次にアジアを狙うクラブ
鹿島アントラーズがアジアの頂点の座を狙いにイランに渡り、ペルセポリスが虎視眈々と迎え撃つ。
その裏で、来年のACL出場に向けての争いが着々と進んでいる。
ACLの出場枠には、優先順位がある。
1つの国から出られる枠が4チーム有る場合のことを考えよう。
この場合、優先順位は以下の様になる。
1. 国内リーグの優勝チーム
2. 国または地域のカップ戦の優勝チーム
3. 国内リーグの準優勝チーム
4. 国内リーグの3位のチーム
カップ戦優勝チームが国内リーグで3位以上に入り枠が重なった場合は、国内リーグの次点のチームに枠が繰り下がる。
さて、日本勢に与えられた出場枠は「本戦ストレートインが2チーム+プレーオフから参戦が2チーム」である。
日本の場合の国または地域のカップ戦とは、天皇杯を指す。
ルヴァンカップはリーグカップ、つまりJリーグのカップ戦なのでACL出場の対象とはならない。
つまり基本的に
1. Jリーグの優勝チーム(→本戦ストレートイン)
2. 天皇杯優勝チーム(→本戦ストレートイン)
3. Jリーグの準優勝チーム(→プレーオフから参戦)
4. Jリーグの3位のチーム(→プレーオフから参戦)
ただしレッズと鹿島は3位以上でJリーグを終え、なおかつ天皇杯で優勝する可能性がある。
Jリーグで準優勝し、天皇杯で優勝した場合の出場枠の中身は
1. Jリーグの優勝チーム(→本戦ストレートイン)
2. 天皇杯優勝チーム(→本戦ストレートイン)
3. Jリーグの3位のチーム(→プレーオフから参戦)
4. Jリーグの4位のチーム(→プレーオフから参戦)
Jリーグで3位になり、天皇杯で優勝した場合は
1. Jリーグの優勝チーム(→本戦ストレートイン)
2. 天皇杯優勝チーム(→本戦ストレートイン)
3. Jリーグの準優勝チーム(→プレーオフから参戦)
4. Jリーグの4位のチーム(→プレーオフから参戦)
レッズか鹿島が天皇杯で優勝すれば、Jリーグ4位のチームにまで可能性が広がる。
なので天皇杯は是非レッズの応援をよろしく。
さて、天皇杯では現在勝ち残っているのがレッズ、鹿島、仙台、甲府、山形の5チーム。
甲府と山形はJ2のチームであり、来年のJ1昇格の可能性は絶たれている。
つまり来年のACLはJ2のチームがグループステージから参戦する可能性がある。
J2の試合数は42試合(J1は34試合)あるので、J1勢以上の過密日程になる。
当然、昇格争いに影響を及ぼす。
さて、J1は上位2チームこそ頭1つ抜け出ているが、そこから下は団子状態だ。
◆J1順位表(11/9現在)
1. 川崎 63
2. 広島 56
3. 鹿島 52
4. 札幌 51
5. FC東京 49
6. レッズ 45
7. 清水 44
8. セレッソ 44
9. ガンバ 42
10. 仙台 42
11. 神戸 40
以下略
1試合消化が多い鹿島以外は3試合残っているので、10位までのチームにACL挑戦の可能性が残っている。
ACL挑戦(最低でもプレーオフからの参戦であること)が内定済なのは、現時点では川崎のみだ。
川崎は10日の試合でJリーグの優勝を決めれば、ACLで参戦するのはグループステージからになる。
11月に入って、2部リーグのチームも含めると12のチームにACL挑戦の可能性が有る。
こんな国は日本くらいだ。
中超では最終節を残して上海上港の優勝が決定。意外にもこれが初タイトル。8連覇を阻止された広州恒大が準優勝。1〜4位が確定済で、3位の山東魯能と4位の北京国安が中国FA杯決勝で激突。この勝者と中超上位2チームがACLでは本戦から、敗者はプレーオフから参戦する。祝贺上海上港队的球迷! https://t.co/qTxLgSDrF4
— 紅夢/【ACL参戦記2017】連載中 (@beniyume_) 2018年11月8日
今期も残り3節のKリーグ1ではACLで柏を下した全北現代(柏も出てたのか!)が2位の慶南FCに勝ち点差22の「1強11弱」の構図。超高度飛行のこのクラブのみがACL本戦ストレートイン内定済。優勝プレーオフに参戦中の蔚山現代等の全チームにACL参戦の可能性が有る。残留プレーオフ参戦中の大邱FCにさえ有る。
— 紅夢/【ACL参戦記2017】連載中 (@beniyume_) 2018年11月8日
来年のACL出場を狙う外国のクラブはブリーラム・ユナイテッドやハノイ、傑志辺りのいつもの面子だ。日本勢で来年ACLに絡むのが現時点で決まってる(本戦ストレートインかは未定)のは川崎のみ。それでいてJ2勢の甲府や山形にも出場の可能性が残ってる(しかも本戦から)。やはりJリーグは混沌としている。
— 紅夢/【ACL参戦記2017】連載中 (@beniyume_) 2018年11月8日
さて、他の国の現時点での動向もここに記す。
【韓国】
Kリーグ1は現在2グループに分かれてのスプリットプレーオフの真っ只中。
3試合を残し、全北現代が勝ち点22もの差を付けてブッチギリの独走優勝を果たしている。
この全北現代は当然ACLではグループステージからの参戦が決定。
そこから下は団子状態の為、優勝プレーオフ参戦中の6チーム全部と韓国FAカップで生き残っている大邱FCにACL挑戦の可能性が有る。
参考までに現在の順位表を記す。
◆Kリーグ1昇格プレーオフグループ順位表(11/9現在)
1. 全北現代 83
2. 慶南FC 61
3. 蔚山現代 59
4. 浦項スティーラーズ 50
5. 水原三星 49
6. 済州ユナイテッド 47
慶南FCと残留プレーオフに参戦中の大邱FCは韓国FAカップの決勝で対戦する。
この勝者はACLではグループステージから参戦する。
韓国勢の場合、出場枠は韓国FAカップ優勝チームとKリーグ1の優勝、準優勝チームが本戦からの参戦、Kリーグ1の3位のチームがプレーオフからの参戦になる。
慶南FCが韓国FAカップで優勝してKリーグ1を3位以上で終えると、日本の場合と同様に出場枠はKリーグ1の4位までスライドする。
【中国】
中超は最終節を残すのみ。
既に1〜4位は順位が確定済。
中超の優勝チームの上海上港(初優勝!)と準優勝の広州恒大(8連覇ならず)がともにグループステージからの参戦が決定済。
3位の山東魯能と4位の北京国安は中国FAカップの決勝に進出していて、そこでの勝者もグループステージから参戦し、敗者がプレーオフに回る。
【豪州】
既に終わった2017-2018シーズンのAリーグの戦績によって決められる。
ACLに参加するのは
シドニーFC(Aリーグレギュラーステージ優勝/本戦ストレートイン)
メルボルン・ビクトリー(Aリーググランドチャンピオン/本戦ストレートイン)
ニューカッスル・ジェッツ(Aリーグレギュラーステージ2位/予選2回戦より参戦)
なお、メルボルン・ビクトリーはレギュラーステージ4位の立場から下克上を果たしてグランドチャンピオンになった。
夏のオフに本田圭佑を獲得したことでも話題になっている。
【タイ】
今年の全大会は終了済。
ACLに参加するのは
ブリーラム・ユナイテッド(タイリーグ1優勝/本戦ストレートイン)
チェンライ・ユナイテッド(タイFAカップ優勝/予選2回戦より参戦)
バンコク・ユナイテッド(タイリーグ1準優勝/予選2回戦より参戦)
【マレーシア】
こちらも今年の全日程は終了済。
ACLに参加するのは
ジョホール・ダルル・タクジムFC(マレーシアスーパーリーグ優勝/本戦ストレートイン)
ペラク・ユナイテッド(マレーシアスーパーリーグ準優勝/予選2回戦より参戦)
本来予選2回戦から参戦するのはマレーシアFAカップで優勝したパハンだったが、AFCライセンスを所持していなかった。
【香港】
香港プレミアリーグは秋春制を敷いているため、挑戦チームは内定済。
優勝チームの傑志が予選2回戦から参戦する。
【ベトナム】
今年のVリーグは全日程終了済。
優勝チームのハノイが予選2回戦から参戦する。
【フィリピン】
今年のフィリピンフットボールリーグは全日程終了済。
優勝チームのセレス・ネグロスが予選1回戦から参戦する。
フィリピンフットボールにはわずか6チームしか参戦していない。
【シンガポール】
今年のシンガポールプレミアリーグは全日程終了済。
準優勝チームのホーム・ユナイテッドが予選1回戦から参戦する。
優勝チームのアルビレックス新潟シンガポールはJリーグの本家アルビレックス新潟のサテライトチームであるため、ACLへの参戦資格はない。
【インドネシア】
国内リーグのインドネシア・リーガ1は残り5試合。
ACLの予選1回戦から参加するたった1つの枠を巡り、中位のチームまで参戦の可能性を残す大混戦。
今のところ出場の可能性が最も高いのは暫定首位のPSM。
【ミャンマー】
今年のミャンマーナショナルリーグは全日程終了済。
優勝チームのヤンゴン・ユナイテッドが予選1回戦から参戦する。
日本勢が決勝にまで勝ち進まないと当たらない中東勢の参加/挑戦チームについても記す。
中東の国内リーグの基本は秋春制なので、参戦状況はほぼほぼ確定済である。
【UAE】
アルアイン(UAEプロリーグ優勝/UAEプレジデントカップ優勝/本戦ストレートイン)
アルワフダ(UAEプロリーグ準優勝/本戦ストレートイン)
アルワスル(UAEプロリーグ3位/本戦ストレートイン)
アルナスル(UAEプロリーグ4位/プレーオフより参戦)
アルアインには塩谷司が所属している。
【サウジアラビア】
アルヒラル(サウジプロフェッショナルリーグ優勝/本戦ストレートイン)
アルイティハド(サウジアラビアキングカップ優勝/本戦ストレートイン)
アルアリ(サウジプロフェッショナルリーグ準優勝/本戦ストレートイン)
アルナスル(サウジプロフェッショナルリーグ3位/プレーオフより参戦)
UAEとサウジアラビアの両国にあるアルナスルは、もちろん別々のチームである。
アルヒラルを止めるチームはサウジアラビアにはいないのか?
【カタール】
アルドゥハリ(カタールスターズリーグ優勝/エミールカップ優勝/本戦ストレートイン)
アルサッド(カタールスターズリーグ準優勝/本戦ストレートイン)
アルラーヤン(カタールスターズリーグ3位/プレーオフより参戦)
アルガラファ(カタールスターズリーグ4位/プレーオフより参戦)
【イラン】
ペルセポリス(ペルシア湾プロリーグ優勝/本戦ストレートイン)
エステグラル(ハフジカップ優勝/ペルシア湾プロリーグ3位/本戦ストレートイン)
ゾブ・アハン(ペルシア湾プロリーグ準優勝/予選2回戦より参戦)
サイパ(ペルシア湾プロリーグ4位/予選2回戦より参戦)
今年のACLファイナリストのペルセポリスは、来年のACLも参加する。
【ウズベキスタン】
西アジアでは、ここの国内リーグのみが春秋制である。
ウズベキスタンスーパーリーグが進行中のため、優勝チーム(本戦ストレートイン)、準優勝チーム(予選2回戦より参戦)は未定。
ウズベキスタンカップ優勝チームであるAGMKは予選2回戦より参戦する。
【イラク】
アルザウラー(イラクプレミアリーグ優勝/本戦ストレートイン)
アル・クウワ・アル・ジャウウィーヤ(イラクプレミアリーグ準優勝/予選2回戦より参戦)
イラクは長年の戦火や自爆テロの悲劇を乗り越えている。
サッカーで平和が実現するように願う。
【タジキスタン】
イスティクロル(タジクリーグ優勝/予選1回戦より参戦)
【インド】
ミネルヴァ・プンジャブ(Iリーグ優勝/予選1回戦より参戦)
【シリア】
アルジャイシュ(シリアプレミアリーグ優勝/予選1回戦より参戦)
至るところで内戦状態の国でも、限定的ながら国内リーグは開催されている。
ドログバのように戦争終結をメディアに訴えるサッカー選手がこの国からも出ることを願う。
【ヨルダン】
アルワフダート(ヨルダンリーグ優勝/予選1回戦より参戦)
【クウェート】
アルクウェート(クウェートプレミアリーグ優勝/予選1回戦より参戦)
【バーレーン】
アルムハッラク(バーレーン1部リーグ優勝/予選1回戦より参戦)
ここまで書いていて思う。
サッカーは世界中で愛されている。
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