SNSは使い方次第で選手のチカラになる

アジアカップ準決勝、イラン戦を前にして長友佑都がツイッターで日本代表への共闘をサポーターに訴えていた。

イラン代表は今大会一番の難敵だ。
下馬表でも日本代表不利の予想が出ていた。


今大会のこれまでの450分間で、イラン代表は12得点0失点。

開催地はUAE。
しかも日本ではアジアカップの認知度があまり高くない。

当然、スタジアムの雰囲気は大アウェー。

普通にこの試合に臨んでいたら、日本代表は準決勝で敗れていただろう。

圧倒的支配率でイラン代表はボールをポゼッションしていた。
次々と日本ゴールを脅かし、間一髪で難を逃れる場面が続いた。
日本代表がボールを持てたのは、それらのわずかな隙間の時間帯の出来事に過ぎなかった。

そのわずかな隙間に3点獲った。
5試合やっていて無失点の相手にだ。

南野拓実の勝負への執念を感じさせるドリブルや機転の利いたパスが3点をもたらしたのも事実だ。
南野からのクロスをヘッドで叩き込み、PKストップで有名な名手アリレザ・ベイランバンドからPKゴールを奪った大迫勇也の半端なさも凄い。
浦和レッズでも見せていた十八番の高速ドリブルからのゴールを披露した原口元気も素晴らしい。

ただ、この試合での影のMVPは長友だと思う。

圧倒的アウェーの雰囲気の中で、日本サポーターの姿が大きく映っていた。
あそこまで大きく映ったのは、今大会で初めてだ。

キックオフは日本時間で23時。
試合が終わる頃には日付が変わっている。

そんな深夜の試合にもかかわらず、いつもにも増して応援を送っていた日本サポーターの人たちが多かったに違いない。

その中には、長友のあのツイートで応援に踏み切った人たちも少なからずいたはずだ。

あのツイートがなければ、下馬表不利の状態から形勢逆転には至らなかったに違いない。
大会大本命の相手を3-0で下すことなど、不可能だったに違いない。

SNSは道具だ。
上手く使えば薬にも毒にもなる。

「有名人たちがSNSとかで自分で話すじゃない? あれダメだと思うね。あれは都合良すぎだよ。有名人ならば堂々といっとかなきゃな」
「言いたいことがあったら俺達(首脳陣)に言え。あるいは新聞記者に言え」

少し前に、SNSの使用を禁じた某プロ野球の球団の監督の話が話題になった。

もしこの監督の様に選手にSNSの使用を禁じていたら、この大一番での快挙は無かった。

その一方で、サッカー日本代表監督の森保一は選手にSNSの使用を認めることを選んだ。
もし森保までが頑なにツイッターの使用を禁じていたら、どうなっていたか?

SNSが市民権を得る前は、サポーターに選手が共闘を呼び掛けられる場は記者会見の席だけだった。

記者会見は誰でも受けられるものではない。
メッセージを発するなら、当然記者会見を受けるための努力が必要だった。
本来チームが勝つために注ぐべきエネルギーを、そちらの方に割くことになってしまう。

認知度の低いアジアカップの場合、そもそも日本人の記者が記者会見に行っているかすら怪しい。
そんな状況では、SNSが無ければ選手の言葉はサポーターには届かなかったはずだ。

選手が共闘を訴えられる手段は、事実上自身のSNSだけだった。

今はSNSで誰でも自分の意見を世に発信できる。
上手く使えば、SNSは選手のチカラになる事も出来るのだ。

日本には閉鎖的な人たちが多い。
多くの場合で、そういう人たちが残念ながら力を持っている。

新しいテクノロジーをなんでもかんでも切り捨てないでほしい。

上手く使えば、新しいテクノロジーはそれまで生み出せなかったチカラを発揮するものだから。

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