試合の予想オッズを書かなくなった理由

Twitterで以前こんなツイートをしていた時期があった。

【XXXXでのXX戦のオッズ】
レッズの勝ち xx倍
引き分け xx倍
レッズの負け xx倍

最近はそういうのを書くのをやめた。
やめるどころか、その手の過去のツイートも全て削除した。

理由は、現地のサッカーファンの幸せにつながらないから。

これだけだと何の事か分からないだろう。
だからもう少し踏み込んで書く。

ブックメーカーのリアル店舗は、英国では特にベッティングオフィスとして駅前の一等地に店舗を構えている。
日本のパチスロ屋の様なイメージだ。

ブックメーカーは胴と子の金のやり取りになる。

客が予想を当てれば、店側からオッズに応じた金を貰える。
予想が外れれば、客が賭けた金はまるまる店に行く。

予想が外れた場合に店に流れた金は、どこに向かうのか?

一部のブックメーカーはサッカーリーグなどのスポンサーをしている。
そういう所では、サッカー界に金が還元されるだろう。

だが他の多くのブックメーカーでは、その金は自分の会社の運営資金に充てられる。
ベッティングオフィスが儲けた金がサッカーの発展に使われることはない。

これだけでも予想オッズをツイートする気が失せる。
そもそもサッカーの発展を願ってつぶやいてきたのに。

さらに踏み込んで書くと、ブックメーカーのビジネスモデルが悪すぎる。

そもそもどういう顧客をターゲットにしているか?

今でこそいろんな国でブックメーカーができるようになった。
それでも多くのブックメーカーは英国発祥だ。

英国は資本家階級と労働者階級とで厳然と分けられている階級社会だ。

「働かなければ生きていけない階級」が有る。

これは裏を返せば「働かなくても生きていける階級」があるという事になる。

資本家階級は、自分の会社の株の配当金で生きている。

自分の会社の繁栄がダイレクトに自分の生活に反映されるのが資本家階級だ。
労働者階級のように会社が儲かっても時給分の金しかもらえないことはない。

英国のような階級社会では、労働者階級から資本家階級に転身するのはけっこう難しい。

ただしビートルズのように労働者階級から資本家階級への成り上がりに成功した実例は少ないけどある。

さて、資本家階級が一番恐れている事とは何か?

同業他社の台頭だ。

労働者階級の人たちが旗を上げて同業他社を設立される。
そうなると自分の会社の売り上げがそっちに持って行かれる。

うかうかしていると寝首をかかれ、会社や資本家階級としての人生を失うことになる。
だから資本家階級は同業他社が旗上げしづらくなる社会構造を望む。

労働者階級の人が起業するためには、かなりの金が必要だ。

その金はどう集めるか?

投資家から集めるか。
自分で金を貯めるかだ。

厳然たる階級社会の下では、自分と異なる階級である投資家から資金を集める路線を実行するのはハードルが高い。
だが自分で貯金を貯めて起業することなら、なんとかなりそうだ。

資本家階級としては、その路線を実行するハードルを高くしないとライバルの台頭を許すことになる。
労働者階級に貯金されると、自分の生活が危うくなる。

労働者階級の生活必需品以外への金を早めに消費させて貯金を許さなければ、下克上は起こらない。

そのための便利な存在がブックメーカーだ。

ブックメーカーのターゲットは労働者階級だ。

労働者階級は、日々の労働の憂さ晴らしとして手近にあるブックメーカーで金を賭ける。
たまに勝つこともあるだろうが、大抵負ける(そうならないとブックメーカーが倒産する)。

こうしてわずかな貯金を食いつぶす。
いつまで経っても労働者は労働者階級から抜け出せなくなる。

サッカーのカードも賭けの対象として多く扱う。
当然サッカーファンもベッティングオフィスの顧客になる。
現地のサポーターがスタジアムに行く金は、生活必需品以外の所から切り崩して工面する

こうすると何が起こるか?

ブックメーカーに入り浸ると、スタジアムに行く金がなくなってしまう。

大資本がバックに付いているビッグクラブならともかく、入場料収入と移籍金収入で回している中小のクラブが収入枯渇で苦境に立たされることになる。

そうなると中小のクラブはスター選手の売却したクラブ存続の手段がなくなる。
そのクラブのサポーターが悲しむことになる。
貯金を失ったサポーターはスタジアムに行けなくなるし、サッカー振興の妨げになる。

俺が試合の予想オッズを書いたことで、選手が何かしら利益を得たか?

利益を得た者がいたとすれば、ブックメーカーの連中ぐらい。

ブックメーカーが、その増えた利益をサッカー振興にいくらかでも還元していればまだいい。

現実にはそんなことはあまりない。
たいていは自分達の会社の維持で金の流れが止まってしまう。
ブックメーカーは労働者階級から吸い取った貯金で生きている業界だ。

俺の予想オッズの記事に興味をもった読者がブックメーカーに注ぎ込んだ金は、サッカー界には回っていかない。
だからオッズの記事を書くのをやめた。

ただし日本のtotoは例外中の例外だ。
totoの収益金は、サッカーを始めとしたスポーツの振興にきちんと回る。

昔はオッズを記載し、そのデータを元にサッカー談義を進めていくのが欧州のサッカーメディアの慣わしだった。

今そんな事をしているメディアを見かけなくなった。

理由は俺と同じだろうか?

Love football?

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