ベラルーシのサッカーリーグのまとめ
ベラルーシのサッカーリーグについてまとめてみました。
◆公式サイト
なし
◆連盟
欧州サッカー連盟(UEFA)
◆1部リーグ名称
ベラルーシ・プレミアリーグ(Belarusian Premier League/Вышэйшая ліга чэмпіянату Беларусі па футболе/Чемпионат Белоруссии по футболу)
◆所属チーム数
16
◆試合形式
リーグ戦(1ステージ制/ホーム&アウェー2回戦総当たり)
※試合数30
◆開催期間
3月中旬〜11月中旬
◆移籍期間
2022年シーズンは1/7〜3/31と6/28〜7/25
◆順位決定方法
勝ち点→直接対決での勝ち点→直接対決での得失点差→直接対決での得点数→得失点差→勝利数→得点数
◆チャンピオンズリーグ枠
0.0625(ベラルーシ・プレミアリーグ優勝チームが予選1回戦に参戦)
※ベラルーシ・カップ優勝チームとベラルーシ・プレミアリーグ準優勝のチームはヨーロッパカンファレンスリーグの予選2回戦に、ベラルーシ・プレミアリーグ3位のチームはヨーロッパカンファレンスリーグの予選1回戦に参戦
◆2部リーグ(ベラルーシ・ファーストリーグ/Belarusian First League/Першая ліга чэмпіянату Беларусі па футболе/Первая лига Белоруссии по футболу)
13チームが所属。ホーム&アウェー3回戦総当たり。
◆昇降格枠
2.5±0.5(ベラルーシ・プレミアリーグの15位、16位のチームとベラルーシ・ファーストリーグの1位、2位のチームが自動昇降格。ベラルーシ・プレミアリーグの14位のチームとベラルーシ・ファーストリーグの3位のチームが昇降格プレーオフに進出)
◆それ以外の大会
◇ベラルーシ・カップ(Belarusian Cup/Кубак Беларусі па футболе/Кубок Белоруссии по футболу)
ベラルーシ・プレミアリーグとベラルーシ・ファーストリーグ、3部相当のベラルーシ・セカンドリーグの全チーム、そしめ一部ほアマチュアチームが参加する一発勝負のトーナメントの大会。ベラルーシ・プレミアリーグ勢は3回戦(ラウンド32)から参戦する。2021-2022年シーズンは2021年5月下旬から2022年5月にかけて実施予定。
◇ベラルーシ・スーパーカップ(Belarusian Super Cup/Суперкубак Беларусі па футболе/Суперкубок Белоруссии по футболу)
ベラルーシ・プレミアリーグとベラルーシ・カップの優勝チーム同士が対戦する一発勝負の大会。ベラルーシ・プレミアリーグの開幕直前に開催する。
◆平均入場者数
不明
◆チーム名
FCアルセナル・ジャルジンスク(FC Arsenal Dzerzhinsk/ФК Арсенал Дзяржынск/Арсенал)
FC BATEボリソフ(FC BATE Borisov/ФК БАТЭ/БАТЭ)
FCベルシナ・バブルイスク(FC Belshina Bobruisk/ФК Белшына/Белшина)
FCホメリ(FC Gomel/ФК Гомель/Гомель)
FCディナモ・ブレスト(FC Dynamo Brest/ФК Дынама Брэст/Динамо-Брест)
FCディナモ・ミンスク(FC Dinamo Minsk/ФК Дынама Мінск/Динамо)
FCドニェプル・マヒリョウ(FC Dnepr Mogilev/ФК Дняпро Магілёў/Днепр)
エネルゲティク=BGUミンスク(FC Energetik-BGU Minsk/ФК Энергетык-БДУ/Энергетик-БГУ)
FCイスロチ・ミンスク・ラヨン(FC Isloch Minsk Raion/ФК Іслач/Ислочь)
FCミンスク(FC Minsk/ФК Мінск/Минск)
FCネマン・フロドナ(FC Neman Grodno/ФК Нёман Гродна/Неман)
FCシャフティオール・ソリゴルスク(FC Shakhtyor Soligorsk/ФК Шахцёр Салігорск/Шахтёр)
FCスラヴィア=マズィル(FC Slavia Mozyr/ФК Славія Мазыр/Славия-Мозырь)
FCスウツク(FC Slutsk/ФК Слуцк/Слуцк)
FCトルペド=ベラーズ・ジョジナ(FC Torpedo-BelAZ Zhodino/ФК Тарпеда-БелАЗ/Торпедо-БелАЗ)
FCヴィーツェプスク(FC Vitebsk/ФК Віцебск/Витебск)
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◆最近の概要
世界中を震撼させた新型コロナウイルスは東欧の大国の隣国の彼の地にも届いてはいた。
ただし2020年シーズンではパンデミックの煽りを受けて他国で続々と国内リーグを中断したり規模縮小して再開したり打ち切ったりしている中、ベラルーシ・プレミアリーグは中断をしなかったどころかスタジアムにサポーターを入れて公式戦の開催を続けた。この事は世界的なニュースになり、2020年は他の国からベラルーシの国内リーグが注目された時期だった。
ベラルーシ・プレミアリーグ加盟チームには首都ミンスクにホームスタジアムを構えている所が4チーム(FCディナモ・ミンスク、エネルゲティク=BGUミンスク、FCイスロチ・ミンスク・ラヨン、FCミンスク)有るが、その他の12チームは国土全域に割と満遍なく本拠地が散らばっている。ベラルーシという国自体は経済が豊かな部類に入っているものの、スタジアムの収容人員が10,000人を切っている所が多く、陸上トラック付きの総合競技場ばかりだったり観客席もゴール裏が無かったりメインスタンドしか無かったりと集客装置が貧弱であり、2020年の思わぬ「好景気」をサッカー界に還元し切れていない印象である。
夏があまり気温が上がらず、冬に氷点下になる地域が多いベラルーシではベラルーシ・プレミアリーグとベラルーシ・カップの開催時期が異なる。リーグ戦は春秋制だがカップ戦は秋春制という世界的にも非常に珍しい形態になっている。ただし欧州の国際大会は秋春制なので、優勝争いの常連にとっては違和感のないスケジュールなのかもしれない。
ベラルーシでは2021年5月23日に起きたライアンエアー4978便強制着陸事件(ギリシャからリトアニアに向かう予定だったこの便が、ベラルーシ領空に入った直後にベラルーシ大統領のルカチェンコの命令でベラルーシ空軍の要撃の下に緊急着陸させられ、前年の反政府デモをきっかけに海外に亡命していたベラルーシのジャーナリストが逮捕された事件)をきっかけに、EUなどが航空機の往来を制限する制裁を課している。欧州の航空会社の航空機がベラルーシ領空内を飛行する事も、ベラルーシの航空会社の航空機が他国を飛行する事も許されていない状況では、外国人選手の往来は限定的なものになる。ベラルーシ・プレミアリーグの加盟チームに所属する外国籍選手の国籍は東欧とアフリカに極端に偏っている(ロシア人選手が23人いたりナイジェリア人選手が7人いたりなど)。ロシア人選手が群を抜いて多い所を見ると、ベラルーシが「欧州最後の独裁国家」と言われている事で有名な事を痛感させられる。
ベラルーシ・プレミアリーグではFCシャフティオール・ソリゴルスクが2連覇しているが、UEFAチャンピオンズリーグでは予選1回戦から参戦している事があり、ベラルーシ勢は予選の壁をなかなか突破出来ずにいる。ただベラルーシのクラブチームがこれからもこういった大会に参戦を続けられるかどうかは疑問だが。
世界中で報道されている通り、ベラルーシはロシアのウクライナ侵攻に様々な形で協力しているとして批判を受けている。スポーツ界でも制裁を課している競技団体は多い。例えば陸上競技では国際大会の開催権を剥奪したりベラルーシ人選手の参戦を禁じたりしている。テニスでは国際大会へのベラルーシ人選手の参加の条件として「無国籍の選手としての参加」を義務付けているし、一部の大会には参戦自体を拒否する流れもある。サッカー界でもこういう動きが出ている。UEFAがベラルーシ代表やベラルーシのクラブチームが参戦する国際大会のホームゲームを中立地で無観客開催する様に命じた。要するに開催権の剥奪と経済制裁である。日本の外務省もベラルーシについて「戦争に加担していて標的になる危険性が高い」という事で危険レベルが基本的にレベル3(渡航中止勧告)に、ウクライナ国境付近ではレベル4(退避勧告)に引き上げられたほどの状況だ。戦時中のこの状況で外国のチームを招いて国際大会を開催するのは危険である。「ベラルーシはこれまでロシアに併合をチラつかされてきた」という同情の余地が一理だけあるが、それでも一方的に理不尽な虐殺を仕掛ける国家に協力を惜しまなかった事実は変わらない。
略奪者や破壊者に協力する立場に立っている限り、サッカーの発展はない。サッカーは平和の下に成り立つものだから。
◆最終更新日時
2022/4/20
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