暴力はサッカーに必要か?

コパ・リベルタドーレスはクラブの南米王者を決める大会だ。
その決勝はリーベルプレートとボカジュニアーズという、アルゼンチンを代表するクラブ同士の「スーペルクラシコ」というダービーになった。

ボカ側のホームで行われた決勝第1戦は2-2で終えていた。

ボカは本拠地ラ・ボンボネーラでの練習をサポーターに公開していた。

客席をギッシリ埋めたサポーターがチャントを歌う姿を全世界に発信している。

これだけサッカーが愛されるのは、羨ましい。
ただ、こういう環境だと選手は練習しづらいだろう。

なぜ練習の質を落としてまで、ボカは公開練習に踏み切ったのか?

その理由が、第2戦を開催する事についての南米サッカー連盟(CONMEBOL)の対応を見て分かった。

決勝第2戦で試合をするために敵地エル・モヌメンタルに向かったボカのチームバスが襲撃された。

窓ガラスは割られ、催涙スプレーがまかれた。
数人が病院に搬送され、テベスなどの主力が負傷した。

この状況でもCONMEBOLは試合を強行開催しようとしていたのだ!

当然両クラブは紳士協定を結び、試合は2度延期された。

もし1度目に延期した際に「翌日の試合に出なければリーベルの不戦勝」とCONMEBOLが言ったとするなら、それは日馬富士に暴行を受けた貴ノ岩を批判する日本相撲協会と同じだ。

選手の傷が癒えるまで再試合すべきじゃない。
再試合は安全が確保される状況で、つまり中立地無観客で行うべきだ。

これでも再び襲撃を受けるなら、没収試合にすれば良い。

「南米王者をクラブワールドカップに出す義務がある。リベルタドーレス杯は早く終えるべきだ」と強行に主張するなら、第2戦は没収試合として0-3でボカの勝利とすべきだ。
そしてリーベルの今後数年間、国際大会への出場を禁止すべき。

今回の事件の責任はリーベル側にある。

そもそもアルゼンチンサッカーは政治力が強すぎる。

リーベルが降格したら1部リーグのチーム数を大幅に増やしてみたりと、とても見苦しい。
うっかりすると、とんでもない理由を付けられてリーベルに一気に持っていかれる。
だから「変なマネしたら許さねえ!」と練習公開動画でボカはメディアに牽制しなければいけなかった。

サッカーは確かに愛されてる。
だがこれではサッカーどころじゃない。

メッシがアルゼンチンでプロデビューしなかった理由が分かるような気がする。

まともな人はアルゼンチンサッカーに近づかなくなる。
スポルティング襲撃事件と同じ位、恥ずべき事件だ。

恥ずべき事件だという感覚が分からなければ、同じ大陸王者を決める大会であるACLで同じ事が起こればどうなるかを考えてみればいい。

もし埼スタに向かうアルヒラルの選手を乗せたバスをレッズサポーターが襲撃すれば、大変なことになる。

試合延期どころじゃ済まなくなる。
日本のメディアは浦和レッズをクラブ解散するまで執拗に追い込むのは目に見えている。
もし辛くもJリーグに残れても、ACLに無期限参加禁止の処分は確実に下される。

決勝はもちろん没収。
0-3でアルヒラルの優勝になる。

一部のサポーターの暴力で、大変高い代償をクラブが払わなければならなくなる。

サッカーは暴力的な状況で行うべきではない。
サッカーに暴力は要らない。



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