小笠原が引退した事と引退すべきでない事

鹿島アントラーズの超ベテランのボランチ小笠原満男が、現役引退を発表した。


浦和レッズサポーターの俺にとっては、青天の霹靂だ。
ツイッターを探ってみると、鹿島サポーターにとってはそういう訳ではなさそうだ。

鹿島がACLで優勝した時、最初にトロフィーを掲げたのは小笠原だ。

そりゃそうだ。
長丁場の国際大会で一番モノを言う選手は、チームの精神的支柱となる者だ。

そういう者が最初にトロフィーを掲げるのは当然だ。
レッズだって去年そうだったし。

去年ACLトロフィーを最初に掲げたのは、ボランチの阿部勇樹。
今年は、その彼は出場機会が減ってきている。

彼は指導者になる事を想定して、数年前から下準備をしている。
その阿部は、当たり前の様に2019年も浦和でプレーするだろう。
若い選手に自分の経験を伝え続けるだろう。

当然、小笠原も鹿島でのプレーを続けるものだと思っていた。

どこかで記事を見かけた事がある。
鹿島では、ベテランが若手の練習に付いていけないと「アイツはそろそろ終わりだ」という目で見られると。

小笠原が鹿島以外の日本のクラブでプレーする姿は想像しづらい。
だから彼がそのままスパイクを脱ぐのも、自然なのかもしれない。

小笠原は「闘将」と言われた。
それも知能犯の闘将だった。

老獪な鹿島のスタイルを全身で表現する選手だった。
行きすぎたマリーシアを90分間出してくる、実に嫌らしい奴だった。

俺が鹿島アントラーズとの試合に臨む際には、他のクラブとの試合より数段階もテンションを上げていく。
「観戦」する気でなく「参戦」しないと、鹿島には勝てない。

なぜなら鹿島を相手にする事は、小笠原を相手にする事だから。

今年、小笠原は試合が始まってもベンチで戦況を見つめている姿が多くなっていた。
それでも鹿島で一番物騒な奴は小笠原だった。

「誰々をどう潰せ」
「アンタを削ったのは誰々だ。絶対に奴を削り返せ」
「今日の主審は五分五分のファールじゃ試合を止めねえ。強く当たって叩き潰せ」

こういう具体的な指令をベンチから送っていたのは、どう考えても奴だろうから。
小笠原の場合は、ベンチに居ても全くもって油断ならない。

2018年の天皇杯準決勝での選手紹介の際、レッズサポーターが最も強くブーイングしていたのはベンチスタートの小笠原だ。

選手としての小笠原は、実に憎たらしい奴だった。
レッズが鹿島を下した時の仏頂面を見るのが楽しみだった。

その一方で、小笠原は東日本大震災の被災地に継続的に支援を続けていた。

震災が起きた時、危険を顧みず鹿島から日本海側ルートで車で故郷の岩手に出向き、復興活動に没頭した。
それだけではなく、Jリーガー達で復興活動をする団体である「東北人魂」を立ち上げ、現在まで継続的に活動を続けている。

レッズが鹿島と闘う時でさえも、小笠原が東北人魂のメンバーであるのを俺は忘れた事はない。

俺の親戚の中には、岩手に実家を持つ者がいる。
当然、実家はモロに被災した。

その者は震災の話をした際「小笠原が行った所だろ?」で話が通じた。

東北人魂の創設者、リーダーとしての彼は、いくらレッズサポーターといえどもリスペクトすべきだ。

彼は当然、これからは裏方として鹿島の選手に闘争心を叩き込むだろう。

小笠原は選手としては引退する。
東北人魂まで引退しない様に願う。

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