北アイルランドのサッカーリーグのまとめ

北アイルランドのサッカーリーグについてまとめてみました。

◆公式サイト
https://www.nifootballleague.com

◆連盟
欧州サッカー連盟(UEFA)

◆1部リーグ名称
NIFLプレミアシップ(NIFL Premiership)

◆所属チーム数
12

◆試合形式
スプリット制。ホーム&アウェー方式の3回戦総当たり戦のリーグ戦のファーストステージを実施。 ファーストステージ 終了後に上位6チーム、下位6チームの2グループに分け、1回戦総当たり戦のリーグ戦のセカンドステージを行う。
※試合数38

◆開催期間
8月下旬~5月

◆移籍期間
2021-2022年シーズンは6/9〜8/31と1/1〜1/31

◆順位決定方法
勝ち点→得失点差→総得点→直接対決での勝ち点→直接対決での得失点差→抽選

◆チャンピオンズリーグ枠
0.0625(NIFLプレミアシップ優勝チームは予選1回戦に参戦)
※NIFLプレミアシップの準優勝のチーム、ヨーロッパカンファレンスリーグプレーオフの勝者とアイリッシュカップの優勝チームはヨーロッパカンファレンスリーグの予選1回戦に参戦
※ヨーロッパカンファレンスリーグプレーオフとはセカンドステージ終了時点で基本的に3位から7位のチームが参戦するヨーロッパカンファレンスリーグへの挑戦権を賭けて闘うプレーオフ

◆2部リーグ(NIFLチャンピオンシップ/NIFL Championship)
12チームが所属。NIFLプレミアシップと同様のスプリット制。

◆昇降格枠
1.5±0.5(NIFLプレミアシップの12位のチームとNIFLチャンピオンシップの1位のチームが自動昇降格。NIFLプレミアシップの11位のチームとNIFLチャンピオンシップの昇格ライセンスを持つ2位から6位のチームの中で最も順位の高いチームが昇降格プレーオフに進出)

◆それ以外の大会
◇アイリッシュカップ(Irish Cup)
プロおよびアマチュアの128チームが参加する一発勝負のトーナメント方式の大会。NIFLプレミアシップ 勢は本戦1回戦(ラウンド32)より参戦する。1月上旬から5月上旬まで開催。

◆平均入場者数
不明

◆チーム名
バリーメナ・ユナイテッドFC(Ballymena United F.C.)
キャリック・レンジャーズFC(Carrick Rangers F.C.)
クリフトンビルFC(Cliftonville F.C.)
コールレーンFC(Coleraine F.C.)
クルセイダーズFC(Crusaders F.C.)
ダンガノン・スウィフツFC(Dungannon Swifts F.C.)
グレナボンFC(Glenavon F.C.)
グレントランFC(Glentoran F.C.)
ラーンFC(Larne F.C.)
リンフィールドFC(Linfield F.C.)
ポータダウンFC(Portadown F.C.)
ウォレンポイント・タウンFC(Warrenpoint Town F.C.)

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◆最近の概要
新型コロナウイルスは歴史的な問題で苦しんできた欧州のこの地でも容赦しなかった。
コロナ禍のため2019-2020年シーズンのNIFLプレミアシップは31試合終了した3月中旬で中断し、度重なる延期の末に6月下旬で打ち切りが決まった。ただしアイリッシュカップは延期の末に7月下旬に決勝を実施。同じ状況でも国内リーグとカップ戦で対応が異なるという世界的に珍しい事例である。ロックダウンを含む厳重なコロナ対策の結果、翌2020-2021年シーズンのNIFLプレミアシップが開幕したのは10月中旬開幕までずれ込んだ。結局38試合全て消化できたにも関わらずこのシーズンでの降格チームはなかった。何故ならNIFLチャンピオンシップが開催されなかったからである。この国内1部リーグの圧縮された日程に対応するため、アイリッシュカップは参加チームを26チームにまで大幅に減らした上で、4月下旬から開催し1ヶ月間で大会を終えるという短期集中開催で乗り切った。
北アイルランドのサッカー界は決して大きな世界とは言えない。リンフィールドFCのホームスタジアムであるウィンザー・パークこそ18,614人収容できるが、他のスタジアムで1万人以上サポーターを入れられる所はなく、個席化されていない客席エリアを持つスタジアムが多い。なおNIFLプレミアシップを舞台にするクラブの中でクリフトンビルFCとクルセイダーズFC、リンフィールドFC、グレントランFCの4クラブが首都ベルファストに存在している。これらのクラブチームの直接対決は「ベルファストダービー」と呼ばれ、しばしば非常に激しいものとなる。
北アイルランドにはグレートブリテン島からの移民の子孫であるプロテスタント系の住民と、元々この地に住んでいるカトリック系の住民がいる。前者の多くは北アイルランドが独立せずにイギリス国内に留まる事を望むユニオニストなのに対し、後者の一部は南北アイルランドが統一した1つの国家としての独立を望むナショナリストである。両者はしばしば暴力沙汰を起こし、19世紀後半に北アイルランド問題を引き起こして3千人以上もの死者を出してきた。この問題はジョン・レノンやU2がこれらの内戦を批判する歌を歌い上げるほど深刻なものであり、和平が結ばれて20年以上経つ現在では民間人への殺害事件は影を潜めてはいるが、思想的や宗教的な対立や隔離は現在でも社会問題になっていて、度々暴力事件が起こっている。
これらの紛争事件は当然選手獲得にも影響を及ぼす。北アイルランド問題がひと段落して外資系企業が活動する様になり、社会としての景気は決して悪くないものの、NIFLプレミアシップに加盟しているクラブチームには他の欧州のチームと比べて外国人選手の数が極端に少ない。しかもその外国人選手の多くをアイルランド人が占めている。大勢の人の血が流れるほどの宗教問題を抱えてきたこの地で他所者がプレーする事は、特定の宗教を信仰する選手(特にクリスチャン)にとってそんなに簡単な話ではないのだろう。
異なる思想や宗派を信じる人達がサッカーで仲良くなれる日が来るのを望んでいる。

◆最終更新日時
2021/10/13

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