ルヴァンカップのどこが問題なのか?

毎年秋にタイトルを掲げる場面が大写しになるルヴァンカップ。

Jリーグが始動した翌年の1992年から、ヤマザキナビスコカップとして毎年欠かさず開催されてきた。
この大会の前身となるのは、JSLカップだ。

創設当時は「予選リーグ」という段階でグループ別のリーグ戦を経て、「決勝トーナメント」で闘って優勝クラブを決めるという流れになっていた。
同じ様に2段階で進めるワールドカップやACLの様な大会の第1段階を「予選リーグ」と呼ぶ流れは、ここから生まれた。

ワールドカップの本大会のグループステージで敗れても「予選リーグ敗退」だから「予選敗退」
ワールドカップの本大会に出場する前の段階の地区予選で敗れても「予選敗退」

「同じ予選敗退って言葉使ってるけど、どっちやねん?」という疑問がここから生まれた。
「日本代表はちゃんとワールドカップに出たのに、予選で敗れたことにするな!」という怒りもここから生まれた。

現在は「予選リーグ」でなく「グループステージ」と、「決勝トーナメント」でなく「プライムステージ」という呼び名に変わっている。
両ステージの間に「プレーオフステージ」が入り、現在の形になっている。

創設当時の冠スポンサーがヤマザキナビスコだったので、長らくヤマザキナビスコカップとして行われ、ギネスブックにも載った。
その後ヤマザキでのナビスコのライセンス契約の終了を迎え、大会名称が現在のルヴァンカップになった。

JSLカップからヤマザキナビスコカップになった事に伴い、参加資格がJリーグのクラブだけになった。
Jリーグの参加チームが増えてJ2が生まれても、参加資格は長らくJ1勢だけだった。
J2の一部のチームも参加できるようになったのは、つい最近だ。

冠スポンサー側に大人の事情が生まれても、大会名を変えて行われた。
東日本大震災に見舞われても、その年は全試合をトーナメント制にして行われた。

これはJリーグが主催するカップ戦なので、リーグカップである。
リーグカップであるが故、Jリーグに加盟していないチームは参加できない。

さて、そんなルヴァンカップのどこが問題なのか?

Jリーグや天皇杯と違い、この大会を勝ち上がったところでACLには出られない。
だから普通のクラブにとってルヴァンカップとはJリーグ、天皇杯に続く「第3の大会」という位置づけである。
ACLに参戦するクラブにとっては、そのACLを軽視しているチームでない限り「第4の大会」になる。

タイトルに手が届く決勝を控えたチームでもない限り、「第1の大会」にはならない。

地上波で放送するのは決勝だけだ。
準決勝まではAマッチのための代表選手招集期間にぶつけるので、代表選手は出場できない試合が多い。

同時並行でいくつも大会が進んでいる故、平日開催が多い。
当然グループステージのような早い段階での試合では、スタジアムの客入り具合は閑古鳥が相場だ。

こういう現状を、冠スポンサーのヤマザキビスケットはどう思っているのか?
決勝だけ盛り上がれば満足なのか?

代表選手が出られないのは、過密日程だからだ。
そんなことになってまで、ルヴァンカップを開催する意味があるのか?

そもそもリーグカップを行なっている国と地域はどれぐらいあるのか?

弊ブログのいろんな国での国内リーグでのまとめを調べた限りでは、こうなる。

【リーグカップが有る国と地域】
日本、タイ、イングランド、フランス
【リーグカップが無い国と地域】
中国、韓国、豪州、ベトナム、スペイン、イタリア、ドイツ、トルコ、ポルトガル、ポーランド、アルゼンチン、コロンビア、メキシコ

全ての国と地域を調べ切れたわけではない。
ただ、調べた限りではリーグカップの無い国や地域が大多数だ。

そして調べた限りでは、リーグカップでリーグ戦の形を導入しているのは日本だけだ。
他の国や地域では全て一発勝負のトーナメント方式(イングランドでは準決勝のみホーム&アウェーの2試合制)だ。

まずグループステージではリーグ戦で。
そこから先は準決勝までホーム&アウェーで。

それじゃ過密日程になって当然だ。
代表勢が出られないのも当然だ。

ルヴァンカップを大事にしているサポーターも多いだろうから、「ルヴァンカップを無くして過密日程をなんとかしろ」とは今は敢えて言わない。
ただ韓国のようにリーグカップを廃止した国も実際にある。

ルヴァンカップを優勝すれば、翌年の夏に南米の国際大会であるコパ・スダメリカーナの優勝チームと闘う「スルガ銀行チャンピオンシップ」への出場権利を得る。
ただ、その肝心の冠スポンサーのスルガ銀行がご存知のように修羅場のど真ん中で阿鼻叫喚の日々を過ごしている。

南米王者と闘う大会がいつまで存続できるか分からない。
当然、その「予選」であるルヴァンカップの価値も落ちる。

現在、ルヴァンカップの試合ではベストメンバー規定(スターティングメンバーにプロA契約選手と外国籍選手を6人以上含まなければならない)が適用されている。

こうでもしないと軽視される状況自体が問題だ。
こういう規定を設けるのではなく、規定を設ける必要がない状況に変えないと。

ルヴァンカップをやるならやるで、価値がこれ以上落ちないようにする為の対策を取る必要がある。
全部トーナメント制にするとか、全部1試合制にして開催場所は前の試合での点差が多い方のクラブのホームにするとかしないと。

「がんばります」だけでは何も良くならない。
具体的な何かが必要だ。

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