ベナンのサッカーリーグのまとめ
ベナンのサッカーリーグについてまとめてみました。
◆公式サイト
なし
◆連盟
アフリカサッカー連盟(CAF)
◆1部リーグ名称
ベナン・プレミアリーグ(Benin Premier League/Championnat du Bénin de football)
◆所属チーム数
36
◆試合形式
9チームずつの地域別の4つのグループに分けて2回戦総当たり方式のレギュラーシーズンを実施。その後各グループの上位3チームはスーパーリーグプロに進出し、2回戦総当たり方式で優勝を争う。残りのチームは南北の2グループに分かれて2回戦総当たり方式のレリゲーションラウンドを闘う。
※試合数38
◆開催期間
11月上旬~
◆移籍期間
2021-2022年シーズンは8/2〜10/24と1/2〜2/1
◆順位決定方法
不明
◆CAFチャンピオンズリーグ枠
0.25(ベナン・プレミアリーグの優勝チームは予選1回戦に参戦)
※ベナン・カップの優勝チームはCAFコンフェデレーションカップ予選1回戦に参戦
◆2部リーグ(ベナン2部リーグ/Benin Second Division/Championnat du Bénin de football Ligue 2)
詳細不明
◆昇降格枠
降格枠は8(レリゲーションラウンドの各グループの9〜12位のチームが自動降格)
◆それ以外の大会
◇ベナン・カップ(Benin Cup/Coupe du Bénin de football)
ベナンのクラブチームが参戦するトーナメント方式のカップ戦。大会方式の詳細は不明。
◆平均入場者数
不明
◆チーム名
アジジャFC(Adjidja FC/Adjidja Football Club)-グループCに所属
ASカヴァリエル(AS Cavaliers/Association sportive Cavaliers)-グループAに所属
ASコトヌー(AS Cotonou/Association sportive du Cotonou)-グループCに所属
ASVO FC(AS de la Vallee de l’Oueme FC/Association Sportive de la Vallée de l’Ouémé Football Club)-グループDに所属
ドラゴン・デ・ルエメ(AS Dragons FC de l’Ouémé/Association sportive Dragons Football Club de l’Ouémé)-グループDに所属
ASOS(AS Oussou Saka/Association Sportive Oussou Saka)-グループDに所属
ASPAC FC(ASPAC FC/Association sportive du port autonome de Cotonou Football Club)-グループCに所属
ASポリス(AS Police/Association sportive Police)-グループCに所属
ASソブマップ(AS Sobemap/Association sportive Sobemap)-グループDに所属
ASテュキュニン・デ・カンディ(AS Tukunnin de Kandi/Association sportive Tukunnin de Kandi)-グループAに所属
アヴランクー・オムニスポルFC(Avrankou Omnisport FC/Avrankou Omnisport Football Club)-グループDに所属
アイェマFC(Ayema FC/Ayéma d’Adjarra Football Club)-グループDに所属
ベケFCベンベレケ(Beke FC de Bembereke/Béké Football Club de Bembèrèkè)-グループAに所属
コトン・スポルFC(Coton Sport FC/Coton Sport Football Club)-グループCに所属
ダミッサFC(Damissa FC/Damissa Football Club)-グループAに所属
ダッジェFC(Dadje FC/Dadjè Football Club d’Aplahoué)-グループBに所属
ジェファFC(Djeffa FC/Djeffa Football Club)-グループDに所属
ディナミクFC(Dynamique FC/Dynamique FC)-グループAに所属
ディナモ・アボメイFC(Dynamo Abomey FC/Dynamo Football Club d’Abomey)-グループBに所属
ディナモFCパラクー(Dynamo Unacob FC de Parakou/Dynamo Unacob Football Club de Parakou)-グループAに所属
エナジーFC(Energie FC/Énergie Sport Football Club)-グループBに所属
エスポワールFC(Espoir FC/Espoir Football Club Savalou)-グループBに所属
オディオFC(Hodio FC/Hodio Football Club)-グループBに所属
JAケトゥー(JA Ketou/Jeunesse Athlétique de Kétou)-グループDに所属
ジュヌス・スポルティヴ・デ・ポベFC(Jeunesse Sportive de Pobe FC/Jeunesse Sportive de Pobè Football Club)-グループDに所属
ビュッフル・デュ・ボルグFC(Les Buffles du Borgou/Buffles du Borgou Football Club)-グループAに所属
ロト・ポポFC(Loto-Popo FC/Loto-Popo Football Club)-グループBに所属
OFMAS-SAD FC(OFMAS-SAD FC/OFMAS-SAD Football Club)-グループCに所属
パンテルFC(Pantheres FC/Panthères Football Club de Djougou)-グループAに所属
レアル・スポル・デ・パラクーFC(Real Sports de Parakou FC/Réal Sports de Parakou Football Club)-グループAに所属
ルキン・デ・ラトランティックFC(Requins de l’Atlantique FC/Requins de l’Atlantique Football Club)-グループCに所属
シタトゥンガFC(Sitatunga FC/Sitatunga Football Club de Calavi)-グループCに所属
ソレイユFC(Soleil FC/Soleil Football Club)-グループBに所属
トンネル・ダボメイFC(Tonnerre d’Abomey FC/Association Sportive Tonnerre Football Club de Bohicon)-グループBに所属
UPI-ONM FC(UPI-ONM FC/Université Polytechnique Internationale Obiang Nguema Mbasogo Football Club)-グループCに所属
USB(US Baboni/Union Sportive du Borgou FC)-グループBに所属
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◆最近の概要
新型コロナウイルスはアフリカ西部のこの地のサッカー界でも足止めを食らわせていた。
2019-2020年シーズンのベナン・プレミアリーグは現在とは違って16チーム構成であり、多くの国内リーグが採用している単純な2回戦総当たり方式のリーグ戦だった。本来なら10月上旬に開幕し6月中旬に閉幕する予定だったが、コロナ禍のため3月中旬の第19節をもってリーグ戦は中断し7月上旬に打ち切られた。これを受けて1部リーグと2部リーグが結合した結果、ベナン・プレミアリーグは34チームの大所帯になった。4グループに分けた現行方式を採用する形で翌2021年1月下旬に国内リーグが実施された。約10ヶ月ぶりに2021年シーズンとして開催されたベナン・プレミアリーグは7月上旬に無事閉幕し、ロト・ポポFC(旧ESAE FC)が優勝を果たした。
近年はベナン・プレミアリーグの大会方式が頻繁に変わっている。2014-2015年シーズンは単純な2回戦総当たり方式のリーグ戦だったがクラブとサッカー協会、スポーツ大臣の対立が原因で全26節中わずか第10節をもって打ち切りが決まった。再開されるのに1年ほど掛かった国内リーグの大会方式は南北の2グループに分けて1次リーグを行い、戦績上位のチームが2次リーグに進むというやり方に変わったが、結局2次リーグが行われる事はなく、2大会連続で打ち切りの憂き目に遭っている。その後2017年シーズンを経て2018-2019年シーズンに単純な2回戦総当たり方式のリーグ戦に戻ったが、このシーズンでは財政上の理由でASポリスに失格処分が降っている。ベナンの国内リーグはかなりの紆余曲折を経験してきた。
ベナンの国土は南北に極端に細長い。ベナン・プレミアリーグの4グループの組分けとしては、人口の少ない北部の内陸部のクラブチームがグループAに入り、ほとんどの人口が集中している海沿いの南部のクラブチームはグループB〜Dに割り当てられている。このリーグを開催するスタジアムとして収容人員が大きめなのは首都コトヌーにある35,000人収容のスタッド・デ・アミティエ(ASPAC FCのホームスタジアム)や首都近郊のポルトノボにある16,872人収容のスタッド・シャルル・デ・ゴール(ドラゴン・デ・ルエメのホームスタジアム)があるが、他のスタジアムの収容人員は全て10,000人以下といった小規模なものである。たとえ1部リーグの公式戦をする試合会場であっても収容人数1,000人とするスタジアムは珍しくない。これらのスタジアムでも1つのスタジアムを3〜4クラブが本拠地とする事例があちこちで見られている。そして収容人員が「5,000人」「3,000人」という数字のキリの良すぎるスタジアムがほとんどだ。つまりこれらのスタジアムでは座席が個席化されていない。れっきとした公式戦を実施するスタジアムではあるが、ピッチに芝が生えているとは限らない。これらのスタジアムの中には芝のない砂のピッチで公式戦を実施する場所もあるし、たとえ9割方砂の地肌が剥き出しのピッチであっても「サーフェス:芝」と表記する事がある。そして前述のロト・ポポFCの例に限らず名称変更をするクラブが最近は多い。なかなか壮絶で混沌としたリーグである。
ベナンではインターネットのデータの値段が非常に高額なのでベナン・プレミアリーグにはもちろん、ほとんどのクラブにも公式サイトはない。こういった事情がリーグの混沌さを更に増している。在籍選手名が不明なクラブがほとんどだが、わずかに確認できる範囲内では外国人選手はナイジェリア人、コートジボワール人、トーゴ人といった近場の国の国籍を持つ者が中心となっている。
ベナンは典型的な農業国であり、大人でも3人に1人しか字が読めないと言われている。これらは当然社会活動に悪影響を及ぼすし、他の国のクラブなら得られる筈の親会社の庇護やスポンサー収入を得るのも難しくなる。金周りの悪さは国際大会で如実に現れる。CAFチャンピオンズリーグの舞台ではロト・ポポFCも含め、ベナン勢は初戦である予選1回戦の段階での敗戦を強いられ続けている。
そんなベナンにも国民の星となるアスリートは存在している。陸上の七種競技の女子アスリートとしてオディル・アフワンワノが有名だ。サッカー界ではプロデビューしたのはフランスに渡った後ではあるがスティーヴ・ムニエの例がある。
選手がプレーで家族を養えるリーグになる日が来るのを願う。
◆最終更新日時
2021/12/9
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