日本代表戦への熱の低下は悪いことじゃない

20年前は「ニホンダイヒョー」と言われれば、サッカーファンなら誰もが飛び付いた。

ワールドカップでの経験の薄い日本代表の試合に駆け付けて熱く声を枯らす人が多かった。

ワールドカップの最終予選だろうが、単なる親善試合だろうが、注目度は同じ。

「この試合は、どういう位置付けの試合か?」を気にするサポーターは非常に少数派だった。
そんな細かいことを気にせずに、ほとんどのサポーターがただ「ニッポン! ニッポン!」と叫んでいた。

今はどうか?

今の日本代表戦に、20年前の熱はない。

ワールドカップ最終予選ならともかく、そうでない単なる親善試合に詰め掛ける人の数は目に見えて少なくなった感じがする。

そんな試合でも、スタジアムに詰めかけたサポーターは当然「ニッポン!」を連呼する。

ただ日本代表の親善試合が話題に上がることは、20年前に比べてめっきり減った。
ハッキリ言って、雲泥の差だ。

俺はこの現象を悪いことだとは見ていない。

Jリーグが出来てから、今年で27年目。

20年前はJリーグに加盟しているクラブの数が少なかった。
今ほどJリーグが浸透しているわけでもなかった。

そんな20年前なら「スタジアムに行くこと≒日本代表戦を観に行くこと」だった。

今はそうじゃない。

「スタジアムに行くこと≒日本代表戦を観に行くこと」というサポーターも確かにいる。
ただ「スタジアムに行くこと≠日本代表戦を観に行くこと」というサポーターの数が増えてきた。

Jリーグに加盟するクラブを持たない都道府県の数が1ケタになった。

そんな今では「スタジアムに行くこと=Jリーグを観に行くこと」というサポーターが多い。

彼ら彼女らにとって、年に数回しかやらない日本代表戦よりも、毎週のように開催するJリーグのほうがはるかに身近だ。

しかも日本代表戦は、日本で開催するといっても神戸でやったり大分でやったりと、開催地がバラバラだ。

Jリーグなら、2試合に1試合はホームスタジアムで行う。

Jリーグに慣れ親しんだ人たちは、日本代表の選手よりも贔屓のクラブの選手の方を優先して応援する。

日本代表のメンバーに贔屓のクラブから選ばれなければ、彼ら彼女らはわざわざ親善試合のスタジアムに詰め掛けるだろうか?

今や日本代表戦だけでなく、Jリーグでもサッカーを楽しめる。

サポーターがサッカーにつぎ込める金も時間も限られている。
贔屓のクラブの出ない親善試合よりも、贔屓のクラブが出るJリーグの試合を優先するのは、当たり前じゃないか。

そうすると、メディアで今晩やると言われている日本代表戦がどういう位置付けの試合かを考えるサポーターも出てくる。
当然、単なる親善試合に対してワールドカップ最終予選へと同じエネルギーを注ぐわけにはいかなくなる。

日本代表戦への熱が低下しているのは、Jリーグの文化が浸透してきた証拠じゃないか?

俺も実際、直近2試合の日本代表戦への見方は冷めていた。

レッズの選手が出ないなら、わざわざサッカーバーに行ってまで90分間試合をチェックすることはない。
その時間とエネルギーを温存して、週末のJリーグにぶつければ良い。

こう考えるサポーターは、少数派だろうか?

できることなら、俺だって全てのサッカーの試合を観たい。
親善試合もレッズの絡まない試合も観たい。
できることなら、だ。

ただ俺の体は1つしかない。

当然、優先順位が存在する。

日本代表戦だからといってなんでもかんでも観ることがなくなるのは、悪いことじゃない。

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