コンビニの恵方巻きって、そんなに必要か?

恵方巻きの押し売りや買い取りを店員に強制するコンビニの店長を批判する書き込みを、ツイッターで多数見かけた。

今年は過剰発注による大量の食品廃棄を戒める通知が農林水産省からされたばかりだ。

それでも節分が終わる今の時点で、残念ながら恵方巻きの大量廃棄が確実になっている。

店舗に課されたノルマが素っ頓狂な数字になっている証拠だ。

店頭では早くから恵方巻きのノボリを立てていた。
早くから「予約受付中」のポスターを貼っていた。

現場としては、やるべき事をやっている店ばかりだ。

これ以上、現場に何を望むのか?

毎年々々売ってきた。
事前予約受付までしていた。

それなら、バイヤーがどの店には恵方巻きを何個割り当てるのが適切かを具体的な数字で判断できるはずだ。

それでも大過剰の恵方巻きが売れ残っている。

これはバイヤーの購買数量の予測の失敗だ。

これが全国規模で起これば、それは「恵方巻きを販促商品に選んでしまった」事も失敗になる。
つまり営業本部長にも失敗の責任がある。

個人事業主が同じ事をしていたら、売れない商品を売ることに固執して大量に発注したら、破産する。

売れなければ売り物や売り方を変える。
これは個人事業主にとって常識だ。

だが幹部や一部の店長にとって、そうは考えられないみたいだ。

「恵方巻きは売れる!」
「売れないのは売る努力が足りないからだ!」

そう発破を掛けて、店員に押し売りさせる絵面が目に浮かぶ。

そもそも「恵方巻きは売れない」「恵方巻きは飽きられた」となぜ考えられないのか?

アルバイトが廃棄商品の買い取りをするのは、業務の管轄外だ。

アルバイトは店の中の事にだけ責任を持ち、勤務時間内だけ仕事をしていれば良い立場だ。
店の外で家族や知り合いに恵方巻きを買わせる義務はない。

コンビニの店長は会社全体で考えると、中間管理職だ。

中間管理職は本部からの命令を現場に伝えるだけでは駄目。
現場の意見を汲み取り、本部に要求もしなければいけない。

それを怠る者は、中間管理職としては失格だ。

どんなに販促の失敗を繰り返しても、改められることはない。

幹部は引き続き本部に居座り、店長たちが逆立ちしても貰えない額の給料をもらい続ける。
店長は罰金を払わされ、店員は売れ残りを書い取らされる。

幹部は絶対に責任を取らない。
現場が責任を取らされる。

残念ながら、これは日本の流通業の常識だ。

俺には流通業で働いていた経験がある。
といってもコンビニでの勤務の経験はないが。

「バイヤーをやると蔵が建つ」

こんな噂が、その会社では囁かれていた。

バイヤーが販促商品を決めると、メーカーは謝礼を出す。
その謝礼を原価に反映させず、バイヤーが懐にしまっている。

そんな風に、その会社では誰もが思っていた。

当然、どう逆立ちしても売れるわけがない商品が大量に入ってくる。
返品不可で原価も高いので、原価を割って投げ売るしかなかった。

売り上げが悪いと、店長が処罰される。
かと言って利益率が悪かったり在庫が多かったりしても、店長が処罰される。

どうやってもバイヤーが儲かり、店長が馬鹿を見る仕組みになっていた。

店長は毎月店長会議に出席するために、本部に行かされた。

「店長会議」といっても、会議とは名ばかり。

社長の退屈な話を聞かされ、幹部が店長に命令するだけ。
店長が意見するなんて御法度。

俺はその「御法度」を犯し続けたので、その流通業には居られなくなってしまったが。

店長会議でバイヤーが偉そうにしている。

何があっても幹部は責任は取らない。
何があっても現場が悪い。

こうして同じ者がバイヤーであり続けた。
店長は愛想を尽かして次々と転職していった。

そしてその会社は、他業種の会社に圧倒的に部が悪い立場で吸収合併された。

あの時のバイヤーは、今ではさぞかし惨めな立場になっているだろう。
それは自業自得なんだがな。

「コンビニは商品の回転率が最高」と言われていた時期があった。

今はそうでもないんじゃないか?

新聞棚から新聞を買っていく姿を最近見ていない。
エロ本棚の撤去だって、一説には「風紀の是正なんて単なる口実。誰も買わなくなったから」という噂が流れている。

今はひと昔前と違う。
ネットがモノを言う。

幹部はネットが習慣になる前の常識で動いているのでは?

現場の意見を聞く気もない者ばかりが幹部になっていれば、そうなるのも当たり前ではないのか?

人より多く身につけたい。
取れるだけ取りたい。

自分さえ良ければ、他人が泣こうが死のうが知ったこっちゃない。

そういう意識でコンビニの幹部は恵方巻きを勧め、発注を掛けたのではないか?

日本人なら誰でも恵方巻きを食べると思っているのか?
日本人にはそんなに恵方巻きが必要なのか?

わずか数年前までは、関西圏以外の人たちは恵方巻きが無くても困らなかった。

捨てられた恵方巻きを見て、コンビニの幹部は「もったいない」と思わないのか?

「自分さえ良ければ」の結果、今年も恵方巻きが大量に捨てられる。

恵方巻きがカラスやネズミの餌になる。
カラスやネズミがコンビニの周りに居つくようになる。

カラスやネズミを見て「あのコンビニのあるあの辺には近づかないようにしよう」と思う人もいるだろう。

「自分さえ良ければ」は醜い。

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