それ以外の大会
◇ノルウェー・カップ(Norwegian Football Cup/Norgesmesterskapet i fotball for menn/NM i fotball for menn)
エリテセリエンを始めとするノルウェーの1〜5部リーグ相当クラブが参加する一発勝負のトーナメント方式の大会。エリテセリエン勢は1回戦(ラウンド128)より参戦。5月中旬から1年間かけて開催する。

◆平均入場者数
不明

◆チーム名
オーレスンFK(Aalesunds FK/Aalesunds Fotballklubb/Aalesunds Fotballklubb)
FKボデ/グリムト(FK Bodo/Glimt//Fotballklubben Bodø/Glimt//Fotballklubben Bodø/Glimt)
ハマルカメラテネ(Hamarkameratene/Hamarkameratene/Hamarkameratene)
FKハウゲスン(FK Haugesund/FK Haugesund/Fotballklubben Haugesund)
FKイェルヴ(FK Jerv/Fotballklubben Jerv/FK Jerv)
クリスチャンスンBK(Kristiansund BK/Kristiansund Ballklubb/Kristiansund Ballklubb)
リールストロムSK(Lillestrom SK/Lillestrøm Sportsklubb/Lillestrøm Sportsklubb)
モルデFK(Molde FK/Molde Fotballklubb/Molde Fotballklubb)
オッズBK(Odds BK/Odds Ballklubb/Odds Ballklubb)
ローゼンボリBK(Rosenborg BK/Rosenborg Ballklub/Rosenborg Ballklub)
サンデフィヨルド・フォトバル(Sandefjord Fotball/Sandefjord Fotball/Sandefjord Fotball)
サルプスボルグ08(Sarpsborg 08 FF/Sarpsborg 08 Fotballforening/Sarpsborg 08)
ストレームスゴトセトIF(Stromsgodset Toppfotball/Strømsgodset Toppfotball/Strømsgodset Toppfotball)
トロムソIL(Tromso IL/Tromsø Idrettslag/Tromsø Idrettslag)
バイキングFK(Viking FK/Viking Fotballklubb/Viking Fotballklubb)
ヴォレレンガ・フォトバル(Valerenga Fotball/Vålerenga Fotball/Vålerenga Fotball)

◆最近の概要
新型コロナウイルスはフィヨルドとオーロラの国のサッカー界でも障害になった。
2020年シーズンのエリテセリエンは4月上旬に開幕するはずだったが、パンデミックの到来で長期の延期を強いられた。チームトレーニング開始などの段階を経てようやく6月中旬に開幕したものの、その時点では入場者数の上限が200人という厳しい状態だった。10月中旬に600人にまで制限が緩和されたものの、シーズンを通しての1試合当たりの平均観客数は前年の5,773人から295人にまで落ちてしまった。動乱のシーズンは12月下旬に幕を閉じた。こうして国内リーグはなんとか実施できたものの、ノルウェー・カップはこのシーズンは中止になった。翌2021年シーズンの1部リーグは4月上旬に開幕する予定だったが、またしてもコロナ禍で5月上旬まで延期になった。その開幕節もその日に実施できたのは4試合だけで、残り4試合を実施できたのは7月下旬という混乱ぶりだった。結局全日程を消化できたものの、最終節を実施したのは半月遅れの12月中旬だった。コロナ禍の影響を受けたのはカップ戦も同様であり、2021年シーズンとして実施するはずのノルウェー・カップの開幕は4月から7月下旬に後ろ倒しになった。この大会は本来は5月に始まり12月に終わる春秋制だったが、度重なる日程遅延が災いし年内に全日程を終わらせる事ができず、「2021-2022年シーズン」として決勝を実施できたのは5月上旬だった。こうしてカップ戦は秋春制の大会になった。
ノルウェーは緯度の割に暖かいので、真冬さえ避ければ寒さ対策や雪対策という点ではエリテセリエンを実施するのにあまり問題はない。ただし国土の北半分が北極圏にあり、冬が近づくと日照時間が極端に短くなる。もちろんそこでは真冬だと極夜にもなる。こうした事情からこのリーグを実施するスタジアムのほとんどが南部に存在している。そしてノルウェーは南北にかなり細長い形をしていて、平野は無きに等しい。こうした状況では、スタジアムが密集している事は遠征の際にも都合が良い。ちなみに天然芝のスタジアムは5つのみであり、残りは全て人工芝である。ノルウェー1部リーグを開催するスタジアムで最も多くのサポーターを入れられるのはノルウェー中部のトロンハイムにある収容人数21,421人のレルケンダール・スタディオンという天然芝のサッカー場で、ローゼンボリBKがホームスタジアムとして利用している。その他のスタジアムの大半が収容人数10,000人前後になる。
ノルウェーでは全員ではないが成人の男女ともに徴兵制の対象になる。エリテセリエンで闘うためには選手の補強に力を入れなければならないが、国としての経済状態は目覚ましく、お金の面で選手補強に困っている様には見えない。地域柄か外国人選手で数が目立つのはデンマーク人(17人)やスウェーデン人(13人)といった北欧出身の選手である。欧州やアフリカを中心に様々な国籍の選手がノルウェーでプレーしている。ただし他の多くの国や地域のリーグで席巻しているブラジル人選手の姿がこのリーグでは見られない。この様に気候的な選手層の偏りがある程度見られる。
直近のエリテセリエンではFKボデ/グリムトが2連覇を達成した。UEFAチャンピオンズリーグでは最近ではノルウェー勢の予選敗退が続いているものの2019-2020年シーズンではローゼンボリBKが、2020-2021年シーズンではモルデFKがプレーオフラウンドにまで進出した。本大会出場まであと1歩のところまで来ているので、今後の活躍が楽しみだ。ちなみにノルウェーではメスターフィナレンというスーパーカップが散発的に開催されていた時期が有ったが、2018年シーズンを最後に4度開催されただけで以後は実施されていない。
ノルウェーを代表するサッカー選手としてアーリング・ハーランド(ボルシア・ドルトムント)がいる。彼はモルデFKでのプレー経験を持つ。他には名古屋グランパスや清水エスパルスで活躍したフローデ・ヨンセンがJリーグに馴染みが深い。彼はトップチームとしては他にオッズBKやローゼンボリBKでもプレーした。つまりノルウェーと日本を股にかけてきた選手だった。そしてエリテセリエンを語る上で忘れてはいけないのがデンマーク人選手のキャスパー・ユンカーだ。彼は2019年シーズンでのスターベクIF(2021年シーズンをもってノルウェー・フォルシュテ・ディヴィションに降格)への期限付き移籍を経て2020年シーズンにFKボデ/グリムトに移籍した。このシーズンでの27得点という活躍がチームの2連覇の原動力となった。リーグ得点王やMVPを手土産に2021年シーズンに日本に渡り、浦和レッズに加入した。レッズでの活躍がその後の浦和の北欧路線を切り開いている。
ノルウェーのサッカー界は素晴らしい。

◆最終更新日時
2022/5/6

◆こちらの記事もオススメ
スウェーデンのサッカーリーグのまとめ
フィンランドのサッカーリーグのまとめ
日本のサッカーリーグのまとめ