モルドバのサッカーリーグのまとめ

モルドバのサッカーリーグについてまとめてみました。

◆公式サイト
https://www.fmf.md

◆連盟
欧州サッカー連盟(UEFA)

◆1部リーグ名称
ディヴィジア・ナツィオナラ(Moldovan National Division/Divizia Națională/Чемпионат Молдавии по футболу)

◆所属チーム数
8

◆試合形式
リーグ戦(1ステージ制/ホーム&アウェー4回戦総当たり)
※試合数28

◆開催期間
7月上旬~5月

◆移籍期間
2021-2022年シーズンは6/25〜9/16と2/25〜3/25

◆順位決定方法
勝ち点→プレーオフ(優勝チームを決める場合のみ実施)→直接対決での勝ち点→直接対決での得失点差→直接対決でのアウェーゴール数→直接対決での総得点→勝利数→得失点差→総得点→レッドカードの少なさ→イエローカードの少なさ

◆チャンピオンズリーグ枠
0.0625(ディヴィジア・ナツィオナラ優勝チームは予選1回戦に参戦)
※ディヴィジア・ナツィオナラ準優勝、3位のチームとクパ・モルドヴェイの優勝チームはヨーロッパカンファレンスリーグの予選1回戦に参戦

◆2部リーグ(モルディブ「A」ディビジョン/Moldovan “A” Division/Divizia „A”/Дивизион «A»)
12チームが所属。ホーム&アウェー2回戦総当たり。

◆昇降格枠
1.5±0.5(ディヴィジア・ナツィオナラの8位のチームとモルディブ「A」ディビジョンの1位のチームが自動昇降格。ディヴィジア・ナツィオナラの7位のチームとモルディブ「A」ディビジョンの2位のチームは入れ替え戦に参戦)

◆それ以外の大会
◇クパ・モルドヴェイ(Moldovan Cup/Cupa Moldovei/Кубок Молдавии по футболу)
ディヴィジア・ナツィオナラから3部リーグのモルディブ「B」ディビジョンまでの計45チームが参加する一発勝負のトーナメント方式の大会。ディヴィジア・ナツィオナラ勢はラウンド16から参戦する。8月下旬から5月下旬にかけて実施。
◇スーペルクパ・モルドヴェイ(Moldovan Super Cup/Supercupa Moldovei/Суперкубок Молдавии по футболу)
ディヴィジア・ナツィオナラとクパ・モルドヴェイの優勝チーム同士が対戦する一発勝負の大会。

◆平均入場者数
不明

◆チーム名
FCザリア・バルツィ(FC Balti/FC Zaria Bălți/Бэлць)
FCディナモ=アウト・ティラスポリ(FC Dinamo-Auto Tiraspol/Dinamo-Auto Tiraspol/Динамо-Авто)
FCフロレシュティ(FC Floresti/FC Florești/Флорешты)
FCミルサミ・オルヘイ(FC Milsami Orhei/FC Milsami Orhei/Милсами)
FCペトロクブ・フンチェシュティ(FC Petrocub Hincesti/Petrocub Hîncești/Петрокуб)
FCスフントゥル・ゲオルゲ・スルチェニ(FC Sfintul Gheorghe/FC Sfântul Gheorghe Suruceni/Сфынтул Георге)
FCシェリフ・ティラスポリ(FC Sheriff Tiraspol/Sheriff Tiraspol/Шериф)
FCジンブル・キシナウ(FC Zimbru Chisinau/FC Zimbru Chișinău/Зимбру)

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◆最近の概要
新型コロナウイルスは東欧のこの国のサッカー界にも変動をもたらした。
厳しい冬を避けるため2019年シーズンまでの数シーズンのディヴィジア・ナツィオナラは基本的に「3月開幕11月閉幕」だったが、コロナ禍で開幕がずれ込んだ事をキッカケに2020-2021年シーズン以降は中間にウィンターブレイクを設ける「7月開幕5月閉幕」のパターンに変えた。長期間の中断や打ち切りに追い込まれる他国のリーグが多い中、モルドバの国内リーグに関してはそういう事もなく、比較的コロナ禍の影響の少ないリーグと言える。
モルドバは併合と動乱の歴史である。失業問題が頻発するほど国自体の経済は苦しく、2021-2022年シーズンのディヴィジア・ナツィオナラにおいてもFCフロレシュティの様に試合操作で勝ち点6を減らされたクラブが出る様な状態である。収容人員の面でも国内リーグを開催するスタジアムとしては小規模のものばかりで、最も多くの人を入れられるスポルティヴヌィイ・コムプレクス・シェリフ(FCシェリフ・ティラスポリのホームスタジアム)でも収容人員は12,726人に留まる。ただ他の国のリーグの様に首都キシナウにクラブが集中していなく、良い塩梅で全国各地に存在している。
ちなみにこの国の北東部のウクライナ国境付近のドニエストル川沿いの地域は「沿ドニエストル共和国」と呼ばれる場所で、モルドバから事実上分離、独立を主張していてモルドバの実行支配が及んでいない。この独立国家を主張する地域はモルドバが当時圧政を敷いていたソ連から独立して1990年頃に建国する過程で、その動きに反対するスラブ系の住民が創設した国であり、ごく僅かの国しか国家として承認していない。モルドバとしての主要産業がドニエストル川沿いに集中していた為、沿ドニエストル共和国としての経済は発展していて、モルドバの他の地域との段差が非常に大きくなっている。ディヴィジア・ナツィオナラにはティラスポリを根城にするFCディナモ=アウト・ティラスポリやFCシェリフ・ティラスポリの様にこうした地域から「越境」参戦しているクラブがある。
ディヴィジア・ナツィオナラの構成クラブには基本的に外国籍選手は非常に少ない。ただしFCシェリフ・ティラスポリだけは話が別で、事実上の多国籍軍である。このクラブは沿ドニエストル共和国で大きな影響力を持つ巨大複合企業シェリフにより設立されたクラブで、2020-2021年シーズンの国内リーグでは2位のFCペトロクブ・フンチェシュティに勝ち点16差もの大差を付けて優勝し6連覇を果たした。影響はモルドバ内に留まらず2021-2022年シーズンのUEFAチャンピオンズリーグでは初のモルドバ勢として本戦に出場し、グループステージでFCシャフタール・ドネツク、レアル・マドリードを破り衝撃を与えている。他のクラブの外国人選手においてはナイジェリア人が目立つ。ロシア人やウクライナ人も少数ながら存在し、FCザリア・バルツィには日本人とブラジル人の二重国籍を持つウェリントン・タイラが在籍している。なおディヴィジア・ナツィオナラの加盟クラブの監督は基本的にモルドバ人だが、前述の「越境」クラブでは当然ながらロシア人やウクライナ人が監督を務めている。
国内リーグとカップ戦で同じチームが優勝した場合はスーパーカップが開催されない事もこの国のサッカー界の特徴だ。他の国や地域ではこういう時はたいていカップ戦の準優勝チームがスーパーカップに出場するのが通例である。ちなみに1試合あたりの観客動員数は2018年シーズンで814人、2019年シーズンで446人を記録している。スタジアムに行けるサポーターが少なくなっている事が気がかりである。
サッカーが人種や経済の垣根を越える日が来るのを願う。

◆最終更新日時
2021/11/1

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