イスラエルのサッカーリーグのまとめ

イスラエルのサッカーリーグについてまとめてみました。

◆公式サイト
https://www.football.co.il

◆連盟
欧州サッカー連盟(UEFA)

◆1部リーグ名称
イスラエル・プレミアリーグ(Israeli Premier League/ליגת העל בכדורגל)

◆所属チーム数
14

◆試合形式
スプリット制。ホーム&アウェー方式の2回戦総当たり戦のリーグ戦のレギュラーシーズンを実施。レギュラーシーズン終了後に上位6チームと下位8チームの2グループに分け、前者では2回戦総当たり戦の選手権ラウンド、後者では1回戦総当たり戦の降格ラウンドを行う。
※試合数33または36

◆開催期間
8月下旬~5月下旬

◆移籍期間
2021-2022年シーズンは6/23〜9/14と1/4〜2/3

◆順位決定方法
勝ち点→得失点差→勝利数→総得点→直接対決での勝ち点→直接対決での得失点差→直接対決での総得点→プレーオフ

◆チャンピオンズリーグ枠
0.0625(イスラエル・プレミアリーグ優勝チームは予選1回戦に参戦)
※イスラエル・プレミアリーグの準優勝、3位のチーム、グヴィア・ハメディナの優勝チームはヨーロッパカンファレンスリーグの予選2回戦に参戦

◆2部リーグ(リーガ・レウミット/Liga Leumit/הליגה הלאומית בכדורגל)
16チームが所属。ホーム&アウェー方式の2回戦総当たり戦のリーグ戦のレギュラーシーズンを実施。レギュラーシーズン終了後に上位6チームと下位6チームの2グループに分け、前者では1回戦総当たり戦の昇格ラウンド、後者では1回戦総当たり戦の降格ラウンドを行う。

◆昇降格枠
2(イスラエル・プレミアリーグの13位、14位のチームとリーガ・レウミットの1位、2位のチームが自動昇降格)

◆それ以外の大会
◇グヴィア・ハメディナ(Israel State Cup/גביע המדינה בכדורגל)
プロおよびアマチュアのチームが参加する一発勝負のトーナメント方式の大会。イスラエル・プレミアリーグ勢はラウンド32より参戦する。
◇グヴィア・ハトト(Toto Cup/גביע הטוטו)
イスラエル・プレミアリーグのチームが参戦するリーグカップの大会。グループステージとノックアウトステージから成る。UEFA管轄の国際大会に出場しない10チームが2グループに分かれて1回戦総当たり戦でのグループステージを闘う。それとは別に国際大会に出場する4チームは一発勝負の試合を行い、その勝者2チームとグループステージの各1位の2チームがノックアウトステージ準決勝に進出。7月下旬から9月下旬にかけて開催。
◇アルフ・ハアルフィム(Israel Super Cup/אלוף האלופים)
イスラエル・プレミアリーグとグヴィア・ハメディナの優勝チーム同士が対戦する一発勝負の大会。イスラエル・プレミアリーグの開幕前に開催。

◆平均入場者数
不明

◆チーム名
ベイタル・エルサレムFC(Beitar Jerusalem F.C./בית”ר ירושלים)
ブネイ・サフニンFC(Bnei Sakhnin F.C./בני סכנין)
FCアシュドッド(F.C. Ashdod/מועדון ספורט אשדוד)
ハポエル・ベエルシェバFC(Hapoel Be’er Sheva F.C./הפועל באר שבע)
ハポエル・ハデラ(Hapoel Hadera F.C./הפועל חדרה)
ハポエル・ハイファFC(Hapoel Haifa F.C./הפועל חיפה)
ハポエル・エルサレムFC(Hapoel Jerusalem F.C./הפועל ירושלים)
ハポエル・ノフ・ハガリルFC(Hapoel Nof HaGalil F.C./הפועל נוף הגליל)
ハポエル・テルアビブFC(Hapoel Tel Aviv F.C./הפועל תל אביב)
ハポエル・イロニ・キリヤット・シュモナFC(Hapoel Ironi Kiryat Shmona F.C./עירוני קריית שמונה)
マッカビ・ハイファFC(Maccabi Haifa F.C./מכבי חיפה)
マッカビ・ネタニヤFC(Maccabi Netanya F.C./מכבי נתניה)
マッカビ・ペタク・チクヴァFC(Maccabi Petah Tikva F.C./מכבי פתח תקווה)
マッカビ・テルアビブFC(Maccabi Tel Aviv F.C./מכבי תל אביב)

◆最近の概要
国としての出自で苦しんできたこの国の人達にとって、新型コロナウイルスの問題は些細な事なのかもしれない。
それでもサッカー界はコロナ禍による影響を受けていた。2019-2020年シーズンのイスラエル・プレミアリーグはコロナ禍のために2ヶ月半、グヴィア・ハメディナは準々決勝終了時点で1ヶ月近く中断した。この影響で翌2020-2021年シーズンのグヴィア・ハメディナへの出場資格は3部以上のリーグ加盟クラブの選手に限定された。
イスラエル・プレミアリーグのスタジアムは主にエルサレム、テルアビブ、ガリラヤの比較的人口の多い地域に集中している。中規模のスタジアムが多く、最も収容人員の多いのは34,000人入るテディ・スタジアム(ベイタル・エルサレムFCとハポエル・エルサレムFCのホームスタジアム)である。
イスラエルは地理的にはどう見てもアジアの国だが、サッカー界ではヨーロッパの国という扱いになっている。つまり「欧州の飛び地」である。これは国としての歴史的問題が原因だ。ユダヤ人は自前の国家を持っていなかったばかりに、第二次世界大戦でナチス等によるホロコーストの標的になってしまった。だからユダヤ人にとって一刻も早く自分達の国家を作る必要性に迫られていて、実際にイスラエルを建国した。彼らのこれらの行為は、既にそこに土地を所有しそこに住み着いている人達にとって侵略行為になる。当然ながら近隣諸国は数々の中東戦争に巻き込まれていく。度重なる戦争を引き起こした国として認識されてしまったイスラエルの代表チームに対し対戦拒否をするチームや、イスラエル代表が参戦する国際大会への参加を拒否をするチームが中東諸国を中心に続出し、その結果イスラエルはAFCから除名されてしまった。その後イスラエル代表はOFCの大会への参加を経てUEFAに加入し、同様の経過を辿った五輪チームと共にスポーツ界では欧州の国という扱いになっている。
国内リーグの選手層にもこれらの悲しい歴史が影響している。イスラエルは満18歳以上の男子に3年間もの兵役が課せられる程の軍事的緊張が続いている。こういう国を仕事の場として選ぶ外国人選手の人種構成は偏っている。ブラジル人選手やポルトガル人選手の数こそやや多めだが、当然ながらイスラエル以外の中東や北アフリカの様なイスラム圏の国籍を持つ選手はイスラエル・プレミアリーグにはほとんどいない。唯一の例外はブネイ・サフニンFCのDFであるパレスチナ人選手のアブドラー・ジャバーだ。彼は元々はイスラエル生まれであり、イスラエルで育った。イスラエルのクラブチームでプロデビューしたが、出場機会に恵まれずパレスチナのクラブに移籍した。そこで才能が開花し、パレスチナ代表になった。彼はパレスチナ代表としても2015年のアジアカップ等で大車輪の活躍をした。そしてアフリカの中では比較的経済的に余裕のあるエジプトのクラブに2回移籍を試みたが、2回とも折角締結にまで漕ぎつけた契約をわずか数日で破棄された。理由はジャバーはイスラエルのパスポートを持っていたからである。イスラエルの渡航歴のある者はイスラム教を国教とする国では受け入れられないというのが通例になっている。その後も2018年ワールドカップ予選で活躍を続けるが、彼は2020年になって急にイスラエル代表に全く呼ばれなくなった。理由は彼がイスラエルのクラブチームに移籍したからである。こうして選手本人のパフォーマンス能力とは無関係な所で国家代表チームから外される形になってしまった。それほどイスラエルとパレスチナ、いやイスラエルと中東諸国の溝は深い。
さて肝心のイスラエル・プレミアリーグであるが1試合当たりの平均観客動員数が2018-2019年シーズンは5,925人、翌2019-2020年シーズンは7,453人と伸びてきている所にコロナ禍が直撃した。この大変な時期の2020-2021年シーズンの国内リーグではマッカビ・ハイファFCが優勝を遂げた。
ファシズムがユダヤ人の大量虐殺の引き金になり、大量虐殺が武力占領の引き金になり、武力占領が数々の戦争とサッカー界からの追放の引き金になった。つまりサッカー界を含むイスラエル問題の大元の原因はヒットラーの極端な人種差別主義である。ホロコーストさえ無かったらユダヤ人は武力を行使しての急速な建国以外の、時間は掛かるが穏和な解決法を選べたはずだった。そうなれば人種差別こそゼロにするのは難しいかもしれないが、そこに住むユダヤ人もアラブ人も八方丸く収まり幸せな共同生活を営めただろう。
サッカーが人種差別のない世界作りに一役買う事を願っている。

◆最終更新日時
2021/10/14

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