アンゴラのサッカーリーグのまとめ
アンゴラのサッカーリーグについてまとめてみました。
◆公式サイト
なし
◆連盟
アフリカサッカー連盟(CAF)
◆1部リーグ名称
ジラボーラ(Girabola/Girabola)
◆所属チーム数
16
◆試合形式
リーグ戦(1ステージ制/ホーム&アウェー2回戦総当たり)
※試合数30
◆開催期間
10月上旬~5月下旬
◆移籍期間
2021-2022年シーズンは6/14〜9/5と12/15〜1/14
◆順位決定方法
勝ち点→直接対決での勝ち点→得失点差→直接対決での得失点差→総得点→フェアプレーポイント→プレーオフ
◆CAFチャンピオンズリーグ枠
0.5(ジラボーラの優勝チームと準優勝チームは予選1回戦に参戦)
※ジラボーラの3位のチームとタッサ・デ・アンゴラの優勝チームはCAFコンフェデレーションカップ予選1回戦に参戦
◆2部リーグ(セグンドーナ/Segundona/Campeonato Nacional da 2.ª Divisão de Seniores)
詳細不明
◆昇降格枠
降格枠は3(ジラボーラの14〜16位のチームが3部リーグのプロヴィンシャル・ステージに自動降格)
◆それ以外の大会
◇タッサ・デ・アンゴラ(Angola Cup/Taça de Angola)
ジラボーラ加盟クラブ等が参戦する一発勝負のトーナメントのカップ戦。ジラボーラ勢はラウンド16もしくは予選から参戦する。
◇スーペルタッサ・デ・アンゴラ(Angolan football Super Cup/SuperTaça de Angola)
ジラボーラとタッサ・デ・アンゴラの優勝チーム同士が対戦する大会。一発勝負になったりホーム&アウェー方式になったりと、大会方式にばらつきが有る。ジラボーラの開幕直前に開催。
◆平均入場者数
不明
◆チーム名
アカデミカ・ペトロレオズ・ドゥ・ロビト(Academica Petroleos do Lobito/Académica Petróleos Clube do Lobito)
アトレティコ・ペトロレオス・デ・ルアンダ(Atletico Petroleos de Luanda/Atlético Petróleos de Luanda)
CDウイラ(C.D. Huila/Clube Desportivo da Huíla)
CDルンダ・スー(C.D. Lunda Sul/Clube Desportivo da Lunda Sul)
CDプリメイロ・デ・アゴスト(C.D. Primeiro de Agosto/Clube Desportivo Primeiro de Agosto)
CRカーラ(C.R. Caala/Clube Recreativo da Caála)
CRDリボロ(C.R.D. Libolo/Clube Recreativo Desportivo do Libolo)
クアンド・クバンゴFC(Cuando Cubango FC/Cuando-Cubango Futebol Clube)
FCブラヴォズ・ドゥ・マキズ(F.C. Bravos do Maquis/Futebol Clube Bravos do Maquis)
GDインテルクルベ(G.D. Interclube/Grupo Desportivo Interclube)
GDサグラダ・エスペランサ(G.D. Sagrada Esperanca/Grupo Desportivo Sagrada Esperança)
カブスコルプSCP(Kabuscorp S.C.P./Kabuscorp Sport Clube do Palanca)
プログレッソ・アソシアソン・ドゥ・サンビザンガ(Progresso Associacao do Sambizanga/Progresso Associação do Sambizanga)
SCベンゲラ(Sporting Clube de Benguela/Sporting Clube de Benguela)
SCカビンダ(Sporting Clube de Cabinda/Sporting Clube Petróleos de Cabinda)
ウィリエテSC(Wiliete S.C./Wiliete Sport Clube)
|
◆最近の概要
大西洋沿いのアフリカのこの地にも新型コロナウイルスは災いをもたらしていた。
2019-2020年シーズンのジラボーラはコロナ禍で3月下旬から公式戦が出来なくなり、消化試合数が23試合前後のまま打ち切りが決まった。この結果降格チームは発生しなかった(ただし本来の降格圏にいたチームは翌シーズンで降格が決まった)。また翌2020-2021年シーズンのジラボーラの開幕は12月下旬にまでずれ込み、大幅に圧縮された日程で選手たちは国内リーグを闘った。
アンゴラは1975年に独立を果たしたが、その時に独立を旗振りしていた2つのグループ同士の勢力争いが内戦に発展した。この内戦が2002年まで続いた結果、国は極度に疲弊し数百万発の残存地雷の問題に悩まされる事になった。この結果学校が不足したり通学路に地雷が有ったりで学校に行けない生徒が多く、3人に1人は字が読めないとも言われている。原油やダイヤモンドといった地下資源は豊富であり、こうした資源を手中に収められる大企業や有力者などは富を手にできるが、そうでない大多数の人達との貧富の差は非常に大きい。反政府ゲリラ出現や貧困や石油の利権を巡る政治腐敗などの不安定要素にこの国の人たちは苦しめられてきた。他のいくつかの国でも見られる様に、原油などの地下資源は財産でもあるが紛争の火種でもある。
スタジアムの収容人員という意味ではジラボーラで活動するクラブのホームスタジアムは大勢のサポーターを入れられる所から数千人規模のスタジアムまでサイズ感がバラエティーに富んでいる。所在地にしても「首都に集中する」という事はなく、全国の地方都市に程よくバラけている。収容人数48,500人のエスタジオ・オンジ・デ・ノヴェンブロ(アトレティコ・ペトロレオス・デ・ルアンダのホームスタジアム)の所在地はルアンダである。この街が本拠地のクラブが5つ存在するが、箱の大きい特定のスタジアムに多くのクラブが群がってホームスタジアムとする訳ではなく、大体のクラブがそれぞれのホームスタジアムでホーム戦を行なっている。チームの名前に石油会社や警察、有力者の存在を匂わせる用語を盛り込んだ所がしばしば有り、富裕層がサッカークラブの運営に色濃く関わる例が多い。また何故かクラブやスタジアムの名前に月日を用いている所が多い。
2002年の内戦の終戦で国土のほとんどでは武力衝突は下火になったが、飛び地のカビンダだけは例外で分離独立を求めてのゲリラ活動がこれまで繰り返され、主に外国人が標的になってきた。2010年にはこのゲリラの襲撃でトーゴ代表のチーム関係者が殺害などされる事件が起きた。これが原因でトーゴ代表はアンゴラ開催の2010年のアフリカネイションズカップを出場辞退している。この様に外国人にとってカビンダは非常に危険な場所ではあるが、SCカビンダには外国人選手が在籍していた事がある。
ジラボーラ全体としてのクラブチームの外国人選手の国籍は少数のブラジル人以外はDRコンゴ人、ルワンダ人、カメルーン人といった近隣のアフリカ人選手がメインであり、特に隣国であるDRコンゴの国籍を持つ選手が多めである。外国人選手を多く獲得できるチームもあればほとんど獲得できないチームもあり、後者は当然ながら残留争いに巻き込まれがちだ。なおアンゴラの国内リーグには選手名にニックネームを付けているクラブが多い。
ジラボーラの特徴として、1部リーグから降格したチームの翌シーズンの所属リーグは2部リーグではなく3部リーグである事が挙げられる。この様にアンゴラの国内リーグは世界的に類を見ないルールを備えている。ちなみに1部リーグの名称である「Girabola」は造語だが、これに似た言葉の「Gira a bola」は「ボールをスピンさせろ」という意味のポルトガル語である。
2020-2021年シーズンのジラボーラはGDサグラダ・エスペランサが優勝を遂げた。このチームと準優勝チームであるアトレティコ・ペトロレオス・デ・ルアンダは翌2021-2022年シーズンのCAFチャンピオンズリーグでは両チームとも2度の予選を突破し、グループステージ進出を果たしている。
この国から地雷が無くなり子供たちが自由にサッカーできる日が来るのを望んでいる。
◆最終更新日時
2021/11/13
◆こちらの記事もオススメ
DRコンゴのサッカーリーグのまとめ
ザンビアのサッカーリーグのまとめ
日本のサッカーリーグのまとめ