槙野が下した苦渋の決断

槙野智章の1通のツイートが、波紋を呼んでいる。

「ビッグアイ」こと大分銀行ドームに向かう日本代表チームを乗せたバスが、渋滞に巻き込まれた。
「このままでは日本代表vsベネズエラ代表戦に間に合わない」と判断した槙野が、渋滞中の車両に右車線を空けて自分たちのバスを通して試合を開催できるように依頼したツイートだ。

車線を1つ空けると、残された車の渋滞はさらに激しくなる。
結局、数千人が渋滞に巻き込まれて代表戦を観戦できなかった。

日本代表のバスを日本代表の選手が道を通すようにお願いすることについて、賛否両論が真っ二つに分かれている。

俺は「賛」の主張をしている。

「否」を掲げる人たちの主張の根拠とは
「代表だからって、ズルい」
つまり平等論だ。

あの渋滞ぶりだと、チームバスを優先して道を通さないとチームバスがスタジアムに到着するのが数時間も遅れる。
30分1時間ならともかく、数時間も遅れるとなると試合が中止になる。
試合自体が中止になれば、スタジアムに駆け付けた、あるいは駆け付けようとしたサポーター全員の行動が無駄になる。

こういう時は「みんなが平等に渋滞で待って」ではいけない。
優先順位の高い車両を通すようにすべきだ。
でないと試合を観られないサポーターを増やすことになる。

大体、あの渋滞の最も大きな要因は別の車両の事故。
渋滞待ちでどんなにドライバーがイライラしても、パトカーと事故処理車と救急車は通すはずだ。
ここで平等論を唱えて「パトカーだほんが何だろうが列に並べ」とやってしまうと事故がいつまで経っても片付かないし、助かる命も助からなくなる。

ところで右車線を空けるようにツイートする判断を下した槙野の決断は、本人にとってとても過酷なもの。

ツイートしてもしなくても、どちらを判断しても現地で観戦できないサポーターを産むことになる。

それでも必ずどちらかを選ばなければならない。
それもキックオフ時刻が迫った極めて短い時間の中で。

そういう過酷な状況で決断を下した槙野の苦悩を少しでも理解しようとするのが、大事ではないか?

この手の苦悩は、責任の重い立場の者には付き物だ。
会社の会長や社長、市長などにはもれなくつきまとう。
彼等は常に痛みと向き合って仕事している。

決断すべき時は、恐れず決断することだ。
たとえその決断で敵を生もうとも。

苦渋の決断をすることから逃げれば、人は付いてこない。



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