ウズベキスタンのサッカーリーグのまとめ

ウズベキスタンのサッカーリーグについてまとめてみました。

◆公式サイト
https://pfl.uz/uz/m/

◆連盟
アジアサッカー連盟(AFC)

◆1部リーグ名称
ウズベキスタン・スーパーリーグ(Uzbekistan Super League/Futbol boʻyicha Oʻzbekiston chempionati/Футбол бўйича Ўзбекистон чемпионати/Чемпионат Узбекистана по футболу)

◆所属チーム数
14

◆試合形式
リーグ戦(1ステージ制/ホーム&アウェー2回戦総当たり)
※試合数26

◆開催期間
3月上旬〜11月

◆移籍期間
2022年シーズンは前年12/6〜2/26と7/4〜7/30

◆順位決定方法
勝ち点→直接対決での勝ち点→直接対決での得失点差→直接対決でのアウェーゴール数→得失点差→得点数

◆ACL枠
2.75(ウズベキスタン・スーパーリーグ優勝チームとウズベキスタン・カップ優勝チームがグループステージから参戦。ウズベキスタン・スーパーリーグ準優勝チーム、3位のチームはそれぞれプレーオフラウンド、予選ラウンドから参戦)

◆2部リーグ(ウズベキスタン・プロリーグ/Uzbekistan Pro League/Futbol boʻyicha Oʻzbekiston birinchi ligasi/Футбол бўйича Ўзбекистон биринчи лигаси/Про-лига Узбекистана по футболу)
10チームが所属。スプリット制であり、2回戦総当たり方式のレギュラーシーズンでの戦績上下2グループに分けて、引き続き2回戦総当たり方式のプレーオフを行う。

◆昇降格枠
2.5±0.5(ウズベキスタン・スーパーリーグの13位、14位のチームとウズベキスタン・プロリーグの1位、2位のチームが自動昇降格。ウズベキスタン・スーパーリーグの12位のチームとウズベキスタン・プロリーグの3位のチームは昇降格プレーオフに進出)

◆それ以外の大会
◇ウズベキスタン・カップ(Uzbekistan Cup/Oʻzbekiston Kubogi/Ўзбекистон Кубоги/Кубок Узбекистана по футболу)
ウズベキスタン・スーパーリーグとウズベキスタン・プロリーグの24チームが参加する大会。まず6つのグループに分かれて1回戦総当たり方式のグループステージを行い、各グループ上位2チームと各グループ3位の戦績上位4チームが一発勝負のノックアウトステージに進む。2021年シーズンは4月下旬から12月上旬まで実施された。
◇ウズベキスタン・リーグカップ(Uzbekistan League Cup/Oʻzbekiston PFL Kubogi/Ўзбекистон ПФЛ Кубоги/Кубок ПФЛ Узбекистана по футболу)
ウズベキスタン・スーパーリーグの全チームとウズベキスタン・プロリーグの一部のチームの計16チームが参加する大会。4つのグループに分かれて1回戦総当たり方式のグループステージを行い、各グループ上位2チームが一発勝負のノックアウトステージに進む。
◇ウズベキスタン・スーパーカップ(Uzbekistan Super Cup/Oʻzbekiston Superkubogi/Ўзбекистон Суперкубоги/Суперкубок Узбекистана по футболу)
ウズベキスタン・スーパーリーグとウズベキスタン・カップの優勝チーム同士が対戦する一発勝負の大会。ウズベキスタン・スーパーリーグの開幕直前に開催する。

◆平均入場者数
不明

◆チーム名
FCアルマリク(FC AGMK/Olmaliq FK/Олмалиқ ФК/ФК АГМК)
FCブニョドコル(FC Bunyodkor/Bunyodkor PFK/Бунёдкор ПФК/Бунёдкор ПФК)
PFCディナモ・サマルカンド(FC Dinamo Samarqand/Dinamo Samarqand futbol klubi/Динамо Самарқанд футбол клуби/Динамо Самарқанд футбол клуби)
FKコーカンド1912(FK Kokand 1912/FK Qoʻqon 1912/ФК Қўқон 1912/Коканд 1912)
PFCロコモティフ・タシュケント(PFC Lokomotiv Tashkent/Lokomotiv Toshkent/Локомотив Тошкент/Локомотив)
PFCメタルルグ・ベカバード(PFK Metallurg Bekabad/Metallurg Bekobod/Металлург Бекобод/Металлург)
ナサフ・カルシ(FC Nasaf/Nasaf Qarshi/Насаф Қарши/Насаф)
PFCナフバホール・ナマンガン(PFC Navbahor Namangan/Navbahor/Навбаҳор/Навбахор)
ネフチ・フェルガナ(FC Neftchi Fergana/Neftchi/Нефтчи/Нефтчи)
オリンピック・タシュケント(Olympic Tashkent/FK Olympic/ФК Олимпик/Олимпик Ташкент)
FCパフタコール・タシュケント(Pakhtakor Tashkent FK/Paxtakor/Пахтакор/Пахтакор)
PFCキジルクム・ザラフシャン(FC Qizilqum Zarafshon/Qizilqum/Қизилқум/Кызылкум)
PFCソグディアナ・ジザフ(FC Sogdiana Jizzakh/Soʻgʻdiyona PFK/Сўғдиёна ПФК/Согдиана)
スルハン・テルメス(Surkhon Termez/Surxon Termiz Futbol Klubi/Сурхон Термиз футбол клуби/Сурхан)

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◆最近の概要
世界中を騒がせた新型コロナウイルスは中央アジアの内陸国のサッカー界をも見逃さなかった。
2020年シーズンのウズベキスタン・スーパーリーグは2月下旬に開幕したものの、パンデミックの煽りを受け第3節が終わった3月中旬に中断を強いられた。再開したのは6月中旬であり、世界的に見ると中断期間が短かったため日程を詰めた程度で12月上旬での全日程消化した上でのリーグ閉幕に成功した。国内リーグが終了したらすぐさまウズベキスタン・カップが始まった。このシーズンのカップ戦は通常と異なるコロナ仕様で、グループステージが省略されていていきなりラウンド16から大会を始めるという突貫工事ぶりだった。12月中旬に大会を終えるという事を考えると仕方のない大会方式変更だった。
ウズベキスタンは海と接するためには国境を2度超えないといけない二重内陸国だ(「海」という呼称が付いているアラル海がこの国にはあるが、「海」と呼んでいるのは法律上の理由であり、地理的には「湖」である)。ユーラシア大陸の奥地に位置していて、平均降水量は年間100~200mmと非常に少ない。つまり水が非常に貴重である。特に西部は雨が少なく、砂漠が広がっている。このため人口密度は山岳地帯の東部の方が高く、土地の平坦な西部は低い。ウズベキスタン・スーパーリーグも同様に、人口密度の高い東部にほとんどのホームスタジアムが存在する。曲がりなりにも西部と言えなくもないのはナヴォイにあるPFCキジルクム・ザラフシャンのホームスタジアムの収容人数12,500人のヨシュラースタジアムぐらいだ。この国の1部リーグを行うスタジアムは、収容人数という意味では中規模のものが多い。最も多くのサポーターを入れられるのは首都タシュケントにあるFCパフタコール・タシュケントの本拠地のパフタコール・マルカジイ・スタジアムだ。そしてタジキスタン及びキルギスとの国境沿い山岳地帯にはイスラム過激派組織や反政府組織に対する治安対策の一環として、過去にウズベキスタン政府が多数の地雷を埋設した経緯があり、こうした町にもスタジアムがある。ちなみにウズベキスタンの冬は概して約-2℃にまで落ち、場合によっては-40℃にまで下がる時もある。冬の寒さが尋常ではないので、この国のリーグは春秋制を採っている。
ウズベキスタンは政府が関税を高くして輸入品を国内に流通しづらくしたり、国内で使用する通貨に対する厳しい制限を課したりする閉鎖的な国である。国の基幹産業は天然ガスや金などの鉱業、そして綿花だが、核となるこうした輸出品からられた収入はエリート支配層の少数の間にのみ還元され、人口の大多数には少量もしくは全く還元されない状況にある。貧富の差が激しく、貧困による窃盗や強盗も多く、治安が良いとは言えない。さらに報道の自由度が乏しい事情もある。これまで政府は国の手でコントロールできないような独立した民間企業の発展を敵視してきた。こうした事情からウズベキスタン・スーパーリーグの他国への認知度は低い。
外国人選手もこうした事情を共有できる東欧人が中心で、国籍の構成にかなりの偏りがある。中でも最も多いのは19人を占めるセルビア人選手だ。他に目立つのはウクライナ人選手やボスニア・ヘルツェゴビナ人選手、ジョージア人選手辺りである。ウズベキスタン・スーパーリーグでアジア人選手と言えば隣国から来たタジキスタン人を意味する。ウズベキスタンは旧ソ連である。
ウズベキスタン・スーパーリーグでは2019年シーズンからFCパフタコール・タシュケントが3連覇を達成している。国際大会でも2020年シーズンのACLでこのチームが気を吐いて準々決勝に名乗りを上げた。ただし総じてACLグループステージで消えていくのがウズベキスタン勢の相場であり、閉鎖的な気性を持つ国柄のせいなのか国際大会でのトピックは乏しい。
サッカーがこの国の希望になる様に願う。

◆最終更新日時
2022/3/30

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