学校に行かなくていい場合がある

元航空自衛官の田母神の、実に香ばしいツイートを見つけてしまった。

このツイートを見ただけでも「田母神は偏っていて、視野が狭い」と思う。
「よくこんな人が航空自衛官になれたモンだ」とも思う。

生徒が不登校に陥る理由として、大まかに次の3通りが考えられる。

◆生徒がたるんでいる
◆先生の素行が悪すぎる
◆教える内容が悪すぎる

まず最初の「生徒がたるんでいる」から不登校になるというパターンを挙げる。
これは「ドラえもん」ののび太が少しダレた様なタイプを想像すると良いだろう。
勉強だけでなく、登校すらも面倒になり「学校行くのやーめた」と言っちゃう様な生徒だ。

このタイプに対してなら、田母神の発言は正しい。
俺だって、こんな生徒に対しては「学校に行って来い」と雷を落とす。

「不登校を正当化するな」という意見が問題なのは、2番目と3番目のパターンを無視しているからだ。

2番目の「先生の素行が悪すぎる」というパターンについて触れる。

生徒が集団で1人の生徒を殴る蹴るという事件を知っても、先生は見て見ぬ振り。
それどころか先生が率先して生徒に体罰を与える場合もある。

体罰もイジメも、立派な暴行事件だ。

暴行事件を容認する者が教師を名乗るなら、その教え子達は「気に入らなければ殴ればいい」と受け取る。
そうして育った大人が、パワハラセクハラの温床になっている。

そういう学校に行かせたところで、まともな教育を受けられると思うか?

イジメや体罰の被害者が不登校になるのは、止むを得ない。
特に事件を校長が握りつぶしているような所では。

自衛隊で働いていたという経歴からして、田母神は「上官の命令には絶対服従」という価値観で長年過ごしてきたに違いない。

だが深刻なイジメや体罰でノイローゼになって不登校に追い込まれる生徒の親に絶対服従を強要すれば、それこそ生き死にが掛かった闘いになってしまう。
教育委員会を巻き込んだ戦争に発展してしまう。
子供の命が掛かっている状況では、先生の絶対服従の価値観など無意味だ。

学校に限らずイジメやパワハラ、セクハラが有った場合、日本では被害者をカウンセリングし、メンタルクリニックに行く様に指示する。
それを知った周りの人は、「被害者は振る舞いに問題が有ったから被害者になったんだ。悪いのは被害者だ」と受け取る。

こういう場合、外国では加害者の方をカウンセリングし、被害者から隔離する。

加害者が変わらなければ、イジメは無くならない。
行動の発端は加害者なのだから。

こんな単純な理屈が通じない場に、まともな教育は期待できない。
もちろん全ての教育現場がそういう訳では決してないが。

さて、3番目の「教える内容が悪すぎる」について触れよう。

崩壊による後遺症を負う子供が後を絶たないのに、なぜ運動会から組体操が無くならないか?
なぜ他の人たちと同じ事をしていないといけないのか?
なぜ運動部で試合に出られなくても、退部してはいけないか?
仕事ぶりがダメダメ過ぎて取引先から信用を失う会社が、なぜ道徳の教科書にお手本として載っているか?

組体操が危険なら、さっさと無くせば良いのに。
個人事業主や社長として生きるなら、他の人と同じ事をするのは寧ろ命取り。
部費を払っても試合に出す気の無い部活なんかさっさと辞めて、地元のスポーツクラブに入会すれば良いのに。
仕事ぶりが駄目な会社の書き込みを教科書から削除すれば良いのに。

冷静に考えれば、おかしな事ばかり。

これは日本の教育システムが関係している。

日本では、国が認めた内容しか学校で教えてはいけない。
教科書を国がチェックする検定制度を導入している国は日本以外では中国、韓国、他の一部の開発途上国であり、欧米の先進国にそんな制度はない。

日本の教育制度は明治時代の富国強兵政策の流れから出来たものだ。
工場で製品を大量生産し、戦争で任務を遂行させる為には、国が認めていない内容を教えるのを認めれば困る。
それはお国の為や大企業の為ではあっても、生徒の人生の為ではない。

その時からビックリする程、教育現場はアップデートされていない。

先生はタダ同然の報酬で運動部の顧問にさせられ、休日を奪われ残業をさせられる。
思考停止した先生は、試合に出られない生徒に「部活を続けることに意味がある」と説得し、退部への心理的ハードルを上げる。
ほとんどの大人がスマホでコミュニケーションを取る様になっても、学校では生徒に携帯電話の所持を禁止させ、SNSの利用も厳禁する。

理不尽なものばかりだ。

「理不尽にこそ価値がある」と言う大人もいる。
俺に言わせれば、理不尽は理不尽でしかない。

なぜ教頭は先生に運動部の顧問という奴隷労働を強要するのか?

部活を通して「タダで働くように」教えたいからだ。
「労働には給与が発生する」という価値観にすると、ラクして儲けたい大企業の経営者に義理が立たなくなる。

なぜ部活の顧問は生徒に退部させないように持っていくのか?

生徒自身が考えて「地元のスポーツクラブに参加する」と気付かれれば、先生自身のメンツに関わるからだ。
自分で考える教育を控え、常に一方通行の教育でないと先生が困るのだ。

大人になれば給料の交渉が出来ない者は、生活苦に直面する。
自分で考える習慣の無い者は、問題を自分で解決できずに人生の主導権を上司に握られる。

学校の教育を鵜呑みにすると、日本ではこういう大人になってしまう。
あなたの周りにも、こういう大人は掃いて捨てるほどいるだろう。

こういう事を念頭に置いて田母神がツイートしたとは、俺には思えない。

彼は物事を目にした時、それへの判断が早すぎる。
検証の見切りが早すぎたり考えが浅すぎたりして頓珍漢な仕事をする「名探偵コナン」の毛利小五郎を思わせる。

不登校をする生徒がいる

不登校はイカン!

こう結論したからこその、あのツイートだろう。

検証がなさすぎる。

不登校をする生徒がいる

忠告しても生徒や親は従わない

従わない理由は何か?

どうすれば従わない理由を解消できるか?

ここまで丁寧に考えないと、もつれた糸はほどけない。

不登校を正当化すれば教育は崩壊し、日本は弱体化するのではない。
教育が崩壊しているからこそ不登校を正当化するしかなく、その結果日本が弱体化していると考えられないのだろうか?

携帯電話が無かった頃は、知らない事は教科書か図書館で調べるしかなかった。
ググろうにも、そもそもケータイもインターネットもなかった。
教科書の内容は、たとえ眉唾物でも信じるしかなかった。

今ではケータイやネットを見れば色んな情報が手に入る。
そうすれば、教科書のデタラメな箇所が分かってしまう。

それが先生には怖いから、教科書以外の情報を許さないのではないか。
ネットからの情報を遮断しなければ、今までのように教科書さえなぞっていれば教師の座は安泰、という訳にはいかなくなる。

そんな状況では、常識を疑え。

お金の事。
本を出そうと思えば、簡単に電子書籍を販売できる事。
理不尽がどう理不尽かは、海外事例を調べれば分かる事。

こういう実生活で役立つ事は、学校では教えない。

だからこそ、情報が命だ。

教科書だけが情報じゃない。
学校が全てじゃない。



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