クウェートのサッカーリーグのまとめ
クウェートのサッカーリーグについてまとめてみました。
◆公式サイト
なし
◆連盟
アジアサッカー連盟(AFC)
◆1部リーグ名称
クウェート・プレミアリーグ(Kuwait Premier League/الدوري الكويتي)
◆所属チーム数
10
◆試合形式
リーグ戦(1ステージ制/ホーム&アウェー2回戦総当たり)
※試合数18
◆開催期間
11月中旬〜
◆移籍期間
2021-2022年シーズンは7/14〜9/1と1/2〜1/31
◆順位決定方法
不明
◆ACL枠
0
※クウェート・プレミアリーグの優勝チームとアミールカップの優勝チームはAFCカップのグループステージに参戦
◆2部リーグ(クウェート・ディビジョン1/Kuwaiti Division One/دوري الدرجة الأولى الكويتي)
5チームが所属。4回戦総当たり。
◆昇降格枠
2(クウェート・プレミアリーグの9位、10位のチームとクウェート・ディビジョン1の1位、2位のチームが自動昇降格)
◆それ以外の大会
◇アミールカップ(Kuwait Emir Cup/كأس الأمير)
クウェート・プレミアリーグとクウェート・ディビジョン1の計15チームが参加する一発勝負のトーナメント方式の大会。2021年シーズンは9月上旬から12月下旬にかけて行われる。カップ戦の中で最も重要な大会。
◇クウェート・クラウン・プリンス・カップ(Kuwait Crown Prince Cup/كأس ولي العهد)
クウェート・プレミアリーグとクウェート・ディビジョン1の計15チームが参加する一発勝負のトーナメント方式の大会。準々決勝からが本戦。2020-2021年シーズンは1月上旬から1月中旬にかけて行われた。
◇クウェート・フェデレーション・カップ(Kuwait Federation Cup/كأس الاتحاد الكويتي)
クウェート・プレミアリーグとクウェート・ディビジョン1の計15チームが参加する大会。5チームずつの3つのグループに分かれて1回戦総当たり方式のグループステージを行う。各グループの1位のチームと、2位のチームの中の戦績上位1チームが一発勝負のノックアウトステージに進出する。2021-2022年シーズンは10月上旬に開催された。
◇クウェート・スーパーカップ(Kuwait Super Cup/كأس السوبر الكويتي)
クウェート・プレミアリーグとアミールカップの優勝チーム同士が対戦する一発勝負の大会。
◆平均入場者数
不明
◆チーム名
アルアラビSCクウェート(Al-Arabi SC/النادي العربي)
アルファハヒールFC(Al-Fahaheel FC/نادي الفحيحيل)
カーズマSC(Kazma SC/نادي كاظمة)
アルクウェートSC(Kuwait SC/نادي الكويت)
アルナスルSC(Al-Nasr SC/نادي النصر)
アルカーディシーヤSCクウェート(Qadsia SC/نادي القادسية)
アルサルミヤSC(Al-Salmiya SC/نادي السالمية)
アルシャバブSC(Al-Shabab SC/نادي الشباب)
アルタダモンSC(Al-Tadamon SC/نادي التضامن)
アルヤルムークSC(Al-Yarmouk SC/نادي اليرموك)
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◆最近の概要
新型コロナウイルスの嵐はペルシア湾の奥地のこの国でも吹き荒れていた。
例年とほぼ同じ9月中旬に始まった2019-2020年シーズンのクウェート・プレミアリーグは、コロナ禍のため第14節が終了した2月中旬をもって中断に入った。リーグが再開したのはそれから半年以上経った8月下旬の事だった。なんとか9月上旬に全日程を終了した。例年と比べて終幕の時期が4ヶ月ほど後ろ倒しになった事で、このシーズンは開幕から終幕まで丸1年かかってしまった事になる。翌2020-2021年シーズンのクウェート・プレミアリーグは例年と比べてかなり特殊なものになる。例年通りのリーグ戦に先立ち昨シーズンのクウェート・プレミアリーグとクウェート・ディビジョン1の合計15チームを1つのリーグにまとめた物をレギュラーシーズンとして10月中旬から12月下旬 にかけて1回戦総当たり方式で開催した。そこでの下位5チームが降格し、上位10チームが引き続き1月下旬から5月中旬まで例年通りの2回戦総当たり方式のリーグ戦であるチャンピオンシップラウンドを行った。つまり1部と2部をひっくるめて「プレシーズンリーグ」を行い、2部リーグの構成チームを一新した上で改めて「通常の」リーグ戦を行った格好になる。
クウェート・プレミアリーグの試合数は18試合という短さだが、その分他国ではあり得ないほどカップ戦が充実している。そのほとんどを9月頃から5月頃の8ヶ月間に詰め込んでいるのがクウェートのサッカー界の基本パターンだ。クウェートでは夏季の4〜10月は厳しい暑さとなる。クウェートは国土の大部分が砂漠なので可住地域がかなり狭い。人口もスタジアムも首都クウェートシティ周辺に集中しているが、こういった沿岸部ではほとんど雨のない夏季でも湿気が高い。このコンディションで試合を開催すると選手はサウナ同然の蒸し暑さの中で90分間闘う事になってしまうため、夏季には公式戦をあまり入れたがらない。狭い地域に10チームがひしめくが、公式戦を開催するスタジアムに10チームの中で共同で本拠地として使用している所はない。最も多くのサポーターを入れられるスタジアムは26,000人収容のサバーハ・アッ=サーリム・スタジアムであり、アルアラビSCクウェートのホームスタジアムである。収容人員という意味ではクウェートのスタジアムは中小のスタジアムが並んでいる。サッカーだけでなくフットサル、スカッシュ、バスケットボール、水泳、柔道などの多くの部門を持つ総合スポーツクラブが並んでいるのもこの国の国内リーグに参戦しているクラブの特徴である。
ペルシア湾に面しているクウェートはオイルマネーが豊富であり、銀行、ホテル産業が盛んで石油、肥料などがこの国の売りだ。「労働力」という意味では人材輸入国の部類に入る。それはサッカー界でも同様であり、欧州も含めた世界中から外国人選手が集まっている。暑い時期が多いため、クウェート・プレミアリーグにはチュニジア、ガーナ等のアフリカ北部・西部やシリア等の中東といった暑熱対策に長けている国の選手が多い。
これまで石油の利権絡みでイラクに国を狙われてきた。実際に1990年の湾岸戦争でクウェートにはイラクに併合されていた時期があった。一瞬の判断の遅れが致命的な事態になるこの状況では、国の形態が独裁政治になるのも自然な成り行きだ。この様な常に緊張した状況にある中では強権的な政府の体制は国防面においてプラスに働く場合が多々あるが、サッカー界に関してはマイナスに働きがちである。2015年10月には政府の干渉を理由にクウェートサッカー協会はFIFAから資格停止処分を受けた。翌2016年8月には財務上の不正を理由にクウェートサッカー協会は政府より解散処分を受けた。この様にクウェートサッカー協会は度々FIFAにより資格停止処分寸前まで行ったり実際に停止されたりしてきた。クウェート代表がワールドカップ予選に参戦できなかったりした事もあった。AFC管轄の国際大会での立場がすこぶる悪い(ACLの出場枠がない)のはその辺りに原因がある。
クウェートのサッカー界ではアルクウェートSCが多くの国内タイトルを手にしてきたが、2020-2021年シーズンのクウェート・プレミアリーグはアルアラビSCクウェートがこの構図を崩した。13ゴールでこのクラブの優勝に導きリーグ得点王になったパレスチナ人のオデイ・ダバーはその直後のオフにポルトガル・プリメイラ・リーガのFCアロウカに移籍を果たしている。
サッカー選手が他人の欲望の犠牲にならない様に願う。
◆最終更新日時
2021/12/20
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