天皇杯決勝を元日に開催するのは正しいのか?

去る1月28日に行われたACLプレーオフで、鹿島アントラーズがメルボルン・ビクトリーに0-1で敗れた。

鹿島に引導を渡したのは、元浦和レッズのナバウト。
祖国オーストラリアに帰って、のびのびとプレーしているのが伝わってくる。

サンキュー、ナバウト!

さて、それはそれ。これはこれ。

プレーオフの段階で日本勢が破れたのは初めてだ。

中国勢や韓国勢は本戦に4クラブ出場する。
日本勢は3クラブしか出られない。

日本のクラブサッカーの力が中国や韓国のそれより下回っていることになってしまう。

日本のサッカーを取り巻く環境のどこかに問題がある。

鹿島の選手は、冬のオフが1週間しか取れていない。

サラリーマンでも年末年始のオフを1週間程度取る人が多い。
特に家族を持つ人には、オフになっても年越しの準備や初詣などが待っている。
その1週間で疲れが取れるサラリーマンは少ないと思う。

アスリートはサラリーマンより確実に走り回り、確実に怪我しやすい。
そんな彼らがサラリーマンと同程度の期間しかオフがなくて大丈夫な訳がない。

「鹿島のオフがどうこうじゃなく、メルボルン・ビクトリーがシーズン中だから」という問題ではない

メルボルン・ビクトリーの選手には5月から10月まで5ヶ月間のオフがあった。

それだけ休暇が長いと怪我は癒える。
体調十分な状態でシーズンを闘える。

そもそもなぜ鹿島の選手には1週間しかオフがなかったのか?

原因は1月1日に行われる天皇杯の決勝に出場したからだ。

シーズン最後の試合から国際大会までわずか27日間。
その27日間にオフもキャンプも詰め込む。

このスケジュールはクレイジーだ。

そもそも天皇杯決勝を元日に開催するのは正しいのか?

Jリーグが発足する前のアマチュアリーグしかない頃では、今と事情がかなり異なる。

大企業のサッカー部の選手は、試合より仕事を優先しなければいけない立場だ。

大事な仕事が入ったために要の選手が試合に出られなくなり、天皇杯に敗れる。
これはチームの人たちにとって無念なはずだ。

そんな環境では「天皇杯の決勝ぐらいは、仕事が確実に休みになる日にしよう」となるのが自然だ。

「仕事が確実に休みになる日」とは?

それが元日だ。

Jリーグ発足前なら、天皇杯決勝を元日に開催するのは正しかった。

今、Jリーグが立ち上がってから30年近く経つ。

「天皇杯で闘おうとするJリーガーが、他の仕事を理由に試合に出られなくなる」なんて事はもうあり得ない。
Jリーガーが決勝の元日開催にこだわる理由はない。

そうすると、こんな意見を出す人も出てくる。

「アマチュアクラブのことを考えているのか?」

Jリーグが発足した1993年以降にアマチュアクラブが天皇杯決勝に進んだことはない。

この問題は結果で判断すべきだ。
「アマチュアクラブが決勝に参加していない」という結果で判断すべきだ。

つまり天皇杯決勝が元日でなければならない理由はない。

ACLのプレーオフが始まる時期は早い。
当然、それに向けた準備期間が必要になる。
Jリーグがない頃にはしなくてよかった準備をしなければいけない。

国内最高峰のサッカーの大会がJリーグになった今、天皇杯決勝を元日に開催するのは間違っている。

過密日程が禍いしてACLプレーオフで破れたクラブは、敗因を日程のせいにできない。

日程のせいにしたところで、戦績が奮わなければ監督や主力選手を放出しなければならなくなる。
それがプロのクラブだ。

残念ながら元日に決勝を開催することを大前提で日本サッカー協会は動いている。

日本サッカー協会はJリーグの発展の邪魔をしている。

日本サッカー協会の重鎮(特に田嶋)は日産自動車やヤンマーが天皇杯決勝を闘っていた時の感覚で動いているのではないか?

チーム名が横浜F・マリノスやセレッソ大阪になってから何年経ったと思っているのか?

ただしこの問題では田嶋ばかりを責めるわけにはいかない。

元日開催の問題に無関心な者が選手にも多い。
そのために選手会として日本サッカー協会に日程変更を強く働きかけることができない。

今回の鹿島の件で、天皇杯決勝の元日開催にこだわるのがどういう事かが選手にも分かったと思う。
もしそれでも元日開催に固執する者がJリーガーの中に残っているなら、その人は正真正銘の馬鹿だ。

プロである以上、自分の契約を守るのは当然だ。
契約を守るためには、試合で結果を出さなければいけない。
結果を出すための行動をしなければいけない。

「結果を出すための行動」とは天皇杯決勝を前倒ししてもらってオフを十分に取れるように働きかけることも含まれる。

「決められたルールには黙って従うもの」

こう考える人が、日本人には多い。
小学校でも先生がそう教えている。

今回の大会に向けて既に出来上がったルールなら、確かに従わなければいけない。
その一方で、次回の大会に向けて現場にそぐわないルールについては改善を促す努力も大切だ。

「悪いルールは変えるように促すもの」

俺はこちらがプロとしての在り方だと考えている。

選手が闘う場所はピッチの中だけではない。
日程変更の交渉も、闘いのうちだ。

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