ベトナムのサッカーリーグのまとめ

ベトナムのサッカーリーグについてまとめてみました。

◆公式サイト
https://vpf.vn/

◆連盟
アジアサッカー連盟(AFC)

◆1部リーグ名称
Vリーグ1(V.League 1/Giải bóng đá vô địch quốc gia Việt Nam)

◆所属チーム数
13

◆試合形式
リーグ戦(1ステージ制/ホーム&アウェー2回戦総当たり)
※試合数24

◆開催期間
2月下旬〜11月中旬

◆移籍期間
2022年シーズンは前年12/6〜2/27と7/21〜8/17

◆順位決定方法
勝ち点→直接対決戦績→得失点差→総得点→ディシプリナリー・ポイント→プレーオフ(優勝チームや国際大会出場チーム、降格チームを決める場合のみ実施)→抽選

◆ACL枠
1(Vリーグ1優勝チームがグループステージに参戦)
※ベトナム・カップ優勝チームはAFCカップのグループステージに参戦

◆2部リーグ(Vリーグ2/V.League 2/Giải bóng đá hạng nhất quốc gia Việt Nam)
12チームが所属。ホーム&アウェー2回戦総当たり。

◆昇降格枠
降格枠は1。昇格枠は2(Vリーグ1の13位のチームが自動降格。Vリーグ2の1位、2位のチームが自動昇格)

◆それ以外の大会
◇ベトナム・カップ(Vietnamese National Football Cup/Giải bóng đá Cúp Quốc gia)
Vリーグ勢が参加する一発勝負のトーナメント方式の大会。
◇ベトナム・スーパーカップ(Vietnamese National Football Super Cup/Siêu cúp bóng đá Việt Nam)
Vリーグ1とベトナム・カップの優勝チーム同士が対戦する一発勝負の大会。

◆平均入場者数
6,208人(2021年シーズン)

◆チーム名
ベカメックス・ビンズオン(Becamex Binh Duong FC/Câu lạc bộ bóng đá Becamex Bình Dương)
FLCタインホアFC(Thanh Hoa FC/Câu lạc bộ bóng đá Đông Á Thanh Hóa)
ハイフォンFC(Haiphong FC/Câu lạc bộ bóng đá Hải Phòng)
ハノイFC(Hanoi FC/Câu lạc bộ bóng đá Hà Nội)
ホアンアイン・ザライFC(Hoang Anh Gia Lai FC/Câu lạc bộ bóng đá Hoàng Anh Gia Lai)
ホーチミン・シティFC(Ho Chi Minh City FC/Câu lạc bộ bóng đá Thành phố Hồ Chí Minh)
ホンリン・ハティンFC(Hong Linh Ha Tinh FC/Câu lạc bộ bóng đá Hồng Lĩnh Hà Tĩnh)
ナムディンFC(Nam Dinh FC/Câu lạc bộ bóng đá Nam Định)
サイゴンFC(Saigon FC/Câu lạc bộ bóng đá Sài Gòn)
ダナンFC(SHB Da Nang FC/Câu lạc bộ bóng đá SHB Đà Nẵng)
ソンラム・ゲアン(Song Lam Nghe An FC/Câu lạc bộ bóng đá Sông Lam Nghệ An)
ビンディンFC(Binh Dinh FC/Câu lạc bộ bóng đá Topenland Bình Định)
ベトテルFC(Viettel FC/Câu lạc bộ bóng đá Viettel)

◆最近の概要
世界中で暴れ回った新型コロナウイルスは東南アジアのこの国のサッカー界をも翻弄した。
2020年シーズンのVリーグ1は14チーム編成で2月下旬に開幕する予定だったが、パンデミックのために3月上旬に開幕が延期した。開幕当初は無観客で公式戦を実施したが、第2節が終了した3月中旬で中断を強いられた。この中断期間が長期に渡るため、5月中旬に大会方式を変更した。スプリット方式にし、1回戦総当たり方式で終了後上下の2つのグループに分け、グループ別に引き続き1回戦総当たり方式のリーグ戦を実施するものだった。こうして上位8チームは20試合、下位6チームは18試合に試合数が削減される事になった。この新方式で6月上旬にリーグ戦が再開されたが、スプリット前の第11節終了の7月下旬に再度の中断を余儀なくされた。結局大会は9月下旬に再開し、ベトテルFC の優勝をもって11月上旬にこのシーズンの全日程が終了した。翌2021年シーズンも2020年シーズン同様のスプリット制で1月中旬に開幕したものの第12節終了後の5月上旬にコロナ禍での3度目の中断に陥った。今回の中断では再開の目処が立たず、結局8月下旬にVリーグ1の打ち切りが決定した。この結果このシーズンの優勝チームも降格チームも発生しない事になった。打ち切り時点での1位だったホアンアイン・ザライFCが2022年シーズンのACLに参戦する事になる。そして残念ながらコロナ禍を乗り越えられなかったクラブが出てしまった。タン・クアンニンFCがメインスポンサーの離脱などによる財政困難のためこのシーズンをもってVリーグから撤収し、クラブは消滅した。そのため2022年シーズンだけはベトナム1部リーグを13チームで実施する事になった。ベトナムのカップ戦であるベトナム・カップも4月下旬に開幕したが、1回戦終了時点で同様に打ち切りの憂き目に遭った。
ブロガーが逮捕されるなどベトナムではインターネットで発信するのが危険だと言われているが、治安はそこまで悪くない。極端に箱が大きかったり小さかったりするスタジアムはVリーグ1に加盟しているクラブのホームスタジアムにはなく、収容人員が1万人台から2万人台の中規模のスタジアムだけが存在している。最も多くのサポーターを入れられるスタジアムでも北部のハイフォンにある収容人員25,000人のラックチャイ・スタジアムであり、ここはハイフォンFCがホームスタジアムとして使用している。首都のハノイや国内最大の都市ホーチミンといった特定の大都市にスタジアムが集中するといった事はなく、ベトナム1部リーグの公式戦を行うスタジアムは割と全国に散らばっている。この様に規模が均一化したクラブが争うのがベトナムの国内リーグの特徴であり、優勝チームの顔ぶれも毎年の様に変わる。なんとも社会主義的なリーグである。
ベトナムでは18歳から27歳の男子に原則として2年間の徴兵が課されている。そのためかそこまで経済的に余裕がないはずなのにも関わらず、Vリーグ1のクラブは外国人選手の獲得に意欲的な所ばかりだ。国籍別では何といっても多いのがブラジル人選手の21人で、この人数はVリーグ1所属外国人選手の半数近くを占めている。他にもセルビア人、ナイジェリア人、ジャマイカ人等多岐に渡っている。熱帯気候のせいか、暑さに対応しやすいブラジル人やアフリカ人の選手が多い。
2021年シーズンのACLにはベトテルFCがグループステージから参戦したが、そのステージを突破する事なく敗退した。翌2022年シーズンではホアンアイン・ザライFCがベトナム勢としてアジアの舞台に登場する。このチームはキム・ドンス(元大宮アルディージャ)、ジェフェルソン・バイアーノ(元水戸ホーリーホック、元モンテディオ山形)というJリーグに縁のある選手も所属している。日本のクラブチームのサッカーの傾向や特徴を知っている選手がいるチームに対し、グループステージで激突する横浜F・マリノスはどう対処するだろうか?
ベトナムのサッカー界の未来が明るい事を願っている。

◆最終更新日時
2022/3/22

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