ラオスのサッカーリーグのまとめ
ラオスのサッカーリーグについてまとめてみました。
◆公式サイト
なし
◆連盟
アジアサッカー連盟(AFC)
◆1部リーグ名称
ラオ・リーグ1(Lao Premier League/ລາວ ພຣີເມຍລີກ)
◆所属チーム数
7
◆試合形式
リーグ戦(1ステージ制/ホーム&アウェー3回戦総当たり)
※試合数18
◆開催期間
3月中旬〜
◆移籍期間
2022年シーズンは前年12/6〜2/25と6/1〜7/1
◆順位決定方法
勝ち点→得失点差→得点数
◆ACL枠
0
※ラオ・リーグ1優勝チームはAFCカップにプレーオフステージから参戦
◆2部リーグ(ラオ・リーグ2/Lao League 2/ລາວ ລີກ 2)
詳細不明
◆昇降格枠
降格枠は1(ラオ・リーグ1の7位のチームが自動降格)
◆それ以外の大会
なし
◆平均入場者数
不明
◆チーム名
エズラFC(Ezra F.C./ສະໂມສອນ ເອສະຣາ ເອັຟຊີ)
ヴィエンチャンFC(Viengchanh FC/ສະໂມສອນ ວຽງຈັນ ເອັຟຊີ)
ヤング・エレファンツFC(Young Elephants FC/ສະໂມສອນ ຊ້າງນ້ອຍ ເອຟຊີ)
ラオ・アーミーFC(Lao Army F.C./ສະໂມສອນ ກອງທັບ ເອັຟຊີ)
マスター7FC(Master 7 FC/ສະໂມສອນ ມາສເຕີ້ ເຊເວັນ ເອຟຊີ)
チャンパーサックFC(Champasak F.C./ສະໂມສອນກິລາບານເຕະ ແຂວງຈຳປາສັກ)
ルアンパバーン(Luang Prabang/ສະໂມສອນ ຫຼວງພະບາງ)
◆最近の概要
世界中に影響を与えた新型コロナウイルスは東南アジアの山がちな内陸国のサッカー界でも無縁ではいられなかった様だ。
ラオ・リーグ1のシーズンは2月に始まるのが通例だが、2020年シーズンのこのリーグの開幕は7月中旬だった。このシーズンに限り開幕がこの時期になった理由を報道している記事を見つける事ができないし、そもそも開幕が何らかの理由で遅れたのかこのシーズンだけ意図的にずらしたのかすらも分からない。憶測に過ぎないが、おそらくはパンデミックが開幕が遅れた原因だと思う。このシーズンは2回戦総当たり方式だった。7チームしかいないのでわずか12試合でシーズンが終わる事になる。このシーズンが終わるのは10月中旬という、僅か3ヶ月のリーグ戦だった。コロナの影響(本当にそれが理由なら)はむしろ翌2021年シーズンの方が深刻だった。このシーズンのラオス1部リーグに加盟したクラブはわずか5つであり、3月下旬に開幕したものの4月上旬を最後にこのシーズンの公式戦は行われていない。わずか2、3試合で2021年のサッカーシーンの幕を下ろした事になる。
ラオ・リーグ1の混乱はコロナ禍で始まった事ではない。2019年シーズンは6チームで運営するなど、シーズンによって1部リーグの構成チーム数が変わるのもラオスのサッカーシーンの特徴だ。それでも2022年シーズンから8チームでラオ・リーグ1を回そうとしていたが、そういう訳にも行かなくなった。前回大会の2020年シーズンの優勝チームだったラオ・トヨタFC(名前の由来は日本のトヨタ自動車株式会社が設立したクラブだから)がFCチャンタブリーにクラブ名を改名したが、それと前後して八百長事件が発覚してリーグを追われたからである。この様になかなか波瀾万丈なリーグだが、国内リーグは行われている。1部リーグを構成する7チーム中5チーム(エズラFC、ヴィエンチャンFC、ヤング・エレファンツFC、ラオ・アーミーFC、マスター7FC)がヴィエンチャンにホームスタジアムを構えている。ラオスは治安上の理由で公共交通機関の利用には危険が伴う。かと言って都市部以外ではたいてい幹線道路すら舗装されていないので、バスでチームが移動するのにも困難が付いて回る。この辺りが首都偏在が極端なスタジアム事情になっている理由だろう。なおラオ・リーグ1を開催するスタジアムで最も収容人数の多いのはヴィエンチャンにある25,000人収容のニュー・ラオス・ナショナルスタジアムでありエズラFC、ヤング・エレファンツFC、マスター7FCがホームスタジアムとして使っている。
メコン川が流れるラオスは土壌が肥沃な地域が広い農業国である。つまり現物収入は豊富だが、現金収入となると話は別だ。パトロンがオーナーにでもならないと経営が難しいクラブばかりのラオ・リーグ1に極上のプレーの質を保つ外国人選手を連れて来るのは難しい。ラオスは徴兵制が敷かれている国でもあり、徴兵対策のためにも選手の補強は死活問題だと思われるし、どのクラブにとっても頭の痛い問題だろう。実際外国人選手が見当たらないクラブも多い。このリーグで最も人数の多い外国籍選手は日本人であり元Y.S.C.C.横浜の柳園良太(ヤング・エレファンツFC)を始めとして岩橋聡志(ヤング・エレファンツFC)、渡邉卓矢(エズラFC)の3人が在籍している。他にいるのは少数のブラジル人やグアム人、シエラレオネ人、ナイジェリア人といった程度だ。
ラオス人のサッカー熱は決して低くないが、それは代表チームなどに向けられている。ラオ・リーグ1はLao Premier Leagueとも言うが、「プレミアリーグ」と言われてラオス人が一般的に思い浮かべるのはイングランドのプレミアリーグだ。ラオ・リーグ1としての公式サイトも稼働していない状況であり、試合の告知はクラブや選手のSNS頼りになる。当然ながらスタジアムには空席が目立つ。こういう課題を解決するにはサッカー界でのあらゆる立場の人たちとの密なコミュニケーションが必要不可欠だが、この国には政治事情を反映してか議会などを設けて話し合う習慣が乏しい様に見える。
繁栄への道は長いが、この国のサッカーが健全に発展する様に願う。
◆最終更新日時
2022/4/17
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