J2戦線異常アリ

今年2018年のJ2レギュラーリーグの全日程が終了した。

◆J2順位表
1. 山雅 77
2. 大分 76
3. 横浜FC 76
4. 町田 76
5. 大宮 71
6. ヴェルディ 71
7. 福岡 70
8. 山口 61
9. 甲府 59
10. 水戸 57
11. 徳島 56
12. 山形 56
13. 金沢 55
14. 千葉 55
15. 岡山 53
16. 新潟 53
17. 栃木 50
18. 愛媛 48
19. 京都 43
20. 岐阜 42
21. 熊本 34
22. 讃岐 31

ジェフ千葉、アルビレックス新潟、京都サンガといった少し前までJ1を賑わせていたクラブが、今やすっかりJ2の常連である。
京都サンガに至っては、J3降格寸前にまで来ている。

「大会社のネームバリューさえ有ればJ1でなんとかなる」という時代は、完全に終わった。

明らかにJ2戦線に異常が起こっている。

どんなに金が有ってもフロントが誠実でないクラブがJ1に戻れるほど、J1は安い場所ではなくなっている。

一方でJ1ライセンスを持たない町田ゼルビアが最後まで昇格争いに絡んだ。
これがJ1での残留争いに大きな影響を与えた。

これはJ1という日本の最高峰のクラブが集う舞台に挑戦する立場に、その挑戦する資格のないクラブがいる事を意味する。
それだけJリーグはまだ未成熟である。

こればかりは時間をかけるしかない。

時間がかかれば町田ゼルビアのような有力スポンサーの参入が見込めるクラブはJ1ライセンスを取得するだろう。
他のJ1ライセンスを持たないクラブを、フロントが本気で資金を集めてJ1ライセンスを取っているクラブが試合で勝って昇格圏を占めるようになる。

松本山雅がJ2で1位になり、2位の大分トリニータとともにJ1への昇格が決まった。

長野県の1クラブに過ぎないはずの松本山雅は、熱狂的なサポーターに支えられて日本のサッカーシーンに旋風を起こしてきた。
それはかつてJ1にいた時でも変わらなかった。

一方で、このクラブには松田直樹の喪失という決して癒されることのない傷がある。
今でも背番号3は、松本山雅にとっては特別な背番号だ。

過去を乗り越えてサポーターが一丸となってJ1へと後押ししてきたクラブだ。
来年は、松本山雅は「J1に所属しているだけのクラブ」では終わらないだろう。

大分トリニータには過去に西川周作、高松大樹、金崎夢生、清武弘嗣、森重真人がいた。
実力者揃いの選手がピッチに立った2008年に、ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)で優勝を果たした。
大分トリニータはJ1での台風の目であり続けるものだと思っていた。

だがこうした身の丈に合わない投資で資金難に陥った。
大分はJ2どころかJ3にまで降格した。
落ちるところまで落ちた大分の番組コマーシャルをスカパーで見た事が有ったが、数十秒見ただけで斜陽感が漂うほど見るのにつらいものだった。

ナビスコカップの栄光から10年が経とうとしている。
今の大分トリニータには西川も金崎も清武もいない。
それでも大分トリニータはJ1で爪痕を残すと確信している。

地の底を知っている人たちは強い。

大企業が後ろでふんぞり返っているだけのクラブより、こういう質実剛健なクラブの方がJ1にはふさわしい。

なお、今年から新方式「J1参入プレーオフ」になった昇格プレーオフ争いのカードも決まっている。

1回戦は大宮アルディージャvs東京ヴェルディ。
横浜FCと1回戦の勝者が2回戦のカードになる。
J1の16位と2回戦の勝者が決定戦のカードになり、その勝者が来年のJ1のチームになる。

町田ゼルビアが最後まで昇格圏の位置にいたことで、J1での自動降格枠にも影響を与えていた。

◆J1順位表(下位のみ)
11. マリノス 41
12. 神戸 41
13. 磐田 41
14. 湘南 37
15. 鳥栖 37
16. 名古屋 37
17. 柏 33
18. 長崎 29

残り2試合の状況で自動降格枠が2になるか1になるかは、17位の柏レイソルと18位のV・ファーレン長崎にとって非常に大きな違いが有った。
J2最終節の直前の時点で、町田ゼルビアはJ1自動昇格圏内でシーズンを終える可能性が残っていた。
J1ライセンスのないクラブが2位以上に入ってシーズンを終えることは、J2への自動降格枠が1に減ることを意味していた。

言うまでもなく、残留争いをしているクラブにとって町田ゼルビアが3位以下に終わることは厳しい結果だ。
ただ、本来の自動降格枠は2。
本来あるべき厳しい状況になっただけだ。

この結果、柏レイソルは16位のチームとの勝ち点の差4を残り2試合で0に詰められなければ、3度目のJ2降格の憂き目に遭うことになった。

1回でも負けた瞬間に、降格。
勝っても勝ち点が3しか上積みされないことを考えると、絶望感に満ちた状況だ。

ただ、これはしょうがない。
営業収入もあり日立グループという大会社がバッグにいる恵まれた状況にありながら、その立場にあぐらをかいていただけだったのだから。

一方でJ2最終節の結果により、残念ながら18位のV・ファーレン長崎の1年でのJ2降格が決まってしまった。

V・ファーレン長崎の去年の営業収入は、もちろん今年のJ1所属全18クラブ中最低だ。
そんな夢を感じるのが難しい状況にあっても、このクラブは闘うことを辞めなかった。

名物社長である高田明の「サッカーには夢がある」を前面に押し出したメディア戦略。
ゆるキャラのクラブマスコットであるヴィヴィくんのあざと過ぎる営業。

地方都市という集客に難しいはずのクラブではあるが、打てる手を打ってきた。

そういう手持ちのカードが少ないクラブが限られた手を打った末の降格は、なんら恥ずかしいことではない。

どうか胸を張って、残り2試合を闘ってほしい。

J2下位チームでは、最下位が確定したカマタマーレ讃岐のJ3降格が決まった。

J2もJ1同様に自動降格枠が2から1に縮小する可能性が残っている。
ただJ3の鹿児島ユナイテッドが勝利して、J2ライセンスのないアスルクラロ沼津が引き分けたことで、J3の2位と3位の勝ち点の差が5に広がった。

J3は残りわずか2試合。
J2の21位のロアッソ熊本のJ3降格の可能性は非常に高い。

悲喜こもごものJ2も、欧州ビッグリーグでの2部リーグのように盛り上がってくれればJリーグの価値は上がる。

これからもJ2が夢を感じられる場所であるように願う。



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