イングランドのサッカーリーグのまとめ
イングランドのサッカーリーグについてまとめてみました。
◆公式サイト
https://www.premierleague.com
◆連盟
欧州サッカー連盟(UEFA)
◆1部リーグ名称
プレミアリーグ(Premier League)
◆所属チーム数
20
◆試合形式
リーグ戦(1ステージ制/ホーム&アウェー2回戦総当たり)
※試合数38
◆開催期間
8月中旬~5月下旬
◆移籍期間
2021-2022年シーズンは6/9〜8/31と1/1〜1/31
◆順位決定方法
勝ち点→得失点差→総得点→直接対決戦績(この条件以降は優勝やUEFAの国際大会の出場権、降格を争う場合にのみ適用)→直接対決でのアウェーゴール数→プレーオフ
◆チャンピオンズリーグ枠
4(プレミアリーグ上位4チームがグループステージに参戦)
※プレミアリーグ5位のチーム、およびFAカップ優勝チームはヨーロッパリーグのグループステージに参戦
※EFLカップの優勝チームはヨーロッパカンファレンスリーグのプレーオフラウンドに参戦
◆2部リーグ(EFLチャンピオンシップ/EFL Championship)
24チームが所属。ホーム&アウェー2回戦総当たり。
◆昇降格枠
3(プレミアリーグ18位以下のチームが自動降格。EFLチャンピオンシップの2位以上のチームが自動昇格。3〜6位のチームが昇格プレーオフに回る。昇格プレーオフは2段階のトーナメント方式である。準決勝は3位vs6位、4位vs5位のカードでありホーム&アウェー方式(上位側が第2戦のホーム)で行う。決勝は中立地での1発勝負。いずれも90分で決着しないと延長戦、必要に応じてPK戦も行われる。アウェーゴールルールは採用されない)
◆それ以外の大会
◇FAカップ(FA Cup)
プロリーグからアマチュアリーグのチームまで参加する一発勝負のトーナメント方式の大会。プレミアリーグ勢は3回戦(ラウンド32)より出場。開催地は抽選で決定。11月上旬から5月中旬まで開催。
◇EFLカップ(EFL Cup)
プロリーグのチームが参加するトーナメント方式のリーグカップ。プレミアリーグ勢は2回戦(ラウンド57)または3回戦(ラウンド32)より出場。基本的に一発勝負だが、準決勝のみホーム&アウェー。7月下旬から2月下旬まで開催。
◇FAコミュニティ・シールド(FA Community Shield)
プレミアリーグとFAカップの優勝チーム同士が闘う一発勝負の大会。プレミアリーグの開幕直前に開催。
◆平均入場者数
5,160人(2020-2021年シーズン)
◆チーム名
アーセナルFC(Arsenal F.C.)
アストン・ヴィラFC(Aston Villa F.C.)
ブレントフォードFC(Brentford F.C.)
ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC(Brighton & Hove Albion F.C.)
バーンリーFC(Burnley F.C.)
チェルシーFC(Chelsea F.C.)
クリスタル・パレスFC(Crystal Palace F.C.)
エヴァートンFC(Everton F.C.)
リーズ・ユナイテッドFC(Leeds United F.C.)
レスター・シティFC(Leicester City F.C.)
リヴァプールFC(Liverpool F.C.)
マンチェスター・シティFC(Manchester City F.C.)
マンチェスター・ユナイテッドFC(Manchester United F.C.)
ニューカッスル・ユナイテッドFC(Newcastle United F.C.)
ノリッジ・シティFC(Norwich City F.C.)
サウサンプトンFC(Southampton F.C.)
トッテナム・ホットスパーFC(Tottenham Hotspur F.C.)
ワトフォードFC(Watford F.C.)
ウェストハム・ユナイテッドFC(West Ham United F.C.)
ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFC(Wolverhampton Wanderers F.C.)
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◆最近の概要
新型コロナウイルスはサッカー発祥の地でも猛威を振るった。
2019-2020年シーズンのプレミアリーグはコロナ禍のため3月から3ヶ月間の中断を余儀なくされた。このため独創体制を整えていたリヴァプールFCのリーグ優勝が認められるのか危ぶまれていたが、結局38試合全て消化し優勝が認められた。そしてFAカップでは決勝1試合を残して中断になっていたが、再開時に「Heads Up FA Cup Final」というスローガンが掲げられた。「頭を上げろ」という呼びかけは、コロナ禍で侵されたメンタルヘルスの回復を狙ってのものである。これらの試合は無観客で実施された。中断期間が長かった結果として、このシーズンのプレミアリーグの終了が7月26日までずれ込んだ。引き続き2020-2021年シーズンでは一部の試合で無観客として公式戦が行われたが、EFLカップは1〜2ヶ月程度の遅延で済んだ。
世界のサッカーをリードする立場にふさわしく、非常に沢山のスタジアムがある。3部相当のEFLリーグ1では収容人数が1万人を切る小型のスタジアムで多くの公式戦を行うが、EFLチャンピオンシップになるとそういったスタジアムは影をひそめ中型のスタジアムが主流になり、プレミアリーグになると大型のスタジアムで大半を占められる様になる。最も小さい箱でも17,250人収容のブレントフォードコミュニティスタジアム(ブレントフォードFCのホームスタジアム)のサイズ感になる。74,140人収容のオールド・トラッフォード(マンチェスター・ユナイテッドFC)、62,850人収容のトッテナム・ホットスパースタジアム(トッテナム・ホットスパーFCのホームスタジアム)、60,704人収容のエミレーツ・スタジアム(アーセナルFC)、60,000人収容のロンドン・スタジアム(ウェストハム・ユナイテッドFC)といった収容人数が6万人超えのスタジアムもこのリーグでは軒を連ねている。これらは欧州、いや世界を代表するスタジアムであり、数々の名勝負が繰り広げられた。このリーグには公式戦を開催する北から南まで幅広く存在する。ただしロンドンの中に6つものホームスタジアムが有るなど、ある程度の地域の偏りも見られる。なおプレミアリーグはイングランドのサッカーリーグであり加盟クラブも現在はイングランドにある所しか残っていないが、EFLチャンピオンシップにはウェールズから越境参加しているクラブ(スウォンジー・シティAFC、カーディフ・シティFC)がある。
巨額の金が動くリーグ故、当然ながら各国の代表級の選手が押し寄せる。充実した自国のリーグでプレーしがちな西洋の国籍を持つ選手でさえ、プレミアリーグに関しては話が別である。ブラジル人を始めとして選手の国籍が最もバラエティーに富んだリーグになっている。むしろイングランド籍の選手の数が少ない。この「ウィンブルドン現象」はこの地で行われるテニスの世界的な大会のウィンブルドン選手権が語源であるが、いまやテニス界を飛び越えてイングランドのサッカー界でもしばしば論争のネタになる。この国際化が世界一進んだプレミアリーグで現在冨安健洋(アーセナルFC)、南野拓実(リヴァプールFC)の2人の日本人選手がしのぎを削っている。
2020-2021年シーズンのプレミアリーグではケヴィン・デ・ブライネのアシストや失点数をリーグ最少の32失点に留めたエデルソン・サンタナ・ジ・モライス等の数多くの活躍があり、マンチェスター・シティFCがリーグ優勝を果たした。得点王には23ゴールを叩き出したハリー・ケイン(トッテナム・ホットスパーFC)が輝いた。同じシーズンのUEFAチャンピオンズリーグでもファイナリストとして2冠を狙える位置にいたが、同国勢対決を制したチェルシーFCが欧州制覇が欧州王者に輝いた。なおこのチェルシーFC、マンチェスター・シティFC、リヴァプールFC、そしてクリスティアーノ ・ロナウドが復帰した古巣のマンチェスター・ユナイテッドFCが2021-2022年シーズンのUEFAチャンピオンリーグに出場している。
欧州のメガクラブが核となり欧州中を巻き込む可能性の高かった欧州スーパーリーグ構想に誘われていたリヴァプールFC、アーセナルFC、トッテナム・ホットスパーFC、マンチェスター・ユナイテッドFCの4クラブは一瞬だけ気持ちが傾きかけたが、構想を発表した日の僅か2日後の4月20日に相次いで脱退を表明した。欧州サッカーの富を独占するこの構想が事実上立ち消えになった事により、今日でもプレミアリーグは世界を代表する国内リーグでいられる。この構想が表に出た時の2020-2021年シーズンの1試合当たり平均観客動員数は5,160人にまで落ち込んでいたが、コロナウイルスが上陸する前の2018-2019年シーズンは39,312人を記録する様な、元々熱狂的に愛されていたリーグである。2020-2021年シーズンでは9月20日時点での1試合当たり平均観客動員数は40,030人、FAコミュニティ・シールドには45,602人という驚異的な数字を叩き出している。これらは7月19日に政府がコロナ対策の制限を大幅に緩和した事の影響もある。屋内交流の人数制限が撤廃され、マスク着用が任意となる。ソーシャルディスタンスも不要となり、ナイトクラブもパンデミック以来初めて再開が許可される。こうしてマスクを着けずに密となってスタジアムで大声で歓声やチャントを上げられる様になり、試合後にサッカーバーに行けるサッカーの日常がイングランドでは完全に戻っている。今まで我慢してきたサポーターが心置きなくスタジアムで観戦する環境が整ったのだ。
サッカー愛に支えられるリーグとしての発展を心から願っている。
◆最終更新日時
2021/9/28
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