浦和の漢は血の由来ではなく結果で示す

浦和レッズの李忠成がとうとう横浜F・マリノスへの移籍を決めてしまった。


2014年に入団してからというもの、レッズサポーターにとって印象深いゴールの数々を決めてきた。

ただ最近では、スーパーサブとしての役割を期待されて途中出場する試合が多くなってきた。
33歳のこのFWは「お立ち台でヒーローインタビューを受けるのもあと数回」と、年齢によるパフォーマンスの低下を認める発言もしていた。

忠成がレッズからの退団を決めた理由は、レッズからの契約更新が無かったからだ。

忠成が選手契約を打ち切られた理由は、レッズの選手として結果を示せなくなってきたからだ。
途中出場がかさむ立場では、打ち切りもやむを得ない。

チュンソンがニックネームでなかった頃から、忠成の事は気に入っていた。

気の強さは、子供の頃からの性格だと言う。

ここでは子供時代の忠成には詳しく触れない。
以下のアマゾンサイトで紹介している本に詳しく書かれているので、知りたい方はこちらにどうぞ。

FC東京を退団後、柏レイソルに移籍。
J2降格で主力選手が大量に退団した事もあり、忠成はレギュラーに定着した。

忠成が付けていた20番という背番号は、元はと言えば柏レイソル時代の元韓国代表のホン・ミョンボに由来するもの。

韓国人のイ・チュンソンが日本国籍を取得してり・ただなりになっても、気の強さは変わらず。

その後サンフレッチェ広島でミシャと出会った。
海外での活躍の場だったサウサンプトンでは、負傷での長期離脱を経験した。
怪我明けで移籍した復帰先のFC東京では、本人にとって納得のいく起用法を受けられなかった。

その忠成がレッズを選んだ時、俺は正直感激した。
一番大事な時に結果を出して気を吐く姿を知っていたから。

「こいつなら、絶対に浦和の力になってくれる」

そう俺は確信していた。

一方で、2014年加入当時のレッズには嫌韓派が目立っていた。

レッズにそれまで最後に朝鮮系の選手が在籍したのは1995年のチョウ・キジェ(現湘南ベルマーレ監督)とクァク・キョングンが最後。
実に19年ぶりの朝鮮系もしくは韓国人選手の獲得だった。

忠成は朝鮮系日本人。

2018年3月8日。
浦和レッズvsサガン鳥栖。
レッズにとって埼玉スタジアム2002での開幕戦。

とうとう事件が起こった。

一部のレッズサポーターが、忠成の選手紹介の際にブーイングをしたと言う。
スタンドには旭日旗のデザインが背景で「日本人」と書かれたフラッグが複数掲げられていた。

そして熱狂的なレッズサポーターが行く北側ゴール裏へのゲート入口上部には「JAPANESE ONLY」の横断幕。

「忠成になんて事しやがる!」

ツイッターでこの知らせを知った俺の、正直な感情だ。

レッズサポーターの座席で外国人排斥なんて、勿論言語道断。
しかもあのタイミングで、あれはない。

何をどう誤魔化しても、あのメッセージは忠成に向けられたものだ。

もし俺があの場にいたなら、職員を怒鳴りつけてでもサポーターズグループを張り倒してでも弾幕を取り除くつもりだった。
当時俺は埼スタに居なかったので、どうする事も出来なかった。

その弾幕掲示を止めなかったクラブスタッフにも責任があるとし、Jリーグはホーム開催1試合の無観客試合を命令。
該当サポーターズグループ「蛇」のメンバー全員はレッズが関与する試合及び埼スタでの試合全ての無期限入場禁止措置が課された。

この事件をキッカケに、応援スタイルが規制されるようになった。
そのほとんどは段階的に解禁されてきたが、現在でも完全解禁には至っていない。

俺は蛇のメンバーを未だに許さない。

加入半年の時点で忠成が愛想を尽かして浦和を去ったとしても、本来ならレッズサポーターは彼を批判する資格はない。
そうなってしまっても当然の事を、一部のレッズサポーターはしでかしたのだから。

それが5年も浦和に残った。
それどころか印象的なゴールをいくつも決めてみせた。

興梠。李。武藤。
KLMとも呼ばれるほどの活躍を見せてくれた。

途中出場でも気を吐く彼の姿は、浦和の漢として受け入れられた。

差別をされた者が浦和に残った。
差別をした者が浦和を去った。
忠成は人種差別に勝ったのだ。

ストライカーは渡り鳥。
請われる所に行くモンだ。

これまで英国のクラブを含めて5つものプロクラブを渡り歩いた。
6つ目のクラブとしてマリノスから声がかかり、そこに移籍する。

今、レッズサポーターで忠成を否定する者はいない。

忠成は血の由来ではなく、結果で自分の存在価値を示してきた。

浦和の漢とは、レッズユースで育ってきた選手の事ではない。
両親や先祖の国籍で決まるものでもない。

浦和の漢は、やっぱり結果で示すものだ。

忠成は紛れもなく浦和の漢だ。

マリノスサポーターにお願いがある。

どうか血の由来で忠成を追い出さないでほしい。

一部のレッズサポーターが忠成にさせてしまった辛い思いを、あなた方までさせないでほしい。

人種差別は競争を否定する行為だ。
人種差別はサッカーを否定する行為だ。

忠成には、これからもレッズ戦以外での活躍を願っている。

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