イチローの現役生活最後の言葉

まさかあのイチローが引退するなんて。

イチローもカズと同じく、自分からは「引退する」とは死んでも言わなさそうな選手だと思っていたから。

数々の記録を作ってきたイチロー。
日本人で最もアスリートらしいアスリートの1人が彼だった。

野球選手と言われて真っ先に思い浮かべるのが、彼だった。
日本人を代表する野球選手でもあった。

そんな彼の引退会見では、名言と迷言のオンパレードだった。

その言葉を紹介しよう。

◆「こんなにいるの? ビックリするわ」

記者会見場に訪れた報道陣の数の多さに驚いての発言。
少し前に現役引退したGK川口能活は、引退会見での報道陣の多さを知らされて控え室で感謝の涙を流したという。
イチローの場合は、ただ驚いただけだった。

◆「キャンプ終盤でも結果を出せずに、それを覆すことができなかった」

現役生活に終止符を打つタイミングと理由を訊かれての発現。
中田英寿が引退した時のことを思い出す。自分がトラップしたボールの落ちた場所が数十cmズレていた事が、彼の引退の理由らしい。
イチローは中田と同等の、いやそれ以上の高い基準を自らに課していたのかもしれない。

◆「重ねることでしか後悔を生まないということは出来ない」

イチローは実行主義だ。
圧倒的結果を出す為には1回2回やっただけでは駄目で、大変な事を淡々と繰り返す事の中からしか後悔のない結果は出てこない。
何もしないで観客席に回っている者には決して言えない言葉だ。

◆「おかしなこと言ってます、僕?」

会見中にイチローはこの言葉を何度も繰り返した。
引退会見という極度の緊張を強いられそうな場面でさえ自分自身に向けてアンテナを張り、小さな異常を見逃さないように努めている。
その努力がギネス世界記録の日米通算4367安打を成し遂げたのだろう。

◆「達成感を味わうこと、満足感を味わうことは沢山ありました。じゃあ、楽しいかと言うとそれとは違う」

自分だけが楽しくてもOKなのがアマチュア。
他人を楽しくするのがプロ。
プロのアスリートとしての深い苦悩をのぞかせる言葉だ。

◆「それはここでは言えないなあ」

本田圭佑などのように日本のスポーツ界には戻らないと決めている選手もいる。
色々と理由があるだろうが、それを表に出すと炎上するのも容易に想像できる。

◆「測りは自分の中にある」

基準を他人に求めているうちは、幸せとは程遠い。
なぜなら他人次第でどうにでも変わらなければならなくなるから。
基準を自分自身に求めれば、他人に自分の人生を握られることはなくなる。

◆「元カタカナのイチロー」

自分が監督業をする事がどれだけあり得ないかを報道陣に端的に説明した言葉。
ここまで印象的な言葉にしないと、日本のスポーツメディアが発言を書き換えてしまう怖れがある。

◆「自分に子供がいたとして、高校生であるとすると教えられなかったりというルールですよね」

日本の野球界での既得権益者同士の不毛すぎるナワバリ争いを遠回しに批判している。

◆「号泣中の号泣でした。(中略)それ見てこっちは笑ってましたけどね」

ベンチに戻る際の投手の菊池雄星の行動について。
イチローはどんな時でも感情のブレが少ない。それが名選手として必要なことなのかもしれない。

◆「結果を残さなかったら人は絶対に来てくれない」

ニューヨーカーの気質は浦和レッズサポーターのそれと似ている。
レッズサポーターは結果を出す選手に対しては熱く熱くサポートするが、そうでない選手にチャントを作ることはない。
「決めろ浦和の漢なら」とレッズサポーターはスタジアムで歌う。
実力主義、結果主義のニューヨークの気質がイチローには合っていたのかもしれない。

◆「3000個握らせてあげたかった」

ホームゲーム前に妻は必ずおにぎりを握り、イチローがそれを食べる。
妻への内助の功を讃える台詞だ。

◆「裏で話すわ、裏で」

打席内の感覚の変化が引退の理由かを訊かれて。
分かりやすい言葉で表現しづらかったのかもしれない。
簡単に説明できて簡単に実行できれば、誰でもヒットを量産できている。

◆「自分ができることを、やりたいことを重ねているので我慢の感覚がない」

やりたくない事を努力しても結果には繋がりにくいし、続かない。
儲かることではなくてやりたい事を優先させて、それを収益化するための最善を尽くせばいい。

◆「左投手の先発って変わっている子が多い」

「まさか羽田着いた時にアイツ、ジャージでしたからね。イヤ、コイツ大物だな」と続く。
同僚の菊池雄星の愛すべきキャラクターについて語る

◆「頭使わないとできない競技なんですよ、本来は」

「日本の野球がアメリカの野球に追従する必要なんて全くなくて」と続く。
野村克也のように頭を使うことを求める人は、大リーグでは少数派だ。
日本らしさを追求すべき分野がある

◆「成功すると思うからやってみたい。それが出来ないと思うから行かないという判断基準では、後悔を産む」

「できると思うから挑戦するのではなくて、やりたいと思えば挑戦すればいい」と続く。
継続が成功の絶対条件だ。
好きでないことは継続できない。

◆「世界一の選手にならなきゃいけない選手です」

大谷翔平を指しての言葉。
二刀流の選手は世界中探しても珍しい。
日本ではなぜか評価されない二刀流が脚光を浴びるように俺も願う。

◆「占い師に訊いてもらわないと分からない」

大谷はどのような選手になるかを訊かれて。
先のことが分からないからこそ、人生は面白い。

◆「草野球を極めたい」

何事も一生懸命になるイチローの職人気質を覗かせる言葉だ。

◆「外国人になったことで人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までなかった自分があらわれた」

環境を変えることで、それまで気が付かなかった事が気が付く事は多い。
異国に渡るとなると、日本での常識がどんな事なのかについても気付くようになる。

◆「体験というのは、本を読んだり情報を取ることができたとしても、体験しないと自分の中からは生まれない」

本や情報に接するのも大事だ。
ただ実際に自分が体験する事で、知識が立体的に肉付けされる。
これもイチローの実行主義を表した言葉だ。

◆「つらいこと、しんどいことから逃げたいというのは当然のことなんですけど、でもエネルギーのある元気な時にそれに立ち向かっていく、そのことはすごく人として重要なこと」

「いつやるの? 今でしょ」と即座の行動を促した林修を思い出す。
元気な時を逃せば、情熱を失って動きだすのが億劫になる。
情熱は生ものだからこそ、常に気を使っていきたい言葉だ。

こうしてみると、改めて「イチローは職人気質だ」と思う。
だからこそ引退の場でも華やかに送り出させるほどの選手になったのだろう。

これからの幸多き生活を願っている。

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