サッカーキッズをJリーグの客席に連れて来よう

学校のサッカー部の部員がJリーグを観に行くようになれば、スタジアムの雰囲気は変わる。
サッカーを楽しむ雰囲気が一気に増す。

どうも日本ではそういう状況から程遠い場所にいる気がする。
サッカー経験者はスタジアムに通いたがらない事を指摘する人もいる。

サッカー経験者がスタジアムに通いたがらなければ、ブラジルは世界で最もサッカーが流行らない国になってしまう。

サッカー経験者が最も多い国の事情を、分かる範囲で書く。

ブラジルでは、日本の様な部活は一般的ではない。
部活のある数少ない学校でも、日本のように学校の先生が薄給で顧問を兼任するのではなく、地元の業者と業務提携する。
つまりブラジルでは子供がサッカーをする場合、地元のスポーツクラブでプレーする。

スポーツクラブだから、そこでプレー出来なければ他のスポーツクラブに移れば良いし、実際に移るのは自由だ。

移るのが自由という事は、競争があるという事だ。
インストラクターがヘンテコな教え方をすれば、すぐに「あそこのクラブはおかしい」という噂が立ち、そのクラブは潰れてしまうだろう。

当然勝つ為にインストラクターが体罰するなんて考えられない。
万が一大人が体罰がすれば、子供は大人を殴り返す。

ブラジルでは無料テレビでさえも、毎日のようにサッカー関連の情報を流す。
有料テレビともなると、1日中プロサッカーの試合が流れる。

プロの第一線で闘っている選手のプレーを、インストラクターもサッカーキッズも観る。
大人も子供もテレビで勉強するのだから、当然サッカーIQは高くなる。

ここまでの過程に、サッカー愛を損ねる場面は見当たらない。
むしろサッカーをやればやる程、サッカー愛が深まる。
当然大人になって仕事を持つようになっても、カンピオナートブラジレイロを観にスタジアムに向かうようになる。

日本ではどうか?

日本人のサッカーキッズがサッカーをするチームは、普通は学校のサッカー部。

中学生や高校生対象のサッカークラブもあるにはある。
但しサッカー部の試合に出られない生徒を拾うクラブの数が少なすぎる。

だからといって、出場機会を得るためによその学校に転向するといっても、簡単には行かない。
つまり試合に出られなくても、よそのクラブに移籍できない。
3年程の間、試合に出られなくなる。

これはサッカー部の顧問にとっては、競争が無いことを意味する。

どんなにヘンテコな指導をしても、生徒は逃げられない。
しかも顧問の先生は本業の傍らとして、教頭に無理矢理押し付けられて薄給で顧問としてこき使われている。
そんな人が、わざわざ視聴料を払ってまでJリーグを観るだろうか?

顧問が体罰をしたところで、他のクラブに移籍できない。
入学してきた経緯次第では、退部すれば学校を退学しなければなったり母校の後輩の人生の選択肢を狭める結果になったりする。

しかも日本では、学校サッカーの力が強い。
日テレなんかACL決勝でさえJリーグのチームを生中継しないくせに、高校サッカーではもれなく生中継する。
大抵のサッカーキッズは、Jリーグではなく高校サッカーを手本にするだろう。

プロを手本にするから、素人がサッカー好きになる。
素人を素人が手本にしたところで、何が残るのか?

そして全国規模の学生の大会が、あらゆる種目で行われている。
優勝した時の袖の下目当てで、学校の首脳陣は顧問に優勝するように強烈なプレッシャーをかける。

顧問が生徒にそのプレッシャーを掛ける際、時として体罰という形になる。
競争が無い故、体罰を受けても生徒はサッカー部に残るしかなくなる。

サッカー愛のない顧問にとって、今がJリーグの試合日だろうがワールドカップで日本代表が闘う日だろうがどうでも良い。
だから「この日だけは部活をしないでコートジボワール戦を見せてあげよう」という働き掛けが有っても、日本代表戦の最中でも予定通りに練習や試合を敢行するサッカー部が続出した。

こんな環境で青春時代を育った人が、学校生活を終えたら「スタジアムに行きたい」と思うだろうか?

2度と触れたくない物として、サッカーを捉えるはずだ。

「弱いことは恥」と言われた。
だから優勝しなければ。
その為には体罰も厭わない。

そんなモンは大人のエゴだ。

弱いことは恥ではない。

弱い人がチームを変えて居場所を作れる社会にすべきだ。

こういう問題が解決すれば、サッカーキッズがスタジアムに行くだろう。

そのためには、やる事がいっぱいある。
社会構造にガッチリはめ込まれた問題なので、そんなに簡単には解決できない。

だがサッカーキッズが続々とスタジアムに行ってJリーグを観戦する世界は、その先にしかない。

悪過ぎる顧問の先生が多い以上、まずはクラブが地元の学校に訪問するのが欠かせない。
Jリーグの首脳陣も巻き込んで、サッカー部の顧問の教師とあるべきサッカーの世界について話し合うのが大事ではないか?

そしてサッカークラブをもっともっと作ることだ。
あれだけ元Jリーガーがいるのに、なぜサッカークラブの数が少ないのだろうか?
部活サッカーからはみ出た選手の居場所があれば、サッカー愛が冷めずに済む。

そしてDAZNを観る人が増えてきたとはいえ、それは金を稼いでいる大人の場合。
少ない小遣いしかないサッカーキッズが自分のスマホでDAZNを観るのは難しい。
だからJリーグをテレビで流す飲食店を増やるというのも、1つの手だ。

大人が子供のサッカー愛を摘まないように、切に願う。



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