ナイジェリアのサッカーリーグのまとめ

ナイジェリアのサッカーリーグについてまとめてみました。

◆公式サイト
https://npfl.ng

◆連盟
アフリカサッカー連盟(CAF)

◆1部リーグ名称
ナイジェリア・プロフェッショナル・フットボールリーグ(Nigeria Professional Football League)
※通称NPFL

◆所属チーム数
20

◆試合形式
リーグ戦(1ステージ制/ホーム&アウェー2回戦総当たり)
※試合数38

◆開催期間
12月中旬~

◆移籍期間
2022年シーズンは1/1〜3/4と7/1〜7/30

◆順位決定方法
勝ち点→得失点差→総得点

◆CAFチャンピオンズリーグ枠
0.5(NPFLの優勝チーム、準優勝チームは予選1回戦に参戦)
※NPFLの3位のチームとナイジェリアFAカップの優勝チームはCAFコンフェデレーションカップ予選1回戦に参戦

◆2部リーグ(ナイジェリア・ナショナル・リーグ/Nigeria National League)
詳細不明

◆昇降格枠
降格枠は4(NPFLの17〜20位のチームが自動降格)

◆それ以外の大会
◇ナイジェリアFAカップ(Nigeria FA Cup)
ナイジェリアのクラブチームが参戦する一発勝負のトーナメント方式のカップ戦。通常は36の州と1つの連邦首都地区が実施したそれぞれの州選手権の優勝チームと準優勝チームが参戦するが、2021年シーズンはコロナ禍と多くの州で州選手権を実施できなかった影響で州ごとに1つのチームが参戦する事になり、37チームでナイジェリアFAカップは実施された。2021年シーズンは7月上旬から8月上旬にかけて実施された。
◇ナイジェリア・スーパーカップ(Nigeria Super Cup)
NPFLとナイジェリアFAカップの優勝チーム同士が闘う一発勝負の大会。

◆平均入場者数
不明

◆チーム名
アビア・ウォーリアーズFC(Abia Warriors F.C.)
アクワ・ユナイテッドFC(Akwa United F.C.)
ダッカダFC(Dakkada F.C.)
エヌグ・レンジャーズFC(Rangers International F.C.)
エニンバFC(Enyimba F.C.)
ゴンベ・ユナイテッドFC(Gombe United F.C.)
ハートランドFC(Heartland F.C.)
カノ・ピラーズFC(Kano Pillars F.C.)
カツィナ・ユナイテッドFC(Katsina United F.C.)
クァラ・ユナイテッドFC(Kwara United F.C.)
ロビ・スターズFC(Lobi Stars F.C.)
MFM FC(MFM F.C.)
ナサラワ・ユナイテッドFC(Nasarawa United F.C.)
ナイジャー・トルネードズFC(Niger Tornadoes F.C.)
プラトー・ユナイテッドFC(Plateau United F.C.)
レモ・スターズFC(Remo Stars F.C.)
リバーズ・ユナイテッドFC(Rivers United F.C.)
シューティング・スターズSC(Shooting Stars S.C.)
サンシャイン・スターズFC(Sunshine Stars F.C.)
ウィキ・ツーリスツFC(Wikki Tourists F.C.)

◆最近の概要
世界中を震撼させた新型コロナウイルスは良くも悪くもアフリカを代表するこの国のサッカー界も翻弄していた。
2019年11月上旬に開幕した2019-2020年シーズンのNPFLはパンデミックの煽りを受けて20〜25試合消化していた3月中旬に中断し、7月上旬に打ち切られた。同じ理由で2020年シーズンのナイジェリアFAカップはそもそも開催さえされなかった。翌2020-2021年シーズンの国内1部リーグが開幕したのは12月下旬であり、コロナ禍に陥ってから選手が公式戦の舞台に立つまでに9ヶ月以上掛かった事になる。このシーズンは例年より遅いながらも(その「例年」のバラツキがかなり大きいのもナイジェリアのサッカー界の特徴だが)8月上旬に全日程の終了に漕ぎ着けた。
ナイジェリアは経済的に発展を遂げている国である。例えば映画界では「ノリウッド」(Nollywood/「Hollywood」の「H」を「Nigeria」の「N」に変えたもの)と呼ばれる程の一大ジャンルを築き上げているし、音楽界も欧州の音楽シーンに影響を与える音楽を産み出している。視点を移すと他の大抵のアフリカの国では自動車を所有するのは高嶺の花だが、この国では会社レベルでなら所有可能である。産業界の活況はサッカー界でも同様であり、スタジアムの収容人員1つ採っても他のアフリカの国のそれと1桁違うし、その規模のスタジアムが沢山あるので「1つの大箱を5つのクラブで取り合いになる」なんて事はNPFLではあり得ない。このリーグの公式戦を開催する上で収容人員が最大のスタジアムは44,000人収容のニュー・ジョス・スタジアムであり、プラトー・ユナイテッドFCがホームスタジアムとして活用している。本拠地の場所にしても旧首都のラゴス(MFM FCが本拠地としている)や新首都のアブジャにクラブが集中するという事はなく、国土の北東部を除くほぼ全域の地方都市にいい塩梅にNPFL加盟クラブの本拠地が分散している。
ナイジェリアは「国としての経済力が有る」という良い側面が有る一方で、「その経済力が国民に還元されていない」という悪い側面もある。1960年の独立以来ナイジェリアは暗殺と政変を繰り返してきた。軍政の時は圧政を敷き、共和政の時は腐敗を招いた。つまりどちらの政権にしても政府が国民にインフラを整えるという発想に乏しい。例えば都市部の道幅の広い幹線道路でも車線を区切る白線の類のものは無く、交通事故を頻発させている。こういう状況で末端の公務員にまで十分な給与を政府が与えているとは非常に考えづらい。つまり末端の警察官は「副業」をしないと生活が成り立たない状況にあると思われる。警察官の中には一般車両を取り囲んで公然と賄賂を要求する輩がいたり、一般人の行動予定を警察官や警備員が外部に漏らした結果として誘拐の手助けをする輩がいたり(ちなみにこの様な治安の悪い国にやむを得ず行く場合は、外出時のルートや時間帯を毎日変えて自分の行動を予知させない様にするのは常識中の常識である)している。警察の腐敗が深刻で治安が極悪なのは大都市だけの現象ではなく、国土全体に及んでいる。ナイジェリアの宗教事情は大雑把に分けると「南部はクリスチャン、北部はイスラム教徒」になる。この南北間の宗教の歪み合いは首都を大西洋に接した南端のラゴスから国土の中央部に位置するアブジャへの遷都が必要なほど激しいものがある。先程挙げたニュー・ジョス・スタジアムがあるジョスではテロでの異教徒の殺戮事件が繰り返されている街である。また北端のニジェールやチャド国境は警備体制が脆弱であり、イスラム武装勢力の往来を招いている。このため北部は常に誘拐の危険がつきまとうほど治安が悪く、日本の外務省ではこれらの地域の危険レベルを「レベル3」の「渡航中止勧告」に指定している。この様な地域にもNPFLの公式戦が開催されるが、安全性が気になる所である。先程北東部にNPFLのクラブの本拠地がない事について触れたが、これは治安が壮絶だからである。これらの地域では乱立しているイスラム過激派組織が競い合う様にテロや誘拐事件を繰り返していて、女性の社会進出を拒む彼等が女子校を襲撃して女子学生を一度に何百人も誘拐し、他国の組織に売る(そして事件の捜査は打ち切られる)という誘拐事件や人身売買が頻発している。この様な環境でサッカーボールを蹴るのは無理だし、ナイジェリアのサッカー界に女子部門がないのも致し方ない。アフリカ屈指の人口を持つ国でありながらNPFLでのサッカーのレベルが釣り合っていない(クラブレベルでの国際大会の戦績がパッとしていない)のはこの辺りに理由がある。これらの事情を分かった者しか選手としてNPFLでプレーするのは難しく、外国人選手はガーナ人やニジェール人などのアフリカの国籍を持つ者に限られる。ちなみに先程の外務省が指定するナイジェリアの危険レベルは2〜4であり(レベル2が不要不急の渡航中止勧告)、北部などに出ているのがレベル3、北東部に出ているのがレベル4の「退避勧告」である。
2020-2021年シーズンのNPFLは(1試合当たりの失点数が0.63という驚異的な防御力を持つアクワ・ユナイテッドFCが制した。NPFLには何シーズンも連覇する様な絶対強者は存在せず、毎年のように優勝チームが変わる。ナイジェリアのクラブチームはCAFチャンピオンズリーグの予選に2チームが出場できるが、そうした有利な条件にもかかわらずここ近年は予選の壁を突破できていない。因みに2021年シーズンのナイジェリアFAカップでは2部リーグ相当のナイジェリア・ナショナル・リーグ所属のバイエルサ・ユナイテッドFCが優勝した。
日本のサッカー界に縁の深いナイジェリア人選手として京都サンガでプレーしているピーター・ウタカがいる。彼は南部のエヌグにある医療系大学のサッカークラブのユースでプレーしたが、トップチームの一員としてナイジェリアのクラブでプレーした事はない。ベルギー、デンマーク、中国を主戦場にした彼は清水エスパルス、サンフレッチェ広島、FC東京、徳島ヴォルティス、ヴァンフォーレ甲府でスパイクを履き、2016年にはJ1得点王に輝いた。元ナイジェリア代表のオーガスティン・オコチャもエヌグ出身であり、こちらは地元のエヌグ・レンジャーズFCでユース時代を過ごしたが、トップの選手としてNPFLでプレーする事なくブンデスリーガ、イングランドプレミアリーグ等でゴールを量産した。
誠実な人間が国の責任ある立場に就き、選手がこの国のサッカーリーグでプレーしても希望を持てる様にする事を望んでいる。

◆最終更新日時
2021/12/30

◆こちらの記事もオススメ
ベナンのサッカーリーグのまとめ
DRコンゴのサッカーリーグのまとめ
日本のサッカーリーグのまとめ

Follow me!