2018年のJリーグを終えて(その6)

今回はJ1の16〜18位のクラブを特集。
入れ替え戦という形で、あるいは降格という形でJ2に直面してしまったクラブに触れる。

◆ジュビロ磐田

Jリーグ:16位(勝ち点41/10勝11分け13敗/35得点48失点)
天皇杯:準々決勝で敗退(ベガルタ仙台にPK戦の末敗戦)
ルヴァンカップ:プレーオフステージで敗退(ガンバ大阪に2試合合計4-2で敗戦)
J1参入プレーオフ:決定戦で勝利(東京ヴェルディに2-0で勝利)

J1残留に必要な勝ち点が41。
残留ラインが高すぎる。

名波の長期政権で来ているが、今年は序盤に怪我人続出で苦しんだ。
さらに5月2日の横浜F・マリノス戦での連続暴行事件の影響で、ギレルメが契約解除。

まさしく踏んだり蹴ったりの日々が続いていた。

そこに大久保嘉人を6月に完全移籍で加入させてテコ入れを図った。
それでも残留争いをしている状況に変わりはなかった。

最終節の川崎フロンターレ戦の試合終了寸前に、まさかのオウンゴール同点弾を被弾して16位に転落。
J1参入プレーオフでJ2のクラブと闘う事になった。

もっとも、そのプレーオフでは見事J1の威厳を示した。

レッズは8月に埼玉スタジアム2002で4-0と大勝したが、4月に磐田に敵地で敗戦を喫している。

◆柏レイソル

Jリーグ:17位(勝ち点39/12勝3分け19敗/47得点54失点)
ACL:グループステージ敗退(グループ3位/勝ち点4/1勝1分け4敗/6得点10失点)
天皇杯:3回戦で敗退(モンテディオ山形に1-2で敗戦)
ルヴァンカップ:準決勝敗退(湘南ベルマーレにPK戦の末敗戦)

本当にACLを闘ったクラブなのか?

これが柏に対する正直な感想だ。

下平体制3年目の柏は、茨の道のシーズンだった。

ACLではこれまで無敗だった全北現代戦を落とし、4月18日でACLが終了した。
柏は「全北キラー」の異名の返上を余儀なくされた。

そして5月に加藤望が監督に就任した。

だが7月11日の天皇杯でJ2勢に敗れるなど、苦戦。
今思えば、天皇杯の早期敗退は「監督をテコ入れしなければJ2に落ちる」というサインだった。

だが代表取締役社長の瀧川龍一郎は当然のように加藤を続投させる。
そして夏に中谷進之介(名古屋グランパスに)、ユン・ソギョン(FCソウルに)といった主力選手を放出。
さらにハモン・ロペスが契約解除されて古巣のベガルタ仙台に活躍の場を移した。

終盤戦になり、試合終了後の記者会見での加藤の乏しいコメントがSNSで注目を集めた。
会見を聞いても聞いても「問題点をどう解決するか」を全く説明せず根性論での単調なコメントに終始する加藤は「加藤絶望」と呼ばれた。

11月、Jリーグ残り2試合。
この試合を落とせば降格する状況になってようやく加藤を解任して岩瀬健を監督に内部昇格させた。

だが時すでに遅し。
33節で大勝したが、他会場のライバルも試合をモノにしていた為に降格が決まった。
「J2千葉ダービー」が現実のものになってしまった。

2019年はネルシーニョが指揮を執る事が、オフの早い段階で決まったという。

全く岩瀬は悪くないのに、初陣で降格。
全く岩瀬は悪くないのに、監督を降ろされる。

岩瀬のプライドや心理状況が心配になってくる。

J2降格が決まっても、その事について公式サイトでなかなかコメントを出そうとしなかった。
瀧川の鈍い対応もサポーターの逆鱗に触れた。

柏は人の痛みが分からない者が決定権を持っている。
ここを直さないとJ1の舞台で再び見かける事はないだろう。

これまでこの特集については、どのクラブもできるだけ良い部分も悪い部分も書こうと努めた。

だが今年の柏に関しては、残念ながら良い部分が乏し過ぎる。

良い部分を無理やり挙げるならば、それはサポーターの存在だろう。

彼ら彼女らの熱い応援のおかげで、絶望感漂う状況でも選手が走る事が出来たのだ。
サポーターが静かになってしまったら、ここの鈍いフロントは働くのをやめてしまうのは目に見えている。

他のクラブならフロントやスタッフが当たり前のようにやる事を、柏の場合はサポーターがやらなければいけない。
柏サポーターの奮闘ぶりには、ただただ頭が下がる。

なお、11年に渡り主将の大谷とペアを組んできたボランチの栗澤僚一が現役引退を発表した。

そして細貝萌がブリーラムユナイテッドに移籍する。
元々レッズでプレーしていた者が、ACLでも敵に回る。

ただ移籍の発表は柏側ではなされたが、ブリーラム側ではなされていない。

「本当にこの移籍は成立したのか?」

細貝のチームを倒すとか云々以前に、こちらの方が心配になってくる。

◆V・ファーレン長崎

Jリーグ:18位(勝ち点30/8勝6分け20敗/39得点59失点)
天皇杯:3回戦で敗退(湘南ベルマーレにPK戦の末敗戦)
ルヴァンカップ:グループステージ敗退(グループ3位/勝ち点7/2勝1分け3敗/9得点11失点)

去年、このクラブは経営危機で解体待った無しの状況にあった。
その危機の支援のためにジャパネットが乗り出した。

ジャパネットを含む様々な人達の力で、今年は初のJ1の舞台に挑む事が出来た。

J1に乗り込む際の長崎の代表取締役社長の高田明の礼儀正しくも熱い姿が印象に残っている。

「サッカーには夢がある」

試合で勝っても負けてもJ2に降格しても何が有っても何が無くても、彼はツイッターで必ずこの言葉を投稿する。

高田、自己主張強すぎ。

高田と比べるとどうしても影が薄くなってしまう監督の高木琢也も、就任6年目。

後半戦でめっきり勝てなくなって、チームは降格圏に落ちた。
J1昇格圏にいた町田ゼルビアの3位以下が確定し、長崎はピッチの外で降格が決まってしまった。

どんな闘い方をしようが、J2降格という結果が出た以上、失敗だ。

降格を受けて高木は監督を退任した。

これについて弁護するつもりはない。

ただ収益が際立って少なかった日本のプロビンチャの奮闘ぶりは、一服の清涼剤だ。
高田の決め台詞ではないが、降格してもなお夢をこれほど強く強く感じさせるクラブは世界中探しても見つからない。

このクラブは、近い将来J1に戻れる日が来る。
レッズサポーターとしても、対戦するのを楽しみにしている。

レッズは実は長崎に今シーズン勝てていない。
下位チーム相手に取りこぼしが多すぎるのは、レッズの課題だ。

※本ブログの広告からの収益金の1%を多発性硬化症や視神経脊髄炎の患者の支援団体であるMSキャビンに寄付いたします。

◆こちらの記事もオススメ
2018年のJリーグを終えて(その1)
2018年のJリーグを終えて(その5)
日本のプロサッカーリーグのまとめ

Follow me!