ウクライナのサッカーリーグのまとめ

ウクライナのサッカーリーグについてまとめてみました。

◆公式サイト
https://upl.ua/ua

◆連盟
欧州サッカー連盟(UEFA)

◆1部リーグ名称
ウクライナ・プレミアリーグ(Ukrainian Premier League/Прем’єр-ліга)

◆所属チーム数
16

◆試合形式
リーグ戦(1ステージ制/ホーム&アウェー2回戦総当たり)
※試合数30

◆開催期間
7月下旬〜

◆移籍期間
2021-2022年シーズンは7/1〜9/3と1/31〜3/2

◆順位決定方法
勝ち点→直接対決での勝ち点→直接対決での得失点差→直接対決での得点数→得失点差→得点数→抽選もしくはゴールデンマッチ(2チームのみが関与する場合)

◆チャンピオンズリーグ枠
0.625(ウクライナ・プレミアリーグ優勝チームがプレーオフラウンドに、準優勝チームが予選2回戦に参戦)
※ウクライナ・カップ優勝チームはヨーロッパリーグプレーオフラウンドに参戦
※ウクライナ・プレミアリーグ3位、4位のチームはヨーロッパカンファレンスリーグのそれぞれ予選3回戦、予選2回戦に参戦

◆2部リーグ(ウクライナ・ファーストリーグ/Ukrainian First League/перша ліга)
16チームが所属。ホーム&アウェー2回戦総当たり。

◆昇降格枠
3±1(ウクライナ・プレミアリーグの15位、16位のチームとウクライナ・ファーストリーグの1位、2位のチームが自動昇降格。ウクライナ・プレミアリーグの13位、14位のチームとウクライナ・ファーストリーグの3位、4位のチームが昇降格プレーオフに進出)

◆それ以外の大会
◇ウクライナ・カップ(Ukrainian Cup/Кубок України з футболу)
ウクライナ・プレミアリーグが参加する一発勝負のトーナメントの大会。ウクライナ・プレミアリーグ勢はラウンド22またはラウンド16から参戦。7月下旬から5月上旬にかけて実施
◇ウクライナ・スーパーカップ(Ukrainian Super Cup/Суперкубок України з футболу)
ウクライナ・プレミアリーグとウクライナ・カップの優勝チーム同士が対戦する一発勝負の大会。

◆平均入場者数
1,694人(2020-2021年シーズン)

◆チーム名
FCチョルノモレツ・オデーサ(FC Chornomorets Odesa/Чорноморець)
SFKデスナ・チェルニーヒウ(FC Desna Chernihiv/Десна)
SKドニプロ-1(SC Dnipro-1/Дніпро-1)
FCディナモ・キーウ(FC Dynamo Kyiv/Динамо)
FKインフレツィ・ペトロヴェ(FC Inhulets Petrove/Інгулець)
FKコロス・コヴァリウカ(FC Kolos Kovalivka/Колос)
FCリヴィウ(FC Lviv/Львів)
FCイリチヴェツ・マリウポリ(FC Mariupol/Маріуполь)
FCメダリスト1925ハラキウ(FC Metalist 1925 Kharkiv/Металіст 1925)
FKミナイ(FC Mynai/Минай)
FCオレクサンドリーヤ(FC Oleksandriya/Олександрія)
FKルフ・リヴィウ(FC Rukh Lviv/Рух)
FCシャフタール・ドネツク(FC Shakhtar Donetsk/Шахтар)
NKヴェレス・リウネ(NK Veres Rivne/Верес)
FCヴォルスクラ・ポルタヴァ(FC Vorskla Poltava/Ворскла) FCゾリャ・ルハーンシク(FC Zorya Luhansk/Зоря)

◆最近の概要
世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスはウクライナにも影響を与えたが、サッカーシーンではドタバタ劇も目立った。ただそんな日常も「ほんの少し前までの遠い出来事」になってしまった。
パンデミックを受けて2019-2020年シーズン終盤の3月からウクライナ・プレミアリーグが2ヶ月間中断した。2010-2011年シーズンにヨーロッパリーグに出場した事のあるFCカルパティ・リヴィウがこの中断期間中にキャンプを実施していたが、そのキャンプで関係者に陽性反応が出た影響でクラブに2週間隔離を義務付けられた。同時ウクライナ・プレミアリーグはスプリット制を敷いていて、FCカルパティ・リヴィウはスプリットの下部リーグで残留争いに巻き込まれていた。陽性反応による一時的な活動停止の影響で、このクラブが参戦する残りの公式戦は延期になった。リーグ終盤で延期になった事で、このクラブだけ過密日程の中で残留争いを闘う事になったが、FCカルパティ・リヴィウはこの日程を拒否し、公式戦のうち2試合に参戦しなかった。この結果このクラブはウクライナ・プレミアリーグから追放され、3階級下のウクライナ・アマチュアリーグから再起を図る事になった。
翌2020-2021年シーズンでは収容可能人員の25%を観戦者の上限とする制限環境下で全公式戦が開催された。このシーズンからレギュラーシーズンのみで結果を決める現在の大会方式になった。14チームで争っているウクライナ・プレミアリーグを昇格チームを3、降格チームを1とする事で2021-2022年シーズンから16チームに増やす計画だった。このルールによると最下位の14位でシーズンを終えたFKミナイがウクライナ・ファーストリーグに降格するはずだった。実際に降格したのはこのクラブではなく、FCオリンピック・ドネツィクのトップチームだった。ユースチームが起こした八百長事件のために、トップチームが2019-2020年シーズンのウクライナ・プレミアリーグに参戦していた事を疑問視されていたFCオリンピック・ドネツィクは、自ら降格を選んだ。
ウクライナは紛争地帯でもある。2014年から続いているドンバス戦争の影響でロシアとの国境沿いにあるFCゾリャ・ルハーンシクとFCシャフタール・ドネツクはここ8年間本拠地で活動できなかった。前者はルハーンシクから464km離れたザポリージャでの、後者はドネツクから940km離れたキーウでの活動を強いられている。これらは東京から盛岡まで、そして東京から山口までの距離に相当する。故郷から遠く離れた場所でこれらのクラブは練習し、試合していた。
ウクライナは紛争地帯でもある。2014年から続いているドンバス戦争の影響でロシアとの国境沿いにあるFCゾリャ・ルハーンシクとFCシャフタール・ドネツクはここ8年間本拠地で活動できなかった。前者はルハーンシクから464km離れたザポリージャでの、後者はドネツクから940km離れたキーウでの活動を強いられている。これらは東京から盛岡まで、そして東京から山口までの距離に相当する。故郷から遠く離れた場所でこれらのクラブは練習し、試合していた。
ウクライナには東欧にしては大型のスタジアムが多い。70,050人を収容できるオリンピスキ・スタジアム(FCディナモ・キーウのホームスタジアム)や41,307人を収容できるメタリスト・スタジアム(FCメダリスト1925ハラキウのホームスタジアム)等の3万人4万人クラスのスタジアムを多数揃えている。FCディナモ・キーウに負けない位の人気クラブであるFCシャフタール・ドネツクは、前述の理由からオリンピスキ・スタジアムで「ホーム扱い」の公式戦を行っていた。
この2つのクラブが国内リーグの覇権を争ってきた。2020-2021年シーズンではFCディナモ・キーウが2年連続の2冠を果たし、FCシャフタール・ドネツクが国内リーグで準優勝した。この2クラブは同じシーズンの国際大会にも参戦していた。両クラブともUEFAチャンピオンズリーググループリーグを経由してヨーロッパリーグに転戦し、ラウンド16に進出した。 全般的にEU圏内の者も含めて外国籍選手は少なめで、外国人選手不在のクラブも存在した。中央ヨーロッパや東欧、ブラジルの選手が数少ない外国人選手を占めていた。ただしなぜかFCシャフタール・ドネツクの様にブラジル人選手を11人も在籍させているクラブもあった。
全般的にEU圏内の者も含めて外国籍選手は少なめで、外国人選手不在のクラブも存在した。中央ヨーロッパや東欧、ブラジルの選手が数少ない外国人選手を占めていた。ただしなぜかFCシャフタール・ドネツクの様にブラジル人選手を11人も在籍させているクラブもあった。
そんな日常に悪夢が襲った。2月24日にロシア軍がウクライナ全土に大規模な侵略を始めてしまった。これを受けてウクライナ・プレミアリーグは無期限の延期を強いられている。いつどこで機銃掃射を受けてもビルが破壊されても不思議ではない状況で、本来なら働いているはずの男子が徴兵されている状況でサッカーの大会を開き続けるのは土台無理な話だ。平和な社会を核をチラつかせて爆弾で焼き尽くす侵略者のやり方は、サッカーを愛する者としても到底受け入れられない。
平和でないとサッカーはできない。ウクライナ人の誇りが守られる形でこの戦争が終わる事を切に願う。

◆最終更新日時
2022/4/1

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